情報をまとめようじゃないか
市長の横領疑惑について調べようとしているシャルル達だが…
「…と言っても、まず何から調べたらいいんだ..」
僕は頭を抱えた。最初の壁だ。壁にぶち当たるのが早すぎる。
「今分かっている情報は何だ?」
ヴェリテが冷静に問う。
「分かってることは…横領疑惑のある金額と市長の行動パターンくらいだよ。帳簿の場所とか、何に使ったかとかは全然分かってない」
僕は日記で仰ぎながら言った。このままでは調査を始める前に日が暮れてしまいそうだ。
「市長は毎週金曜日の夜になぜかサーカスの劇場に行くらしい。でもそこで何をしているのか、何が起きているのかは全くわかってない」
僕は神妙な面持ちで言う。いつ聞いても奇妙な話だ。用もないのにサーカスの劇場に行くなんて。
「…妙だな。それにまだ情報が足りていない状況だ。聞き込みから始めたらどうだ?」
ヴェリテが顎に手を当てて言った。
確かに、情報を集めるに越したことはない。
「それもそうだね!じゃあまず、街で聞いてみよう!」
と僕は意気揚々と頷いて席を立とうとした。
——そんな時だった
「あなた達、そんなに真剣に何をしているのですか?」
そう言ったのはこの孤児院の院長のクレア先生だ。長い金髪が美しい女性で、困っている人に手を差し伸べる優しい人だ。孤児院のみんなから信頼されている。
「事件を解決しに行くんですよ!今から!」
僕は拳を胸にドンと当てて勢いよく言った。
「あら、そうなんですか。頑張ってくださいね。暗くなったら帰ってくるんですよ」
クレア先生は子供の遊びを見守るように柔らかな表情で言った。
「そういえば、クレア先生はこのことについて何か知りませんか?」
僕は記事を指差しながら言った。院長だし顔は広そうだ。クレア先生なら何かわかるかもしれない。
「横領疑惑…ですか?すみません、分かることは何もないです」
クレア先生が首を横に振りながら困り顔で言った。
さすがのクレア先生でもわからなかったか…
「そうですか…何かわかった事があったら僕に教えてください!」
そう言って僕たちは街へと聞き込みに出かけたのだった。




