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異世界のキャリアコンサルタント~今一番のお勧め職業は『魔王』です~(改)  作者: うにおいくら
第11話 酔っぱらい軍団

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報告

 マリアがシラネのグラスにワインを注ぎ終わると

「それではジョナサンの黒騎士転職を祝ってかんぱ~い」

と、まだ酔ってもいないシラネが叫んだ。


全員がグラスを持ってワイングラスを一気に空けた。


「あっそうだった。その話をしていたんだったな。忘れていたわ」

イツキは笑いながら思い出した。


「マジで?」

ジョナサンが突っ込んだが

「俺も忘れていたわ」

カツヤも頷いた。


「酷いなぁ……」

ジョナサンは二人の友達甲斐の無さに苦笑しながら呆れた。


「まあ、女子校生とお仕事がしたいジョナサンの夢は明日叶えてやるよ」

イツキは笑いながらジョナサンに言った。


「それにしても、この面子でパーティは組んだ事ないな」

カツヤが面子を見回して言った。


「当たり前だ。こんな暑苦しくてむさ苦しいパーティは嫌だ」

アシュリーはまた強く否定した。


「せめてアンナぐらいはいて欲しいな」

カツヤが思い出したように一人の女性の名前を挙げた。


「アンナ?……もしかしてアンナ・リベラか? バーサクヒーラーの?」

イツキが聞いた。


「そう。イツキと最初からずっと一緒に居たアンナ」

とカツヤが応えた。


「最初からではないが、結構古いな。知り合ったのは、この世界に来て一年ぐらい経った時かな。その時に一度パーティーを組んで……二回目はちょうどカツヤと組む前……鍛冶屋する前のパーティで一緒だったから……アシュリーは知っているよな?」


「ああ、知っているどころではない。イツキが無茶をするからいつも後ろで怒鳴っていたな」

アシュリーはアンナとイツキとパーティを組んだ事があった。


「そうかぁ? 話を盛ってないか? アシュリー」


「盛ってないぞ。嘘だと思うなら本人に直接聞けば良い」


「どうやって?」


「もうすぐここに来るよ」


「え? そうなの? なんで?」


「え、それは……実は……俺はアンナと結婚した」

というとアシュリーは顔が少し赤くなった。

そして更に顔を赤らめて

「だから今はアンナ・オーエンだ!」

と叫んだ。


「え~!!」

全員が驚きの叫び

「なんで今まで黙っていた!」

と怒鳴った。


「なんか……恥ずかしくて言えなかった……」

アシュリーは下を向いて顔を上げない。


「言えよ。バカ!」

イツキとカツヤはアシュリーを詰った。その後ろでシラネも小声で笑顔で「バカ!」と言った。


「こら! お前らまで言うな!」

アシュリーは顔を上げて怒った。


「あ? 聞こえましたか?」

カツヤとシラネは笑いながら謝った。

そこに今はアシュリーの嫁になったアンナがやってきた。


「お久しぶりね。イツキ」


「おお、アンナ。聞いたぞ、アシュリーから……」

イツキがそういうとアンナはアシュリーを睨んだ。


「ごめん。先に言ってしまった」

アシュリーは頭を掻きながらアンナに謝った。


「もう、私が言いたかったのにぃ……」

アンナは拗ねたが、すぐに気を取り直してイツキ達に

「そうなの。先月結婚したの。内輪で軽くパーティだけしたんだけどね。

今日、ここにアシュリーが『シラネのとこに行く』っていうからイツキに報告しようって一緒について来たの。でも、みんなが集まっていてるとは思わなかったわ」

と嬉しそうに語った。

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