森田くん、考える
森田くん目線なのに、佐藤さん目線で書いてしまった。
訂正しました。
大沼から離れた小沼の辺りに移動し、競技開始のAM 7:00を待っ。
「序盤は、森田だ」と思いがけない言葉に驚いたが、今では落ち着いている。
”本当は棒高跳びの選手になりたかったんだけどね”
”どうして? 種目変えたの?”
”教えられる先生がいないから”
”へぇ…”
”冗談は、そのぐらいにして…佐藤さん、リンク率上げるよ、65%ぐらいまで”
”ちょっと、そんなに? 練習でも55%だったでしょ?”
”わざと抑えていたからね”
”何でよ?”
”馬鹿は馬鹿なりに馬鹿でいたいってことさ”
”もう、意味がわからないわ”
リンク率… 60% ……… 65%
”ね。出来たでしょ”
佐藤さんと肉体、精神、思考、記憶などの共有化が始まる。
”もう情報量が多すぎるわ…出来るなら、事前にやって欲しかった”
”後1分で始まるよ。作戦は、直感って言っていたけど、攻めるの? 待つの?”
”音音ちゃんは…攻めてくると思うわ。迎え撃ちましょう”
遂に決勝戦がスタートした。
俺のカスタマイズアイテムはシューズ。
最大性能としては、高さ8m、距離6m、落下12mとなる。
高低差を利用して戦う方が有利となる。
逆に平地では劣ってしまうだろう。
コンパスを確認する。
高崎市代表は、大沼方面にいる。
”コンパスだと距離がわからないわね”
”そうだね…東側の山を登ってみようか、常に相手よりも高い位置にいよう”
”うん”
”あっ。でも相手の作戦が、こちらの体力消耗だとしたら?”




