表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/36

第16話「職の選定、神の選択肢(オプション)」

 教会の最奥、神霊のしんれいのま

 そこには水晶でできた転職の祭壇《グラン・セレスの鏡石》が、淡く脈打っていた。


「Lv.25到達。転職条件、満たしました」

 信徒NPCが神妙に頭を下げる。


 この世界では、Lv.25に到達した者は“職業”を授かる権利を得る。

 ただし、与えられるのは無限の選択肢ではない。

 ――プレイヤーがこれまで行ってきた行動、選択、交友、思想、すべてを記録し、

 “適性”という名の運命として返される。


 そして、それは一生を左右する最初の決断となる。


【神前転職の儀:開始】

 神官が鏡石に両手をかざすと、

 光が走り、画面に適性の【メイン職業】と【サブ職業】候補が浮かぶ。


  メイン職業候補(適性評価により出現)

 神霊術士ミスティック・セイント

 信仰+錬金+召喚を併せ持つ、奇跡使いの上位職候補。

 錬成導師アルケイン・ドクトル

 魔術理論と実践錬金の融合型。変性と創造に秀でる。

 運命改変者フォーチュン・レイダー

 LUC極振り者にしか現れない超レア職。

 スキル発動に“運”の介入が常に作用する。

 魔導農師アグリオス・メイガス

 植物魔法・農業・支援術が融合。マンドラゴラ適性最大。

  サブ職業候補(活動ログにより出現)

 教皇見習い(カーディナル・ノヴァ)

 宗教的威光+政治的交渉スキルを持つ支援サブ職。

 降霊調合師ネクロフュージョニスト

 精霊/死霊を錬成し、バフ・デバフを調合する支援専門。

「……迷うな、これは」


 シンディールの脳裏に、これまでの戦いがよぎる。

 ゾンビと踊った日々。マンドラゴラに刷り込まれた時間。

 教会を建て、神薬を生み、レアドロップを拾い続けたあの奇跡の運。


 そして、彼は選ぶ。


  メイン職業:運命改変者フォーチュン・レイダー

  サブ職業:降霊調合師ネクロフュージョニスト

【運命改変者】は、ステータスのLUC値を利用して、

 スキル成功率・ドロップ率・戦闘イベント発生率・確率変動全般に干渉する、まさに運ゲーの神。


【降霊調合師】は、

 過去に使役したマンドラゴラやゾンビ、精霊素材を調合し、

 戦闘中に一時召喚ユニット+複合バフ・デバフ薬を生成できる。


 《職業決定》

 《称号【変数なる者】獲得》

 《固有スキル開放:ラッキースロット・オーバードライブ》

 効果:確率を一時的に限界突破させる超運ゲーバフ(CT:5時間)

 副効果:周囲の“運命確率”も変動する(仲間・敵双方に影響)

 水晶が静かに沈黙し、祭壇は闇に包まれる。


 しかしその時、外で異変が起きる。


【警告:転職儀式の完了により、《ギルド・バンルーク連合》が動きを開始】

【高位者《確率殺し(アンチラック)》が派遣されます】

「……このタイミングで来るか。さすがに運が良すぎたようだな」


 だが――

 “運命改変者”の彼には、運さえも操れる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ