表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
128/137

再会

「え? そうなの?」

今度はエリザベスとアイリスが同時に返事をした。


「あんたも転移者なんか……ここへはいつ来たの?」

エリザベスは聞いた。


「あんたらが黒騎士になる数か月前かな……だから半年以上にはなるかな。あ、俺ヨッシーって言います」

ヨッシーは改めて自己紹介をした。


「そうなんや。じゃあ私の先輩なんだ」

エリザベスは自分以外の転移者に会えたのが嬉しかった。


「イツキさんはお元気ですか?」

エリザベスはヨッシーに聞いた。


「元気ですよ。この頃、本業は暇そうにしているけど、王宮に呼ばれている事が多いみたいです。いつもお二人の事を気にかけていますよ。『エリーは何しているかな?』 とか『アイリスはジョナサンと上手くいっているかな? できればこのまま二人が上手くいってくれても良いんだけど』とか好きな事を言っていますよ」

とヨッシーは笑いながら応えた。


「なんで私がジョナサンの旦那と上手くいかなきゃならんのだ? イツキさんに強く否定しておいてくれ」

アイリスもヨッシーがイツキの知り合いだと分かってやっと気を許した。


 エリザベスはヨッシーの口からイツキの事が少しでも聞けて嬉しかった。


――死なないで生き延びて良かった――


エリザベスは心の底からそう思った。


 その時遠くから声が聞こえた。


「ヨッシー! どこへ行った~!!」

トシの声だった。

どうやら見回りから戻ってきて、ヨッシーがいないので探しているようだった。


「ここで~す。ここに居ます!」

ヨッシーも大きな声で返事をした。


「どこだ~~!!」


「ここで~す」


 草をかき分けトシが現れた。

ヨッシーだけだと思っていたら黒騎士が二人も居たので驚いたようだった。


「あ~! トシかぁ!」

アイリスが急に声を上げた。


 急に名前を呼ばれたトシは怪訝な顔をして小汚い黒騎士を見た。

そこには薄汚れた顔に血の跡まである小汚い黒騎士の顔があった。 


「誰や? お前?」

当然の事ながらトシにこんな小汚い奴の記憶はない。


「あ~ん。この声と顔を忘れるかぁ? もう一度一から修行させよかぁ?」

とアイリスは顎を突き出し顔を斜めにして、まるで大阪のヤンキーが喧嘩を売っているような態度でトシに話しかけた。


 それを見たトシは急に

「え? アイリスかぁ?」と叫んだ。


「そうだよ。お前の愛するアイリスちゃんだよ。忘れんな」


「うわ! 分からなかった。汚すぎるわ。そんなの分からんって」

どうやらトシはアイリスと面識があるようだった。

それも圧倒的にアイリスが上のポジションらしい。


「こんなところで何をしているの? 黒騎士になったんでしょう?  それはガセネタか? ホームレスにでもなったのか?」

とトシは矢継ぎ早にアイリスに質問を浴びせ倒した。


「これは黒騎士の修行中だ!」

アイリスが応えた。


エリザベスは『ホームレスでも間違いではないな』と思ったが黙って聞いていた。

実際に彼女たちはこの数か月は森の中で野宿だった。


「そうかぁ大変な修行だなぁ」

トシは感心して何度も頷いた。


「トシさん。アイリスさんを知っているんですか?」

ヨッシーがトシに聞いた。


「ああ、この人はうちの元団員だよ。お前と同じ剣士。でも『冒険に行く』って一年前だったか辞めて、見事勇者の仲間入りしたはずだったんだけど、ジョブチェンジで黒騎士になってしまった人だよ」


「え! うちの団員だったんですか?」

ヨッシーが驚いてアイリスに聞いた。


「そうだよ。今は一から修行中だけどね」

アイリスはヨッシーに応えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ