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異世界のキャリアコンサルタント~今一番のお勧め職業は『魔王』です~(改)  作者: うにおいくら
第11話 酔っぱらい軍団

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カツヤとの会話


「ああ。と言っても騎士爵やけどな」

とカツヤは謙遜しながら応えた。


「それも良かったなぁ…。で団長にでもなったか?」


「まさか! とんでもない、まだ副団長や」

カツヤは首を振り否定した。


「それでも凄いじゃないか? 副団長なんか普通ではなれないぞぉ」


「近衛の第一師団長だったお前が言うな」


「まあ、そうなんだけど、それでもおめでとう」

イツキは自分の事はさておきカツヤの昇進が本当に嬉しかった。


「まあな、運もあったようやしな」

そういいながらカツヤもそれなりに満足げな表情をしていた。


「まあ、なんにせよ良かった。こっちには仕事か?」

と言いながらイツキはカツヤの前に珈琲カップを置いた。


 カツヤは珈琲カップを手にしながら

「そうや。シラネのところと合同練習で来たんや」

と答えた。


「ああ、シラネんところとかぁ……。シラネにはもう会ったのか?」


「ああ、さっき会ってきた。今はうちの団長と明日以降の打ち合わせをしてるところや」


「そっかぁ……で、お前は一緒にいなくて良いのか?」

とイツキは首を傾げながら聞いた。


「イツキに会いに行くって言うたら団長も行けってさ」


「そうか、話の分かる団長だな。で、団長って誰だっけ?」


「アシュリーや」


「アシュリーかぁ。お前とパーティを組んでいたあいつか?」

イツキもその名前を聞き覚えがあったようだ。


「そうや。あいつが近衛兵団の団長になったお蔭で俺も呼ばれたって事や」


「あ、なる程ね」

とイツキは状況が理解できたかのように何度も頷いた。


「そう言えばアシュリーも『イツキによろしく』って言っていたわ。後で来るかもな」


「折角だから来たら良いのにな」

イツキもアシュリーとは顔なじみだった。懐かしそうな表情で言った。


「そうやな」


「それにしても今頃、合同の訓練ってなんだ? 魔獣はこんなにも少なくなってきているというのに……誰と戦うつもりだ?」

イツキはカツヤに聞いた。


「そうなんや。相手がおらへんのや……」

ぽつりと呟くようにカツヤは言った。


「はぁ? なんだそりゃ?」

イツキは思わず声を上げた。


「一応、恒例の軍事練習に民兵とか貴族の軍隊も入れてやることになったんやけどな。で、今回はこの自衛団との合同練習や」


「魔獣もいないのにご苦労なことだな」

とイツキは呆れたような表情を浮かべて言った。


「まあな」

カツヤはそう答えた。


「しかし、また魔獣の数もそのうちに戻るかもしれんしな」

イツキはまだ魔獣が減った現状を深刻にはとらえてはおらず、一過性のものだろうと予測していた。


「それはそれで面倒やねんけどな。ま、他にすることもないから魔獣ぐらいはもう少し増えてもらいたいというのも本音やな」

と言ってカツヤは笑った。


「まあ、ナロワかカラクのどちらかが統一したいと思ってもおかしくはないがな」

イツキはそう言いながら入れたばかりの珈琲をカツヤの前に置いた。そしてイツキは自分の珈琲カップを持ってカツヤの前のソファーに座った。


「うちの国王がそれを考えているって事は?」

イツキはカツヤに聞いた。


「それはお前の方がよく知っているだろう。昨日も国王とチェスしていたんやろう?」

そういうとカツヤは珈琲カップを持ち上げて、美味しそうに珈琲を飲んだ。


「情報が早いな。もっともそんな話は出なかったが、国王はこんなことを言っていたな。『覇道で行くのも王道で行くのも民の為ならどちらでもよい』とな。それを聞いた時は、なんでそんな話をするんだろう? って思っていたんだけど……なんかキナ臭いな」


「ああ、キナ臭い。国王は基本的には争い事が嫌いなんやけどな」


「チェスも弱いし……」

イツキは笑って言った。


「お前ぐらいなもんだわ。国王に容赦なく勝つ奴は……」

カツヤは呆れたようにイツキに言った後に珈琲を飲んだ。


「そうかもな」

イツキは笑って答えた。


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