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プロローグその4~紅一点ならぬ黒一点~

『恭さん?』

「はい…みなさん今日も楽しそうですね?」

長身に纏った白衣…

ゆったりとした言動…

それがだれもが抱く彼の第一印象だった。

この恭さんなる人物が何者なのかというと

肩書きで言えば、CS大学脳化学科教授兼現脳研顧問

つまりは、このサークルの顧問で、最近ではその研究分野と業界内では名の通った存在から多方面(ドラマやTV番組など)への技術提供なども行っている人物である。

「え!ええまあ!!」

会長が苦笑して返答する。

「それは良いことですね?

おっと…そうでした…!

今日は皆さんに少しお話があって参りました。」

恭さんの軟らかい物腰でさっきまで張り詰めていたような室内の空気感がゆるゆると解けていくような気がした。

「恭さんが話なんて…珍しいな?」

由馬の言葉に全員が頷く。

「ええ…そうですね。

今までこちらにはぜんぜん顔を出せていませんでしたからね…

と…それでは早速お話してもよろしいですか?」

言いつつ先ほどから両手に抱えていた袋を円卓のドリーまーの隣に置く。

「は…はい…お願い…します…?」

「はい…

お話というのは他でもなく私の研究にかかわる話なのですが…

このサークルの目的とも一致する部分がありますので、皆さんにご協力いただこうと思いましてね…」

「恭さんの研究とこの現脳研の目的が…?」

俺が疑問の声を上げる。

「そうなんですよ…

まあ…とりあえずこれをご覧ください。」

恭さんが袋から取り出したのは…

さっきまでこの部室内の注目の的となっていた「ドリーまー」そのものだった。

しかし…

「あっ!」

さっきまで見ていたものとは違う点がいくつか

箱表面にプリントされた本体の写真…

「フルフェイスヘルメット」型のそれは「黒」くて特別華美な装飾などなく、

シンプルでいてかっこいい

いかにも「男性用メンズモデル」といった形だった。

「最近テレビコマーシャルなどでも宣伝されているのでみなさんも名前くらいはきいたことがあるかもしれませんね…

これはドリーまーといってVR空間にダイブすることのできる機器なのです。

脳科学の面から私も作成には少しかかわっておりまして…?

おや?これは……?」

ふと視線をずらした恭さんは、そこにあったもう一台の「ドリーまー」に気がついたようで

「そうですか…

もうみなさんも手に入れていたのですね?

それでしたら話が早い!

このドリーまーをつかってあるゲームをしてほしいのです。

その間の脳血流量の変化や、脳内電気信号の働きなどをチェックさせていただきたいと……?

みなさん?大丈夫ですか…?」

『………』

皆の口はぽかんと開き、固まっ(フリーズ)ていた。

しかし、次の瞬間…!

『うぉおおおおお!!あなたが神かっ!!!』

幾度メカになる絶叫が部室を揺らしたのだった。


ようやく回想が終わりそうです

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