久保島くん、劣等感を跳ね返す
小学校から始めた野球、一応投手の座をゲットしたものの、成績もパッとしない。
何もかも平均的だ。
大人なる過程でも、高校も、大学も、就職先も戦勝国が決めてしまうのだ。
こんなつまらない人生などないだろう。
戦勝国の戦闘は、ゆっくりと確実に浸透している。
佐藤 遥なんて、良い例だろう。
何の疑いもなく首都戦への参戦したのだ。
狂っているとしか言いようがない。
兎に角、自由という言葉を戦勝国は消し去ろうとしているのは確かだろう。
昔は簡単にいろんな情報が手に入る機械、先生たちがもっているタブレットがそれらいいが。
そんなものも持たせてもらえない。
近代的なモノから奪われたり消されたりするのだ。
タブレットが消え、TVは洗脳っぽい番組ばかり、ラジオも同じ、図書館などの本も徐々に置き換えられ、家にある戦前の書物を読めば、<ナノサイズの監視用チップであるIoT ver.78>により、視聴履歴から検知され、戦勝国直轄の公安に書物は処分後、本人は尋問や拷問を受け、あるいは洗脳されるのだ。
クソみたいな国だよな…。
だが、上級国民になれれば…。
俺の目標は、監視される側から監視する側に行くことだけだ。
”遥、リンク率あげるぞ”
”うん、5%ずつ上げて行こうね”
45%、50%、55%、60% …… これが今までの限界だが…。
65%
”遥? 大丈夫か?”
”うん、大丈夫”
70%
”やったぞ、山本越えた!! あ、頭が…割れる…っ”
”ん…んん…”
75%
”…”
”………久保島くん………”




