表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者のお供の詐欺師さん   作者: 天然水
勇者 仲間集め
5/6

リリー覚醒 (笑)

「ふうェ。ごめんなざい!!迷いまじだー!」




ヒック。ぐすん。

さっきまで知ってる道だったのに……。

コウキ様とおじ様と話し込んでいたら……気がついたら知らない道を歩いてたのですよ〜。うぅ。



せっかく、役に立てると思ってたのに…ぐすん。


このままでは私は捨てられてしまうのです。せっかく心優しいご主人様に出会えたのに…。


私はコウキ様とおじ様に深く頭をさげる。謝ることしかできなかった。



「ま、間違えることは誰にだってあるさ!ね⁉︎おじさんもそう思うでしょ?」




コウキ様はこんな私にも、奴隷の私にも優しく接しってくれるのです。でも、その優しさが逆に怖いのです。



「ああ、そうだな。間違えることは誰にだってある。俺だって間違える。逆に間違えない人なんていないだろ」



おじさまは明後日の方向を見ながら私をホローしてくれました。でも本心からは言っていないのです。眼を見ればわかるです。うぅ。あれは絶対怒ってる眼なのですよ〜。グスン。



「今日はここで野宿しよう。ホラッ!いつまでもメソメソしない!」



コウキ様はそう言うと私の頭をを撫でてくれました。とても暖かいのです。


私よりも2歳年下なのに。私よりもとても強く暖かい手なのです。とても心が落ち着くのです。




「おじさん。僕とリリーで夕食の調達に行ってくるからさ。魔術で家かなんか建てといてよ。頼んだからね!」






コウキ様は私の手を引いて近くの山の中に入って行きました。



しばらくするとコウキ様が私に話しかけます。


「……リリー。あのさ、気にしなくても大丈夫だからね?」



本当に、本当に優しいのです。



「……ハ、はい」



この優しさがいつまでも続いて……。


私は首を横に振る。

私は奴隷なのです。ご主人様にいつまでも心配させられてる用ではいけないのです。



私にできることで、私にもできることでご主人様に仕えたい。私は初めてこんな気持ちになりました。今までたくさんの『ご主人様』に買われましたがこんな気持ちになったのは初めてです。



私にできることで、できること、……こと。





………。






『リリー姉ちゃんこんなこともできないのー?』


『おいおいリリー。見学は構わないが机の上の物には絶対に触るなよ。って、コラッ!あ゛ーー!!』


『水魔法が使えない?ハァ。一家の恥晒しもいい加減にしてくれよ』


『リリー。あなたは____そうね。とりあえず、お願いだから、動かないで』


『せめて店番でもできたら助かるのにね。』





アレ?

オカシイナ。


私!もっとしっかり思い出すのです。私にできることを!!





………。





『こ、これ以上私に近づくな!クソッなんて買い物してしまったんだ。貴様は返品だ!帰れ!!』


『ちょっとそこの新入りさん。さっき任せた皿洗いだけど、あなた洗ったお皿どこに片付けたの?……へ?、全て割った』バタンキュー


『こんな簡単な作法も覚えられないなんて……。店主に騙されたわ。コレは返品するしかないわね』


















私はふと空を見上げます。

















あはは、綺麗な空ダナー。綺麗な夕日なのです。平和なのです。平和が一番なのです。






「おーい、リリー!コレ見てよ」



「ファ、ファい!」



急に名前を呼ばれ驚いてしまいました。名前を大きい声で呼ばれるのは慣れないのです。うぅ。




「リンゴ見つけたよ!この世界にもリンゴがあるんだね!」




コウキ様の手には赤い果実が1つありました。


アレはリンゴではなく『ゴンリの実』なのです。食べても美味しくないどころか毒を持っている魔界性植物の1つなのです。毒と言ってもそこまで強いものではないそうですが。



リンゴとゴンリはとても良く似ているのです。でも、よ〜く見ると違いがわかるのですよ。



「コウキョ……。コウキ様。そ、それはリンゴではなく、ゴンリの実なニョデス。」



うぅ、働け私の口!

ご主人様の名前を噛むなどありえない失態なのです。




「へぇ〜。ゴンリっていうんだ。リンゴ、ゴンリ…なるほど。リリーは詳しいんだね!」



コウキ様は私の失態には気にしないようで、私のことを褒めてくれました。



リリーは詳しいんだね、と褒めてくれました。



詳しいだね、詳しい……しい。











………。









『リリー姉ちゃん!スゲー!!僕、リンゴとゴンリの見分けつかないや』


『え、お兄ちゃんのためにしおりを作ってくれたのか?イヤッホー!!』


『ほう、この歳で土魔法に目覚めるとは……。将来が楽しみだな』


『リリー。ちょっとツワブキの在庫が切れちゃって、取ってきてくれる?………。速!もう取ってきたの!?』


『リリーちゃん、コレは何という花なんだい?……。ほほう、アオキか。火傷に効くんだね?どれ、1つ買っていこうかね。フフ、リリーちゃんは詳しいね』











こ、これだ!これなのです!



これなら、この知識ならコウキ様のお役に立てるのです。



そうと決まれば、早速役に立つのです。


ムム!この草はヨモギなのです!




「コウキ様!」


「ん?」


「この草は、食べれるのです!それで……コッチの草は食べれませんが毒消しの効果があります!あっ!コウキ様の足元に生えてるキノコは菌根金ダケです!火を通すと金色に輝くのです!!」



「へぇー。リリーは植物に詳しいんだね!スゴイじゃないか!」



へへへ


やっぱり褒められるのは嬉しいのです。


それにしても菌根金ダケが生えてるとは……。自然の菌根金ダケは初めて見たのですよ。


コウキ様も物珍しいそうに菌根金ダケをまじまじと見ています。菌根金ダケは火を通す前は黒っぽい地味な色をしているのですが……。さすがコウキ様。火を通す前の菌根金ダケの良さがわかるのですね?


わかります。わかるのですよ。菌根金ダケは火を通せば華やかで美しく、火を通す前はおしとやかで可愛らしいのです!



「あ!菌根金はデリケートなのです!」



コウキ様が菌根金ダケに手を伸ばそうとしたので思わず声をあげてしまいました。



「はうぅ。ご、ごごごめんな『グオォォォ!!!』ひゃーー」




謝ろうとした時、どこからともなくモンスターの遠吠えが響きました。私は思わず耳を塞ぎしゃがみこみます。



「今のは?」



コウキ様はあの声を聞き、驚くどころか目を輝かせているのです。




「わ、わわわからないです」


「さっきの……アッチから聞こえたな。よし!行ってみよう!!」




ふえぇ。

わざわざ危険なトコに行かなくても……。



「ハ、はい」



私は涙目でそう言った。


『リリー覚醒』のシリーズは(笑)(弾)(発)(超)と後1つの5話分ある予定です



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ