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第82話

「アンタねぇ。大人げないと思わないの?」

「・・・ッス・・・」


 勝負が終わり、回復して戻ってきたらアキヒト君はマーシャさんにガチ説教されてた。

 まぁ、これも本人が選んだ結果だ。

 巻き込まれたらたまったもんじゃ無いので私はこっそり離脱。


 強く生きろよ。アキヒト君。

 あと、君をバカにしてたクソガキ達はそのことがバレて親御さんにゲンコツ説教されてたぞ。


 ◆


 一夜明けてお祭り2日目。

 キャラバンキャンプを聞きつけた近隣の村の人たちが朝から参加してくれた。

 それにより、祭りの参加人数が増えて、それによるトラブルでマイコニド達や自警団の面々は朝から忙しそうにしてた。


 私は人混みのトラブルに巻き込まれたくないので、今日は店で大人しくしておく。

 キャラバンのおかげで店の集客も高いので、店番係のマイコニドでは手が足りないし、余剰在庫をジャン・バラさんに売ったので、古い材料を調合で消費しないといけない。


 ちなみにマーシャさんに説教されてたアキヒト君は、今日一日自警団ボランティアで許してもらったそうだ。


 ベッティちゃんも初日で欲しいのを買えたようなので、今日は簡単な店の手伝いを任せている。


「ところで、お祭りでは何か買えた?」

「えっと。コレ・・・」

 昼の休憩中に、私が出したお小遣いの使い道を聞いてみたら、ベッティちゃんが見せてくれたのは、私とは色違いの魔女帽子。

 効果無し(バニラ)の品だが、品質は良いな。

 いつか付与術師を見つけて魔法付与を頼むのも悪く無いかも。

 魔法付与された装備品はこっちでは高級品だが、修行ついでに付与素材集めを一緒にするのも悪くないかもしれない。


 キャラバンの様子は3日目、4日目とお祭り騒ぎが続き、5日目でようやく落ち着いた様子。

 6日目では、外からの物珍しい物は一部高価な品を除いて売れてしまったようで、だいぶ落ち着いた。


「エリシア。スキンケアアイテムなんだけど、ウチの職員に使わせてみたらすごく好評でね!僕の出資者にも試させてみたいから、もっと出せるかい?」

 私の店にやって来たジャン・バラさんにそう言われると自信が出てくる。

 でもなぁ・・・


「これ、滅茶苦茶作るの手間なんですよね」

 美容ってかなり贅沢品で、私のスキルでも範囲ギリギリっぽい扱い。

 本来のスキルの使い方とは違うので、妙な手ごたえがするのだ。


「多分ですけど、材料と生産設備があれば量産するのは簡単にはなりますけど・・・」

「生産設備を作れる人が居ない・・・か。

 設備建設ができる人間はこっちで探してみるけど・・・年間で生産するならどれくらい作れる?」

「まぁ・・この箱が1人が使用する1年分の量とするなら、7~8人分くらいですかね。

 材料の一部はこの村では手に入らない品もあるんで」

「そっか。なら、この国の西部の港湾都市に支社を設置して、年2回この村に材料と交易隊を出すから、増産体制頑張ってくれる?」

「増産は良いですけど、目標は?」

「3年以内に10倍は欲しいかな」


 3年で10倍!?インフラが整ってないから材料調達してくれるのはありがたいけど10倍は・・・

「材料もそうですけど、設備が必須ですね。ソレ・・・」

 流石に私も延々と美容品を作るほど暇じゃない。

 作業時間を短縮するにはスキルもそうだが専用設備が無いとどうにもならない。


「なら、腕のいい職人かプレイヤーを探す必要があるね。

 僕の出資者の情報網や商人のネットワークを当たってみるよ」


 専用設備があれば大量の材料を使って一括大量生産できるため、チマチマと1つ1つ調合する手間が省ける。

作業速度向上(アクセルワーク)≫で高速生産は出来ても、手作りと機械に任せるのじゃ作業スピードと効率は段違いだ。

 村の大工衆でも私が求める専用設備を建築できるほどのスキルとレベルじゃないため、今までは大鍋とかで頑張って量産はしたけど、やはりエルドラド・クロニクル製・・・とまでは言わないが、高レベル生産設備が欲しい。


「お願いします。あと、付与術師や鍛冶師とかも探してもらえます?村に1人居ると助かるんで」

「鍛冶師はともかく付与術師かぁ・・・頑張ってみるよ。

 とりあえず、今回は1年分セットを6つ用意して欲しいな」

「分かりました。こっちもできるだけ増産できるように工夫してみます」


 代金を受け取り、残った1年分6つを渡す。

 私達の身内用は生産量から引いているので、来年までに材料を集めれば問題ない。

 製造方法は秘密にしてるが、材料を調達してもらわないと生産はできないので、材料だけはリストにしてジャン・バラさんに渡す。


「意外な材料もあるねぇ・・・これくらいならすぐに届けられそうだよ」

「年2回の交易も忘れないでくださいね」

「分かってるよ。交易品のリクエストも聞くから、コレを使ってくれよ」


 そう言って渡されたのは、鏡。コレは・・・『対面鏡』か!

 対面鏡はエルドラド・クロニクルの魔法の品の一種で、2枚1対の手鏡の形状をしたアイテム。

 距離を無視して対となる鏡同士で通信が可能になる・・・ただそれだけのアイテム。

 ゲームではNPCにセットで売れば小遣い程度の額になるが、プレイヤー側はギルドチャットとかあったから、実用性皆無だったが・・・通信手段の無いこっちの世界では、距離を無視して通信できるアイテムは助かる!!


「もう片方は僕が。トールにも別の鏡を渡してあるから、何かあればすぐに伝わるよ」


 使い魔の手紙はタイムラグがあるからなぁ。その点、対面鏡は携帯電話と同じようにタイムラグがほぼ無く通信できる!

 こっちだと神アイテムだ・・・


「貰いっぱなしでスイマセン」

「気にしないでよ。僕にとっては、元の世界の皆より価値の無い物だからさ」


 ホントこの人は聖人か!?


「代わりにこの化粧品の購入権は僕を優先させてほしいな」


 だと思ったよ!!良いですけどね!!

絶好調ベストコンディション

種別:強化スキル

制限:戦士/軽戦士系クラスLv7以上

属性:防御/強化

射程:自身

どんな時でも『絶好調』を保つスキル。

生命力を消費して薬物依存や二日酔い、病的不調、精神的不調を一時的に取り払い、ベストな状態になる。

ただし、あくまで一時的な物なので持続時間は短い。

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