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首都戦記、小6女子の夏の陣  作者: きっと小春
群馬県・準決勝(第一試合)
10/45

遥、春を過ごす

三人は、ショッピングモールで、女の子の服を見て、新作の漫画を探し、ゲームセンターで遊んだ。


「そろそろ、お腹減ったよね?」風花ちゃんが言い出す。


「なら、フードコートに行こうよ」鈴木くんも賛成する。


「でもさ、やま…佐藤さん凄いよ。俺と平良さんは友達でもないし、興味あるものも違うのに、三人で仲良く話してる感じだったよ。佐藤さんを中心にして、佐藤さんが会話をコントロールして。」


「うんうん。そうね。でも、鈴木くん、友達じゃないって、悲しいな。もう友達だよ」


風花がおどけて泣き真似をする。


三人は、それぞれ好きな食べ物を買いに席を立った。


私が買ってきた食べ物を見て鈴木くんが驚いている。


「きのこのパスタ? やまちんなら絶対に買わないよな。やっぱり女の子なんだな」


鈴木くんがジャンクナルドのダブルチーズバーガーセット、風花ちゃんは絶品手打ちうどんだった。


「よく見ると、食べ方とか、仕草とか、遥ちゃんだよね」


「言われてみれば、オカマみたい」鈴木くんがニヤリと渡った。


「”すずっち殺す”って山本くんが言っているわ」


「うっ、怒るなよ、ごめん。やまちん」


三人はお互い知らなかった男の子のことや女の子たちのことを話し聞いて、驚いたり笑ったりと楽しい時間を過ごしていた。


風花ちゃんが花柄の腕時計を見ると「そろそろ帰りの電車の時間だね」と言った。


「あーっ、楽しかったなぁ」と液に向かう途中で鈴木くんが呟く。


首都戦は格闘技の競技と言われているが、命をかけた戦いでもある。


4人はまた同じように遊べることができないのかもと心のどこかで思っているのだ。


桜の花びらは散ってしまったが、まだ春の風が気持ち良く、今日のことはずっと忘れないだろうと思う。


電車に揺られながら、思い出したように山本くんが言った。


”佐藤さん、次の駅で降りて道場に行かない?”


”道場? 柔道の?”


”うん、道場に予備の柔道着もあるし、ここまで体が操れるなら、次のステップに進みたいから”


”わかったわ”


柔道場に着くと、館長に説明して、私版山本くんは、参加を認められた。


柔道着に着替えるとき、パンツも脱ぐのと聞いてみたが、”小学生までは脱がないよ”と教えてくれた。


最初は、受け身もキチンと出来なかったが、リンク率を上げる方法に気が付いてからは、徐々に山本くんの実力が発揮できるようになり、柔道がとても面白くなる。


1時間半の練習が終わると”俺の体、汗臭くてごめんな”と山本くんが言ってきた。


”私を感じてみて、男の子の良い匂いだと思ってるでしょ”と答えた。


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