表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
究極の愛  作者: 瑠璃
6/10

6

そんなある日、妻が子供を両親に預け、俺の部屋へ遊びに来ると連絡があった。


妻に飢えに飢えていた俺はその日が待ち遠しくて仕方が無かった。


しかし痔の悪化やフィギュアのことを知られるわけにはいかない。


俺は生活の一部になっていた小さな女の子を、書類の入った段ボールの奥に隠すことにした。



駅まで妻を迎えに行き久々のデートを楽しんだあと、俺たちはようやく部屋に落ち着く。


それからのことは言うまでもない。


妻の滞在する1週間を、俺たちはまるで新婚夫婦のように過ごした。


俺としてはずっと二人きりで過ごしたかったが、佐藤の誘いもあり、最後の晩餐は両夫婦揃っての食事になった。



「女ってすごいよな。すぐ仲良くなるっていうか」


ワインを片手に俺は呆然と妻を見つめる。


かれこれ20分、妻は佐藤の嫁と二人で話し続けている。


何の話をしているのだろうと最初こそ興味が湧いたが、ころころと内容の変わる女同士の会話にはついていけず、早々に諦めた。


「まぁ、今までも結構電話で話してたみたいだし」


佐藤は何てこともなくステーキを頬張っている。


「え、そうなの?」


「中元とかだってやり取りあるし、お前が知らないことの方が驚くね」


「俺そういうの全部任せてたからなぁ…」


妻は俺と違って気が利くから、知らないうちに色んなことを手配してくれている。


年賀状については誰に送るとか話すものの、中元や歳暮のことなんてもう何年も考えて来なかった。


そういう文化もあったなぁと思うくらいだ。


「お前の嫁さんから痔の話言ってないだろうな」


ふと不安になって聞いてみる。もしかしたら佐藤の嫁が話のネタに、妻に何か言っているんじゃないかと思って。


「いや、言わないって言ってたし大丈夫だろ」


俺の嫁を信じなさい。佐藤はそう言わんばかりに誇らしげな笑みを浮かべる。


「佐藤夫妻、ご馳走様です」


「さっきからやらしい目でじーっと奥さん見てるやつに言われたかないね」


「んなことないし…」


なんだかんだ言って、俺たちは自分の伴侶にメロメロなのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ