問題
あれから、お金をもらい、私は妖達が集う妖街へとやってきた。そして、約束していた店にすみれさんと合流し、酒を呑み始める。その時、今日あった出来事を話そうと思った。
「私、響也さんに恋したかもしれない。」
食事中に私がこぼすように言葉を発すると
「え!えええええええええ!!!」
とすみれさんが酒とご飯を吐き出しながら叫んだ。
「え!?何があったの??もしかして、手出された?」
「今更、そんな事で心を動かされないですよ。何となくこの人、私の事を凄く理解してくれそうってそう思ったんです。」
「え?それだけ?てか、絵を描いてもらってたんでしょ?何でそんな事になった!」
私はすみれさんに一連の出来事を話し、全てを受け入れてくれそうな優しさに惹かれたとはっきり答えた。
「なるほどね〜。まあ、あいつすごい観察眼だからね。時々、全部見透かされてるのかと思う時があるもん。」
すみれさんもそう感じていたのがすこし驚きだった。やはり、彼は並外れた洞察力があるようだ。
「何というか、今まですみれさん以外に私の弱みを見抜いた人はいなかったですからね。だから、恋だとは思うんですけど、まだはっきりと愛が生まれたかと言われるとわからないです。」
実際に私も混乱していた。まさか自分が他人に惹かれるなんて思ってもいなかった。ただ今すぐにどうにかしたいというわけではなかったのも事実。そこもすみれさんはしっかりと理解していた。
「そうだね。それにあいつがどう思ってるかだしね。」
その通りだ。私がいくら片思いをしても、彼が振り向いてくれるとは限らない。それに私はただの人間ではない。そこに様々な弊害現れるのは間違いないだろう。
「そうですね。じっくり考えながら、付き合っていきたいと思ってます。」
「まあそれが一番だな。」
そう答えたすみれさんは持っていたコップを置き、何かを考え始めた。
「どうしたんですか?」
するとすみれさんは苦笑いで
「そういえばあいつに浮いた噂とか聞いた事ないな。」
また問題が生まれたのだった。




