遥、弱気になる
音音ちゃんのフォームは、水泳、サッカー、剣道、科学部の4つ。
まさかとは思うが、ここにきて別のフォームに入れ替えてないよね?
剣道できた場合、何かこちらも武器を持っていた方がよいのか?
剣道の選手を相手に武器って意味あるのかな?
”佐藤さん、混乱してきちゃったね? 待つのは怖いし不安になりやすい”
”そうよね。でもどのぐらい待つのがいいと思う?”
”今回のような大型フィールドって、お互い初だからな…”
”音音ちゃんは、いつもスタートダッシュで決めてたみたいよ”
”こちらが移動することで、相手の位置と距離がわかるような、テクニック思いつかないし”
”山全体ってのがね”
”ねぇ? 持久戦になったからと言って、こちらが有利になることってある?”
”こっちもなさそうだし、音音ちゃん側もなさそうよね”
”佐藤さんと、その音音って、どっちが体力ありそうなの?”
”うーん。変わらないと思うけど、背が高いのはわたしかな”
”待って、音音ちゃんが移動している。小沼を迂回して、私達の方へ向かってる?”
”わかった。今から、登れそうな木を探そう”
高く姿が隠せる木に登る。
”まずは、相手のフォームの確認だね”
”森田くんって、思ったより頼りになるね”
”そりゃ、佐藤さんに任せておいたら、死んじゃうからね…”
視界に、音音ちゃんの姿が…。
”佐藤さん、緊張しすぎてるよ…”
”ごめん、でも、どうしよう…音音ちゃんと戦えるかな…”
”でも、向こうは、殺す気で来てるよね……剣道だもん”
”いい? チャンスは一度だけだからね。相手が6m以内に入ったら、飛び蹴りだよ?”
”うん”
”それも自然落下、枝のしなりとかで音を出したら負けるよ”
”うん”
”僕達を通り過ぎたら、相手のコンパスの針が逆になるってバレるからね”




