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異世界のキャリアコンサルタント~今一番のお勧め職業は『魔王』です~(改)  作者: うにおいくら
第8話 黒騎士 女子高生編

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キース登場


「ちょっと待て!! ハウザーに言うのはちょっと待て!」

オーフェンは焦ってイツキに待つように懇願した。

小娘を眷属にするよりもハウザーに出し抜かれる方が悔しい。このままハウザーに、この小娘をイツキが持っていったら『本当にオーフェンは小物よのぉ』と高笑いされるに違いない。

……オーフェンはそう考え本気で焦った。


――そういえばオーフェンとハウザーは仲が悪かったな――


 とイツキは心の中でほくそ笑んでいたが、同時にエリーの度胸の良さにほれぼれとしていた。


「待ったら、なんかええことあんのか? おっさん?」

エリーはいつの間にかヤンキー女子高生になって魔王をオッサン呼ばわりし始めた。


「う~ん。気に入ったぞ。この小娘……そなたを気に入った」

オーフェンは完全に怒りモードが解けて、哀願モードになっていた。

さっきまで充満していた魔王覇気は一瞬で消え去っていた。


「何がぁ?」

エリザベスは顎を突き出し目を細めて聞き返した。まるでヤンキーのお姉さんのように。


「ワシが悪かった。そなたを我が眷属にしよう」

とオーフェンは哀願するように言った。


「何を今更……あほちゃうか?……イツキさんそのハウザーっていうのはイケメンなん?」

エリーはオーフェンの言葉を無視し振り返ってイツキに聞いた。


「そうやなあ……婦女子には人気あるかなぁ……」

そう言いながら

――小娘に頭を下げたオーフェンなんか初めて見たけど、それを全く無視した小娘エリーもスゲ~――


と更にエリーの度胸に驚いていた。


「イツキ! 何を言っている。あいつが婦女子にモテる訳があるまい!!」


「お、そうだ!キース!! キース! 直ぐに参れ!」

オーフェンは広間の隅々まで響く声て叫んだ。


――こうなったら奥の手を使う以外にはない――


オーフェンはそう思った。


 イツキとオーフェンの間につむじ風が舞ったと思ったら、そこにキースが片膝をつき現れた。

「お呼びですか? オーフェン様」


「おお、呼んだ、呼んだ。今、イツキが来ておるのじゃが、新しい黒騎士を一人連れて来てくれたのじゃ。お主に面倒を見てもらおうと思ってのぉ」

とオーフェンは慌てながら事の顛末をキースに語った。


 キースは(おもて)をあげ立ち上がった。

顔の前に垂れた紫色の前髪をサラッと寄せると

「初めまして。私が暗黒槍騎士団(ドゥンケルランツェンリッター)団長のキースだが、あなたが黒騎士になりたいのかな?」

とイツキに向かって言った。


「お前、馬鹿だろ?」

とイツキは鼻で笑った。


「なんだ、異世界から来た田舎者か? これは失礼。こちらのお嬢さんでしたか?」

上から目線でイツキを見下してから、エリーの手を取り膝間付き右手の甲にキスをした。


「はい。私が黒騎士希望のエリーです。よ・よ・よろしくお願いします」

と声を上ずらせながら答えた。


 既にエリーは舞い上がっていた。


――なんてイケメン……こんな人が黒騎士に居ただなんて……――


とエリーは感動していた。


「どうじゃ、小娘。そのキースがお主の面倒を見る師団長だ」


「魔王陛下よろしくお願いします」

とエリーは片膝を着いて挨拶した。


 イツキはそれを見て


――おいおい、変わり身が早すぎるだろ?……これだからイケメンは嫌いなんだ――


と心の底からキースを呪った。

魔王オーフェンは安心したようにふんぞり返ると

「それでは汝を我が眷属とする。名は何と申す」

と聞いた。


「エリザベスと申します」

片膝をついたままエリザベスは答えた。


「エリザベス、これから余に忠誠を尽くすか?」


「はい」


「よろしい。汝を我が眷属として認めようぞ」


「ありがたき幸せにございます」


 魔王オーフェンは剣を抜き、呪文を唱えながらエリーの右肩そして左肩に剣を置きそしてその剣をエリーの頭の上に置いた。

その瞬間エリーの体は紫色の光に包まれて、やがてその光はエリーの体に吸収されるように収束した。

オーフェンは剣を鞘に納めるとキースに向かって命令した。


「これで我が眷属に女黒騎士(フラウシュヴァルツリッター)が誕生した。キースよ。汝がこれの面倒を見るが良い」


「は、我が命に代えても、この者を一人前の黒騎士(シュヴァルツリッター)として仕上げて見せます」

そういうと

「ついて参れ!」

とエリーを連れて奥の部屋へと消えて行った。

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