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異世界のキャリアコンサルタント~今一番のお勧め職業は『魔王』です~(改)  作者: うにおいくら
第6話 アサシン

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ヘンリーの愚痴


「うん。この頃、冒険者がね……いや、冒険者になるのが……ほとんど異世界からの転入者なんだよね」


「そうみたいですね」


「……知っていたのか……と言うか、今あっちでブームにでもなっているのか? やたらと多くの転移者がやって来るとは思わないか?……それもヒキニートばかり。

そんな奴らが、ここに来たらギルドに登録即冒険者……そして勇者だぞ? そんな事有り得るか?……この頃、少なくなったとはいえ変な強力なチートも身に着けてくるもんだから、その辺の魔獣なんて太刀打ちできない。もう、この街周辺の森とか洞窟(ダンジョン)とかそいつらの狩場だ」


――今日のギルドマスターは熱い。機嫌が良かったんじゃなかったのか……――

イツキはヘンリーの本意が掴み切れずに戸惑っていた。


「更にこいつらは何故かモテる。貴族の娘をたぶらかし、エルフの女が周りを(はべ)り。ゴスロリの女神官に言い寄られたりハーレム状態じゃないか!!……兎に角、羨ま……いや、何か腹立たしい……」

ヘンリーは握りしめたこぶしを振り回して言った。声も大きくなっていた。


「他所のギルドはどうなんですか? そこもやはり多いんですか?」

イツキは敢えて冷静に聞いた。


「ここ程ではないが、他も結構来るみたいだ。どこに行ってもハーレム作ってやがる……あ~鬱陶しい!!」

ヘンリーの感情は高ぶったままだ。


「まあまあ……確かに本当に流行っているのかもね。これだけやって来るという事はそういう事なんでしょう。でも良いじゃないですか。冒険者が増えるという事はギルドが潤うって事なんだから……。

それに僕はお姉さんを(はべらかしたりはしてませんからね」

そういうとイツキはパンをひとかけら口の中に放り込んだ。


「イツキの事は分っている。しかしこのまま転移者が増え続けると、いつかとんでもない事になりそうな気がしてならない……」

ヘンリーはそう呟くとテーブルにあったイツキのワイングラスに手を伸ばすと、それを一気に飲み干した。


「あ、俺のワインが……」

とイツキが情けない声をあげるとヘンリーは

「俺も飲む!」

と叫んでホール係を呼ぶと、自分にもワイングラスと軽い食事を持ってくるように注文した。


 イツキはヘンリーのワイングラスに自分のボトルの赤ワインを注いだ。

「ありがとう」

そういうとヘンリーはグラスの赤ワインを一気に飲んだ。


相当鬱憤が溜まっている様だった。


――今日はヘンリーの愚痴に付き合ってやるか――


とイツキは諦めた。


と以上が昨晩あった出来事だった。

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