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4.なつきはどこ

「ぜんっぜん眠れなかった…」

私は起き上がり、大きなあくびをした。


昨日のことをふと思い出す。

神に会って、なぜか付きまとわれて、

なぜか日比谷は知った顔してて……


「意味わかんないわ!!」


私はそう叫び、また布団にダイブした。


「おはよーん♡美奈ちゃん」

甘ったるい声が耳元で聞こえる。

これは、幻聴、無視、無視………


「起きないとキスするよ」

「いやあっ!!」

私は声のする方にパンチして勢いよく起き上がった。


「痛いなあ…おはよう美奈ちゃん♡」

「か、神…なんでここに」

「神だから?」

「答えになってないし」


私は逃げるように部屋の隅に行くと、神が近づいてきた。

「美奈ちゃん、昨日眠れなかったって感じだね?

酷いくまができてる」

「誰のせいだと…」

てか、顔近い近い!離れろ!


私が手を押し当てて離れさすと、神は余計に近づいてきた。

「美奈ちゃん可愛い」

そのまま頬を撫でられたと思うと、一気に唇が近づきーーーーー


『バシッ』


「笹山!無事か!って…」

日比谷、ちょっと遅いかな。ってかなんでいんだよ。


日比谷は私が張り倒した神の倒れている様子を見て、呆然とする。

「おまえ…ゴリラかよ」

「誰がゴリラだ!!」

私は頬を膨らませて自分の部屋をあとにした。



「はあ、なんでこの3人で登校してんのよ…」

「俺は嬉しいよーみなちゃん!」

「好きでこうなってんじゃねえし」

さっきはなぜか親も受け入れてたし…謎だわ


「そーいえば、結局なつきのことは見間違いだったのかな?」

私はなつきが屋上から飛び降りそうになったことを思い出し、顔を青ざめる。


「なつきって子をさがせばいーの?」

神がにっと笑い、

「任せて」

と言ったかと思うとどこかに消えてしまった。


「ほんっと忙しいやつ」

日比谷がジト目で神がいた場所を見つめる。

「それで?あんたはどーしていんのよ」

私は日比谷に詰め寄った。


「…………黙秘」

「ストーカーが…むぐっ」

私が叫ぼうとすると、咄嗟に日比谷に手で口を塞がれた。


「ぷはっ、なんなのよ!」

「お前やめろよ!ほんとに死ぬから!社会的に」

「あんたが黙秘権行使するからでしょ!」

「それは…言えねーもんは言えねーもん!」

私たちの声で通行人にちらちらと見られている。


「ちょっとー僕がいなくなったからっていちゃつかないでよー」

「いちゃついてない!!」

私と日比谷の声が重なる。


「神!なんか早くない?なつきもうみつけたの?」

「見つけたよー」

私は一気に嬉しくなり、


「どこにいた!?」

とテンションMAXの声で聞いた。


「なつきちゃんは…」

私はうんうん、と次の言葉に期待する。




「死んでたよ、学校の屋上で」




私は神がなにを言っているか、一瞬分からなかった。



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