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ソラノカイナ  作者: 夢月
第1章 異世界(?)へと
3/61

第2話 『許せないこと』

 ソラノカイナ2話目です。

 お暇な時にお読みください。

 いや、暇じゃなくても読んでくれていいんですからね!(二回目)

「はぁ?ハイジャック!?」


 ハイジャックってあれか!?バスとか飛行機とか!?嘘?え?今時そんなのあるんだ?僕、そんな大事今まで知らなかったんですけど?

 て言うか日本って結構安全って言うか平和って言うか。て言うかばっか、言ってんなって言うかあんときの電車がそれだったのか?て言うか割りとサラッと言ったな?

 あの駅の前に止まってた車は、あれか、覆面パトカー?ってやつなのか?じゃああの人たちは警察?あのとき話しかけられたのは僕を止めようとしたからで。あれ?でも何で追いかけてこなかったの?


「え?宇宙知らなかったの?」


 知ってて当たり前。見たいな若干小バカにした目で僕のことを見る志甫。シンプルに傷つく僕。


「え、いやじゃあ逆に志甫は知ってたのか?」


 小バカにした目で見てきたのでもちろん知ってるんだろうなと思い決めつけるように聞き返す。


「いや…知ってるも何も…」


 と、携帯を差し出してきた。

 携帯の画面を見ると、速報、電車ハイジャックの状況。(追加更新有り)と書いてあり。

 えーなになに?

 電車が外国籍グループにハイジャック…外国籍グループからは、特に要求は無く、この国を壊せとの文字が電車の窓に張り巡らされているとか。

 さらに、意図は分からないが駅に着くたびに電車を止めて人を少しずつ解放していっているとの情報も。


「これだったら駅に着いた電車を捕まえればいいじゃないか?」


「続きを読みなよ…?」


 まだあるのか…えーっと?あーほんとだ。

 外国籍グループたちは爆弾をどこかに仕掛けたと。もし警察が動けば爆発させる。しかし、警察が動かなければ爆発させない。

 最終的に乗客は五十人になるまで解放し続ける。現在の乗客は大体百五十人程と。その電車には国の主要人物達が?その人達は必ず最後まで残す…。との発表が外国籍グループからあった。


「へー」


 いや、へーとしか言えない。だって知らなかったし。実感が沸かなさすぎるのか完璧に感情が凪いでいる。しかし、こんな大事になっているのに何故僕の耳には今までこの情報が入らなかったのだろうか。……どこかのポテチ姫の所為だわ。完全に。


「まるで他人事だね…で、宇宙ってばどうやって学校まで来たの?電車には乗れなかったと思うんだけど。」


 ずいっと身を乗り出して聞いてくる志甫。

 そんな興味あります見たいな目をされてもなー…


「え?あぁ…そうかー…」


 瞬間移動で来たんだ~!アハッ!

 とか言えないし。でもまあ確かに電車乗れなかったら間に合ってないはずの時間ではあった。いや普通に自転車で来たで良いか?


「宇宙?」


「え?あぁ…うーん」


 自転車で来たと言ったとて、帰りに自転車無いと怪しまれるよな?どうしたものか…


「は!まさか瞬間移動とか!?」


 突然志甫の話すトーンが高くなった。目を輝かせている!

 奇跡的に当てられた?嘘だろ!どうして!何故それをー!と、驚くことはない。こういう夢見がちな子なのだ。

 でも、当たったのは普通に驚いた。いや、あれ?違うから瞬間移動とかないから。あぶなっ、認めるとかありえん。そんなの物理法則?とか無視してるんじゃないか?危ない。まるで自分が物語の中の登場人物にでもなったように錯覚するところだった。

 あ…そうか。これにノッておふざけの方へと話題を変えよう。今までノッたこと無かったけど。


「あぁ!!そうそう!!実はそうなんだよ~」


「え…」


 えぇ!?ひくのかよ!!何だその優しさで笑ってあげるべきか、でも別に面白くないし笑えないなみたいな微妙な表情!

 今まで関係ないところで喋っていた周りの子が一斉にこっちを向いた。

 ………


 ビミョーな空気になったじゃん!て言うかこいつら絶対聞こえてなかっただろ。あれだろ。周りがこっち向いたからそれに乗ってこっち向いたやつ絶対いるだろ。


「おい!!携帯でニュース番組見てみろよ!」


 と、ビミョーな空気を切り裂くがごとく鋭い声が教室の端から響かせられた。

 あいつは瀬戸(せと) (じん)。幼稚園からずっと同じ学校で、さらにはクラスが何故かずっと一緒のやつだ。

 ん?陣の声で携帯を見た子が変なことを言う。


「え?この女の子大丈夫なのかな?」


 この女の子大丈夫なのかな?

 ちょっとまって、嫌な予感がするよ?僕の考えてることが正しかったら結構最初予想してた路線と違ってくるよ?

 キャッキャうふふな学園異世界系ラブコメディから脱線しそう…


「ちょっと見せて?」


 と、半ば強引に携帯でニュース映像を見ていた子の携帯を覗き込む。


「あ…」


 なっ…えー?嘘…だろ?

 そうしたら漫画とかアニメの展開的にはアリガチだろうけどさ。現実だぜ?カイナ・テールじゃん。あいつ何やってんだよ…

 いや電車よじ登ってるじゃん。中二病も拗らせるとここまでしちゃうんだな…もう命に関わるレベルですけど。

 えー…んー…でもやっぱ…あー…止めなきゃな。


「ちょっと…出掛けてくる。先生に、ちょっとお腹が痛いので保健室へいってます!って言っといて!

あ、携帯ありがとう。ごめんね。いきなり。」


 携帯を離してちゃんと謝罪の言葉を入れて。

 ガラララッ!と建て付けの悪いドアを勢いよく開けて教室を飛び出た。


「え?ちょっと宇宙?」


 志甫の声は僕に届かなかった。建て付けの悪いドアの所為で。

 あ、教室にカバン置いてくればよかった。まあ、いいか…

───────


 さっき僕の家の近くの駅にあの電車止まってたよな。あの乗り遅れたやつだと思う。そんな緊急事態に他の列車運行させるか?っておもうし。


 さて、学校から出たが、駅まで向かうとして。あそこは環状線だから。え…っと。もし時間通りに来るなら、学校の最寄りの駅で待っていれば、電車はあと5分程で学校前の駅に着く。急げ。あいつを止めなきゃ。

 多分、計画的に犯行してる奴等だから銃とか、持っているかも。殺されるかも。カイナ・テールは一回会っただけだけど、一応知り合いだ。

 ものすごく意味わかんない知り合いかただけど、ほぼ不審者だし。でもまあ、知り合いだ。知り合いが殺されるのは夢見が悪い。

 助けれるなら助けたい。いや助けるとか大層なこと言って、止めるだけだけど。


 駅に着いた。学校の外から駅まで走って10分の所、僕は天才的な速さで12分で到達した。うん。駄目だこれ。疲れた。帰ろう。

 と思っていたのだが、遠くから電車の走る音が聞こえた。時間通りに運行していなかったのか?不幸中の幸いなのか不幸中の不幸なのかは分からないがどうやら間に合ったようだ。

 止まればすぐにカイナ・テールを引きずり下ろせるようにどこに乗っているのか見つけねばと思ったのだが。待て。何かおかしい。駅にとまるようなスピードじゃないぞ?何故だ?もしかして違う電車か?

 ダメだやっぱ止まらない。目的の電車は既に通りすぎ


『おー宇宙じゃないか!』


 過ぎ去っていく電車の上にテールの姿が見えた。何か言ってたみたいだけど、電車の走行音で聞き取ることができなかった。


「戻ってこい!!今すぐ降りろ!!」


 あぁ…だめだ。完全に通りすぎてしまう。

 しかも向こうからの声が聞こえなかったってことはこっちからの声も聞こえてないと思う。


「──っ」


 くっそ、着いたばかりで疲れてるんだけど…僕も登って、説得するか!声が届かないんじゃどうしようもないからな。


「にぎゃあっ!」


 電車と電車の連結部分の隙間を掴んだが肩が外れそうだ。それに普通に手を離してしまいそう。

 これは、あれだな。電車のスピードに出来るだけ合わせて走る!で、どうにか乗る!


「くうぉおおおおおお!!」


 やばい、転けそう!これは、もうしかたがない!足を浮かせるためジャンプ!転けるよりかはましだろ!っておもったけど!!


「あぁぁあ!!!!!」


 体が浮いた!?

 嘘だろ!?アニメか!?漫画か!?

 くっそ、このままじゃ、ぁあああー!!おーまじかーっ!駅でてもうたやないですかっ!何か色々混ざったけどとりあえず今の状況を整理しよう。やばい。


『おー!すごい!すごいなー!!』


 と言いながら先頭車両から近付いてくるテール。距離が近いからか今度は言葉を聞き取ることができた。

 テールに手伝ってもらい、やっと登った。

 死ぬかと思った。あれ?今僕生きてる?実はもう死んでるとかないよね。


「はぁ…はぁ…疲れた…って言うか痛い。って言うかとまれ!じゃなくて降りろ!!じゃなくて降りよう?」


 怖い!シンプルに怖い!命の危機感じたわ。頑張ったよ僕の手と肩。


『あぁ、私は中にいる奴らを始末せねば気がすまない。』


「はぁ?いやいや…無理だろ。何言ってんだよ?」


 僕は息を切らしながらそういった。

 始末って…


『許せない。』


「?」


─────

 一方教室では──


「おい!!ニュース見てみろよ!」


 再び陣がクラスに訴えかける。


「なんだ?またかよ~」


 これに答えたのは今後出てくることのないであろうモブ人間だ。モブだ。もうそれはそれはモブだ。漫画ならもはや顔のパーツが描かれないくらいのモブだ。


「え?宇宙!?」


 携帯からワンセグでニュースを見た志甫は反応した。


「え?嘘だろ?」


「かわい「まじかよ…」


「どうなってんだ?」


 教室中が携帯の画面を見て騒がしくなる。まじかよ…に掻き消された言葉を気にするものは居ない。

 志甫の携帯の画面には中継先のヘリコプターから撮った映像が流れていた。

 丁度宇宙が電車に捕まった瞬間の映像だった。あれ、この教室担任居ないのか。


「あぁ…嘘…宇宙…」


ガラララッ…


 「はーい、皆さんに連絡がー…」


 担任が教室に入ったと同時に出ていく生徒が1人。

 トイレに行くと嘘をついて向かうは無二烏(むにがらす)駅。この学校の最寄り駅である。

───────

 戻って宇宙の方──


『あいつらは殺さなきゃ気がすまない。』


「いや、だから無理だって。」


 とりあえず。落ち着かせないと。許せないと言ったときのテールの目が怖かった。本気だった。何をするかわからなくて、怖い。


『国を崩すのに何故普通の人間を殺す?

殺すなら国のトップである人間だけを殺せばいい。』


 …殺気のこもった目が怖い。

 本当に殺す気じゃないよな。まあ華奢な女の子に殺せる訳無いもんな。

 て言うかあの発言いいのかなぁ…?


 と、テールがおもむろに電車を叩き始めた。

 ちなみにここは先頭から数えて四両目だ。

 コンコン。テールが電車の装甲(?)を拳で軽く叩く。

 丁度長めのトンネルに入った所だった。


『下には誰もいない。この機械は繋がっているようだからここから入って行く。着いてくるか?』


「…ぇ…」


 僕が答える間もなくテールは。


『よし、くるんだな。』


 「え?いや、何も言ってな…」


 ゴゥン!!


「あぁぁぁぁぁ!!何やってんだよぉぉ!!」


『静かにしろ。』


「ムグッ」


 口を塞がれた。

 え!?電車の天井に穴開けるってどういうこと!?絶対今の音で気付かれただろ!

 裏拳一発で電車の天井に穴開ける少女って…何その怪力少女。ごめんどこの戦闘民族?華奢何かじゃなかったわ!


「─────!?」


 あ、国の主要人物かな?その人はひどく怯えた様子だった。

 なのに何で見張りすらいないんだ?脅されてるとかじゃないならどうして怯えているんだろう?

 あ、そりゃ上から天井ぶち破って人が落ちてきたらビックリするわな。怯えるわな。


「うぅ…」


 破った天井の下に人がいた。


「あ、丁度見張りの上に落ちたんだ。」


 日本人…?

 ん?あれ?下に誰も居ないって言ってなかった?嘘だったの?普通にいますけど?て言うか敷いちゃいましたけど?

 という目線でちらりとテールを見る。


『ま、まあ結果的にこいつらを救ったんだからいいじゃないか…』


 まあそういうことにしとくか…


「あ、あぁ…」


 口をパクパクさせて何かを伝えようとする中年男性。今、国の主要人物かどうか分からないから中年男性と呼称するね。


『あぁ?』


「───!!」


「威嚇するなよ…」


 何をこんなに怯えてるんだ?もう見張りは倒れたのに。


「 ぁ…! !  っ…!!」


 口をパクパクさせている。何やってるんだろう?何て言ってるんだ?何を伝えようとしてるんだ?


『…行くぞ。恐らく動力源は先頭の方だ。この機械を抑えるとしたら誰でもそこにいく。』


「え…まじ…?あ、すみません。あなたが何を言おうとしてるのか分からないんです。

ごめんなさい失礼します…」


 ?

 制服の裾を引っ張られ、引き留められた。


「どうしたんですか?」


 中年男性は一つ奥の車両の方を指差す。


「…向こうに何が?」


「お前…あれを…見て…何も…」


「…???」


 僕が全くもって分からないという顔をすると僕に助けを求めていた目は恐怖の色に変わった。僕の裾を持つ手が小刻みに震え始める。


「て言うか、ちゃんと喋れるんじゃないですか。」


『おーい宇宙ー』


 前の車両から僕を呼ぶテールの声がする。


「すみません。呼ばれたので…」


僕はそっと男性の手を離す。


「ひぃっ!触るなっ!」


 男性の手を離すために握った僕の手は男性によって弾かれた。


「…」


 男性の方を見る。弾かれた理由が分からなかったからだ。その時男性の周りの人の目が見えた。みんな僕を見ている。"何だこいつは"そんな目で。僕を見る。


『宇宙ー!』


 あ、テールが戻ってきた。


『ほら、早く行くぞ。』


「うげっ、僕は猫か何かか??」


 近付いてきたテールに首根っこ掴まれてずるずると引っ張られていく。

 にしてもあの人たちどうしてあんな目で僕を?何かしたか?

───

 ちょっとまてよ…おい。よーく考えるんだ自分。

 何か向こうにいるのが気まずかったから三両目まではずるずると引っ張られて来たけれども…もし、今一両目に行ったとしよう。相手は銃を持っている。はず。

 …撃たれて死ぬやつだ。

 相手が銃を持っていなかったら?いや…外国の人だ。屈強なイメージが強い。殴り殺される。いーや、いやいや、待て待て待て。一両目にいるとは限らないだろ?よし、別のこと考えよう。

 あれだ、さっきの人。何を伝えようとしてたのか。奥の車両に何があったんだ?

 …?何だろう。何かが引っ掛かる。この違和感。人数。そう、人数だ。明らかに少なかった。五十人は居るはずだよな?五十人は残すって書いてあったし。電車があの駅で止まらなかったってことはもう五十人になっているのかと。

 でもそんなに居た感じしなかったけどな。居ても精々二十から三十人くらい。別の車両に?


 しかし、あ…


「おい、待てよ!あ…」


 最後の扉開けちゃった。


「あぁ…」


<何だおめぇら?>

❕色々な言語で喋ってますが日本語にしています。


「おい!!何言ってるかわかんねえぞ!どうするんだよ。」


『こうする。』


 っとテールは思いっきり挑発の指をした。


「おい、なにしてんじゃぁぁぁ!!」


<ohhhhhhhhh!!ぶち殺す!!>


 絶対めっちゃ怒ってんじゃん!何言ってんのか分からんけど!!

 て言うか中指立てるの全世界共通で挑発なの!?!?嘘でしょ?違うでしょ?!


『こいよ屑ども。』


 テールはにたりとこの場面では不適な不敵な笑みを浮かべる。

 馬鹿じゃん!構図が絶望的だよ!!

 少女対屈強な外国人の喧嘩(この表現は僕がこの場面を出来る限りオブラートに包んだ結果辿り着いたものです)って!

 あぁぁぁ…殺されるぅぅぅ…

 嫌だー…何かついてきちゃったけど…ついてきたかった訳じゃなかったけど。考え事してたらいつのまにかついていた感じだったんだけど!

 あぁ!銃を構えてる!!

 まだ死にたくないのに!!

──────────

 1発の銃声が鳴り響く…

────────────


To be continue.

 ここまで読んでくださりありがとうございます!

 ソラノカイナ第3話は宇宙がやっと異世界に行きます。

 それから、志甫に殴られます。

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