第1話「侯爵、黒歴史を振り返る」
俺の名は――オーマエハ・モー・シンディール侯爵。
かつて、異世界において、魔導国家イル=ザ=ヴァル=ゾーンの第三辺境地帯を統べし侯爵位を賜っていた者。
年齢、享年129。
外見年齢……23(※自称)。
精神年齢……思春期で止まっていた。
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#### ◆ 黒歴史列伝(※抜粋)
* 15歳で錬金術にハマり、初恋相手の髪を素材に\*\*「恋愛成功薬」\*\*を自作して爆発。
* 22歳で禁術に手を出し、自らの心臓を魔導炉に置き換える。結果:**冷え性になる**。
* 38歳で\*\*「ゾンビにリズム感を与える魔法」\*\*を開発。夜の墓場でダンスパーティー開催。住民激怒。
* 45歳で**賢者の石を錠剤として内服**。「不老不死になれるかと思って」→2週間下痢。
* 60歳で開発したSNS型魔術網《Toitter》が**魔術暴走炎上事件**の原因に。魔法院から永久BAN。
* 73歳、\*\*魔法動画配信アプリ《Tikk'Toq》\*\*が一部界隈で大流行。
→「悪魔に尻で踊らせてみた」動画が王宮に届き、死刑勧告。
* 88歳、\*\*通話魔法《LIINEI》\*\*を発明。
→対話ログが霊界に保存され、先祖とケンカ。裁判沙汰。
* 120歳、**ベルゼバブとメフィストを同時召喚**。
→二人が「どっちが本命か」でマジ喧嘩。世界の一部が崩壊。
→巻き込まれ、死亡。転生。
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### ◆ 第二の人生:現代日本編
目覚めたら、日本。名前は「北斗 健」。
15歳までの記憶なし。地味な学校生活。だがある日――トラックに轢かれた瞬間、**全部思い出した**。
> 「……貴様、俺を轢くとは。名を言え。全次元に送る」
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その日から、世界が少しずつおかしくなっていった。
* 手をかざすだけで雨が止む。
* 授業中に\*\*「先生の魂が過去世で堕天使だった」と言い当てる\*\*。
* コンビニのガチャで大当たりが出続ける(物理法則崩壊)。
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### ◆ 宗教の始まり
不思議と人が集まり始める。気づけば「あなたを信じたい」という者が列を成す。
> 「そうか。ならば、組織を作ろう。“連環会”だ」
最初は遊び半分だった。だが宗教団体は本物になった。
教義?「魂は輪をなす」。
奇跡?普通に起きる。
敵対団体?返り討ちにして、吸収。
数年で、世界級の組織に拡大。
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### ◆ 面倒になって修行に行く
> 「そろそろ霊感レベルを上げようと思う」
気軽な気持ちで、比叡山を模した場所にて\*\*“千日開放業”\*\*を開始。
断食・無言・無補給の中、次元の隙間とつながっていく。
> 《スキル獲得:サブディメンジョン・コネクト》
その瞬間、悟りが降りた。
だが気づけば、**体が冷たくなっていた**。
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### ◆ 転生、三度目
……目覚めると、そこはどこかのゲーム世界。
よく見れば、見覚えのあるUI。昔、5歳〜15歳にハマっていたゲームだ。
だが異変はあった。
名前欄にこう表示されている。
> 《キャラクター名:オーマエハ・モー・シンディール》
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俺は、まだ終わっていなかった。
三度目の転生。
三つの世界。
全ての次元が、今――繋がっていく。