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第86話

 使い魔文通によってついに内乱が開戦したことが情報で流れてきた。

 と言っても、この辺の噂で拾えるのはどこの村の人が出兵したとか、地域で有名な傭兵団が参戦したとかその程度。


 まぁこっちは交易に出した治癒系の魔法薬が飛ぶように売れてるので、年末の準備に向けて資金は豊富だ。

 こっちは傭兵稼業などまっぴらで参戦する気はさらさらない。


 魔法薬を量産しつつ冬支度を進めていると、マーシャさんから≪通信≫が入った。


『エリシア。プレイヤーが来たわ』

 うぇ!?


「どっちからですか?」

『南、街道方面からよ。向こうもこっちの存在に気づいて接触しようとしてる』

「分かりました。アキヒト君にも伝えますね。それまで対応お願いします」

『了解』


≪通信≫をアキヒト君に繋ぎ、情報共有。

『分かったっす、すぐ向かうっすよ!』

「お願いします」


 インベントリ空間から箒を取り出し、マイコニドに留守を頼んで飛ぶ。

 探知系魔法を行使したら・・・居た。マーシャさんともう1人。


 南の街道近くまで飛ぶと、姿が見えた。

 小柄で白髪のボブカットヘアーをした女性。

 装備も作業着のようなインナーに板金のプロテクター。

 傍らには・・・アレはもしかして()()()!?


 近くまで着陸すると、

「む。エリシアも来た」

 眠そうな顔をした丸顔の女性アバター。

 誰だっけ?私を知ってるって事は、ギルメン・・・?


「エリシア、顔はだいぶ違うけど・・・『あい≠リッシュ』よ。

 色々と質問して確認した」

「転移前に課金で整形した。おひさ~」

「え!?リッシュさん!?」


 えっと、記憶にあるアバターだと長身白髪ロングヘアーで女戦士アバターだった気が・・・

 劇的ビフォーアフターで初見じゃ分らん!

 でも話し方は聞いた覚えがある、抑揚の無い落ち着いた声。


「むん。ならばコレが証拠」

 そう言ってインベントリ空間から出したのは、あい≠リッシュさん愛用の精霊武具である歯車が取り付けられた馬鹿でかい機械ギミック付きの大剣・・・

 確かに、コレを所持してるのはあい≠リッシュさん以外に居ない。

 というか今の身長で扱えるの?その大剣、3mくらいあるけど・・・


「知り合いっすか?」

 追い付いたアキヒト君は初見か。

「あい≠リッシュさんです。マグナ・アゾットのメンバーの1人です」

「リッシュって呼んで」


 あい≠リッシュさんは戦士系メンバーで、対人戦より冒険やモブ狩りに熱心だったな。

 基本的にはフィールドに出てチームでダンジョン攻略したり、素材集めの護衛とかやってくれてた。

 自慢の大剣の攻撃力はそれは頼りになる女戦士だったのが・・・


「なんでロリ化してるんです?」

「気分で」

 そう言えばなんか読めない人だった・・・独特な空気感というか。

 課金で見た目を変更したこともままあったし、それは良いか。


「ここに来れば家が貰えるって聞いた」

 どうやら村人募集の話を聞いて来たらしい

「まぁ人手は常に募集してますけど・・・」

「今、私は『機工技師(テックマンサー)』持ち」

「採用で」


 機工技師(テックマンサー)は「機械使い」のクラス。

 材料から機械部品を製造し、部品を組み合わせることで様々な合成アイテムを作れる。

 さらに派生クラス次第ではカラクリ仕掛けの爆弾で攻撃したり、大型機械を召喚して相手を押しつぶしたりできる。


「機工技師と戦士の派生、機工戦士(テックファイター)と機工技師の上位、機械職人(テックマイスター)もある。機械なら任せて」


「じゃあ当然金属加工できる鍛冶師とか」

「ゴメンそれはセットしてない」


 機工技師や機械職人は()()()()()()()から金属部品を製造、加工して組み合わせるクラス。

 精錬されてない金属鉱物では素材として使用できない。


「すいません。ウチの村、鍛冶師は居ないんです・・・」

「そっか・・・とりあえず。頑張る」


 まぁ、精錬された金属素材なら、交易で確保すれば良いか。


 機工戦士は機械ギミックを搭載した戦士武器を扱えるクラス・・・だったと思う。

 機械ギミックが搭載された戦士武器は変形機能や追加機能が搭載されており、なかなかロマンのある武器種だ。

 ただし滅茶苦茶重いので、相応の筋力ステータス値は要求されるけど。


「ところで、この自転車は?」

「錬金術師に頼んで持ってた素材から部品を作って、頑張って作った」

 自転車作れたんだ・・・


「じゃあ、車とか造れるっすか!?」

「ゴメン、素材がもう無い」


 素材があればできるんだ・・・



 リッシュさんが加入し数日、彼女が村で始めた仕事は・・・
















「機械を導入する」


 そう言って彼女が作ったのは、木材から制作した歯車や部品から作った数々のカラクリ製品。


「ペダル式自動選別機。収穫した麦や豆を入れてペダルを漕げば、自動でゴミを取り除いて選別できる」

『おぉ~~!!』


「井戸の汲み上げに巻き上げハンドルを取り付けた。これで汲み上げ効率が上がる」

『おぉ~~~~!!!』


「トドメは水車式自動洗濯機。水車動力で衣服と洗剤を入れれば後は放置で洗濯できる。もう冷たい水で手洗いしなくて良い」

『きゃ~~~~~!!!!』


 この世界で技術無双してた。


「俺らがやりたかった異世界技術無双してますよ・・・」

「機工技師無双ですね・・・」

「まぁ便利だから良いじゃない」


「・・・」ドヤァ


 こっち見てすんごいドヤ顔してるぅ!!


「選別機と洗濯機の利用料は1日レンタルと月額利用コース、お得な年間利用コースがある」


 うごごごぉ・・・・洗濯機は年間利用コースでお願いいたします・・・!!

 自動洗濯機とかマジで欲しいんで!!


「毎度どうも」

部品製造パーツメイク

種別:生産/機工技師専用スキル

制限:自動習得

属性:生産

射程:接触

機工技師が最初に習得する部品製造のスキル。

専用の加工道具を使用し、素材を加工して設計図から部品を製造する。

部品の設計図は取引などで入手することで、制作できる部品の種類が増える。

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― 新着の感想 ―
難しい合金とかじゃなく鉄を精錬するだけならレンガはもうあるしマイコニド達に頑張って貰えば精錬用の炉を作れるようになりそう。あと精錬だけなら錬金術師の専門分野でもあるから鍛治師がだめなら錬金術師を招くの…
剣と魔法が支配する世界では、あらゆる技術革新は、最終製品と製造プロセスが再現可能であり、再生産できる場合にのみ実用的である。 もし知識がただ一人の発明者やテクノマンサーに依存しているなら、その人物が失…
開拓村にイノベーションが起きてる…!
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