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第85話

 秋の収穫作業が終わり、村中で冬支度を始める。

 あとついでに、村中で徴税も開始。

 やっと自警団やマイコニド達に給金が払える。


 えーっと自警団の給金とマイコニド達の給料、土建屋たちの公共費用にあと色々なヤツを引いた結果・・・


「純利益どころか赤字ですね」

 経理担当アナベルからの宣告。私は赤字を出した。

 私の魔法薬販売やマイコニド達が近隣の村から受けた魔物退治の報酬や治療の報酬でギリ賄える額だった。


 うーむ、初期投資とはいえこの額を使ってたのか・・・

 とにかく今は初期投資を回収できるように整備を進めるしかない。


 赤字回収は軽く見積もっても数年先かぁ・・・まぁこのペースならそうそうに破産することは無いと思うが、何が起こるか分からないのが異世界。

 それに悪い事ばかりではない。

 キャラバンが来たことが噂になり、移住希望者が増えた。


 この世界は基本的にマンパワー。

 モンスターを倒したら『魔石』みたいな便利なエネルギー源が手に入る・・・なんて事は無い。

 魔力はあってもそれを動力源として貯める方法も知識も無い。

 むしろそんなの有ったら私が欲しい!


 無い物ねだりは止そう。

 税収は今後も住民たちが増えて産業が発展すれば回収額も増えるはずだ。

 とりあえず、防壁の増築よりまずは上下水道の優先順位を上げる。

 今はレンガの生産も追い付いてないし、防壁と並行させても仕方ない。

 それより衛生環境を優先させよう


 それに、村に新しく来た人の中には既に自身の商売を持っている人も居た。

 骨細工職人や皮鞣し職人、革細工職人といった細工物の若い職人たちだ。

 なんでかというと、パ・ブシカで修行してた職人達の徒弟達は独立しようにもパ・ブシカでは既に複数の親方達が組合を作ってるとかで競合が激しいらしい。

 だが、ここなら多少の不便は有るが自警団やマイコニド達がモンスターを狩って素材が簡単に手に入る。

 それを交易に出される前に安く仕入れ、工房で加工する。

 私が職人等の技術者を募集してたのもポイントが高かったらしい。

 ・・・で、鍛冶職人(こっちでは武具職人や防具職人)だが、こっちは反応がイマイチだった。

 というのも、武器を製造できる職人は貴族から厳しい審査を受けて免状を貰っているらしく、ホイホイと他所に移れる立場じゃない。

 弟子を取るのも、暖簾分けするのもその土地の貴族の許可が必要。

 で、貴族も武器を製造できる技術者を他所に出したくないので返答は全部NO。

 まぁ当たり前か・・・

 付与術師も実用的な付与ができる人は希少な才能扱いらしく、全員何処かの紐付きだったりお抱えだったりの好待遇持ちなので、よほど金を積まなければ僻地の開拓村に行きたがらない。


 って事で、仕方ないからマイコニド達によるこれら武器防具に関わる人材のスカウトは取り下げておく。

 貴族とのコネがあるジャン・バラさんに任せよう。


 幸いだったのは、細工職人達に混じって研磨職人のお爺さんが移住してきた。

 名前はデンゲルハルトさん。種族は竜麟族という人間の身体にワニのような尻尾と首回りと四肢の末端が鱗のような物で覆われてる種族で、非常に長寿なのが特徴だそうだ。

 ちなみに年齢は200からは数えてないとの事だが確実に600は超えてるらしい。

 武器は作れないが、簡単な武器の整備や研ぎ直す程度ならできるとの事なので、頑張って工房を用意した。

 え?もっと砥石の種類が欲しい?革はこれよりもっと滑らかな物?

「えっと違いがよく分からないですけど・・・」「あ゛ぁん?」

「はい!すぐ用意します!!」


 こちらで用意した工房を見せたとたん、凄い迫力でめちゃくちゃ注文された。

 しかもめっちゃ怖い!見た目は白くて長いあごひげに、眉間に皺が刻まれた鋭い目つき、顔つきから頑固そうな印象の小柄な老人だけど服の下はめっちゃマッチョだし、気に入らない物が目につくとデカイ声ですぐ怒鳴る。

 仕事に対してすごいこだわりがあるのは分るが、神経質を疑うレベルで注文が細かい!

 いや、もしかしたら職人にとっては当たり前か?・・・どうだろ。


 ただ、意外な事に武器の手入れを依頼したマーシャさんとはすぐ仲良くなってた。

 同じく剣の手入れを頼んだアキヒト君は『武器の手入れがなっとらん!』と怒鳴り散らされてたが、差が分からない・・・

 私も同じように大鎌や刃物の手入れを依頼したら、デカイ声で文句を言い、その後でササっと磨いて手入れを終わらせてくれた


「物は良いのになぜ粗雑に使うのだ!」

「ウス・・・」「はい・・・」


 どうやら私達のように『スキル任せで使う』のとマーシャさんのように『スキル込みで使いこなす』では武器の消耗状態に差が有るらしく、それが職人の勘とでもいえる物で見えるらしい


 いや、マーシャさん何者?スキル込みで使いこなせるってマジ?


 仕事の方は怒鳴るだけあって良い。いや、コレは現時点で最高と言えるかもしれない。

 クラスレベルを見た感じだとトータルでも30くらいだが・・・


「能力を数字で測れても、長年の経験や勘までは計れるはず無かろう」



 ・・・なるほど

≪魔力の矢≫

種別:攻撃魔法/共通

制限:魔法使い系クラスLv1

属性:魔法

射程:0~20m

形状:射撃

魔力を矢の形状にして相手へ飛ばす、魔法使い系の基本的攻撃魔法。

攻撃力は下から数えた方が早いが、MP消費量は比較的軽微で連射にも対応する癖のない魔法。

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― 新着の感想 ―
600年も生きてて30レベルなのか。長命種は取得経験値にマイナス補正でもかかるのかな?
逆に言えばレベルアップができなくても成長の余地があるってことよね
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