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第4話「信仰、仕様を超える」(再構成版)」
第4話「信仰、仕様を超える
「……やばい、なんか、祀られてる。」
スライムを運で倒しただけなのに、気づけば俺は村の中心でNPCたちに信仰されていた。
村長は深々と頭を下げ、他の住民たちも一斉に跪く。
「どうか、この村に神の宿る場所を……!」
その言葉と同時に、空間にノイズが走った。
《イベント進行中:神殿建築(信仰値による自律進行)》
*《信仰者数:26》
《信仰強度:LUC依存 / 超過》
数時間後、村のはずれに石造りの礼拝堂が出現した。
俺は中を見に行って、すぐに違和感に気づく。
──祭壇に埋め込まれていた、赤黒く脈動する宝石。
「……おい、これって……“賢者の石”じゃないか?」
「あれ、これ……俺が前世で錬成したやつと同じ反応してる……?
いや、まさか、そんなわけ――」