決心2
昼下がりの公園で私は彼を待っている。
この間、ここで確かに愛が育んでいっている気がしていたが、私にはもう時間は残されていない。
とりあえず気持ちを伝えて、全てを正直に話してみよう。ただの人間に私の真実を話した事はない。どんな反応をするか分からないのに、何故か彼は素直に受け止めてくれる気がした。
「すみません。お待たせしました。」
そう言いながら、彼がやってきた。
「さっき来たとこですので、大丈夫ですよ。私の方こそ、今日は時間を空けてもらってすみません。」
「そんなそんな。僕はただのフリーターなんでいつでも空けられますよ。それより、今日はどうされました?」
「あの絵がまた見たくて、家まで見に行ってもいいですか?」
彼は少し驚いていたが、了承してくれた。
何の変哲もないアパート。
ここで私は彼に恋心を抱いた。今日はそれを伝える日。真実を伝える日だ。
「どうぞ。」
お茶を出され、私はありがとうと言い、それをゆっくりと飲む。
「お邪魔して、すみません。少し話したい事があるんです。」
「何ですか?」
「私は響也さんの事が好きです。」
彼の顔色は変わらなかった。全てを何となく悟っていたようだった。
「はい。お付き合いという事ですか?」
「いいえ。お付き合いする事は出来ません。」
「え、え? それはどういう事ですか?」
500年間、この事は誰にも言ってこなかった。そのせいか素直に口が開いてくれない。私がモゴモゴとしていると、彼は私の手を握り、頷いた。
そして意を決して、私の秘密を話し始める。