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第63話

「ったた・・・最後ちょっと油断してたわ」

 弾き飛ばされて、頬にアザを作ったマーシャさんに≪中位(ミドル)傷病治癒(ヒーリング)≫を行使して応急処置。


「あの人狼、死んでるわよね?」

「少なくとも、≪生命力探知≫ではHPは0ですね。不死(アンデッド)化もしてません」


「そう、なら・・・そこね」

 そう言ってマーシャさんがナイフを投げると、ドサリと音を立てて木から何かが落ちてきた。

 体長50㎝は超えてる甲殻を持ったハエみたいな蟲(?)がマーシャさんのナイフで頭部を貫かれて落ちてきた。

 なんだコレ、キモいな。

 見た目は完全にマトモな生物じゃないな。魔法で召喚されたクリーチャーの一種か?


「≪所有者看破(ディテクトオーナー)≫・・・ダメですね、妨害されました」

 使い魔や召喚されたクリーチャーの主人を追跡する魔法を行使してみたが、別の魔法で妨害されて追跡が出来なかった。

 攻勢防御(カウンター)系の魔法も飛んできたが、装備アイテムで防げるレベルだったので無視。


「コイツの主人が魔法を使って、視界を共有してたみたいね。

 Lv30の下位クリーチャーってトコかしら。使い捨ての偵察用ね」

「他にも居ます?」

「居ないわね。でも、場所が割れちゃったから絶対に追加のヤツが来るわよ」


 なら、戦利品を持ってさっさと離脱した方が良いか。


「山賊団は壊滅させました。離脱しましょう」

「そうね。アンタ達!いつまで休んでるの!戦利品かき集めて撤収よ!」


『は、ハイ!』


 マーシャさんが激を飛ばして自警団員を急かし、大雑把に山賊団のキャンプから戦利品を集めた後、


「≪魔法終了(フィニッシュ)≫」


 迷宮化させた森を元に戻し、山賊の死体も植物で飲み込んで証拠を消し、私達は村へと撤収した。


 帰り道にまた別の偵察用クリーチャーが来るかと思ったが、私とマーシャさんの探知には何も反応は無かった。


「本体との物理的距離とかかしらね?遠隔で召喚はできないはずだし、本体がかなり遠距離から飛ばしてたなら、追加の偵察が来るまで時間が掛かるはずだし」


 さて、村に戻って次の日。村の倉庫に押し込んだ戦利品を確認。

 砕かれた呪いの剣が1、鋼鉄製の武器が3、鉄製の武器8、ロングボウ2張。

 鋼鉄製の斧や剣はまだ使えそうなので研ぎなおして再利用。

 鉄製武器は・・・

「コレじゃ弱すぎるわね。魔獣素材で作った方が強いわ」

 マーシャさんの≪物品鑑定≫スキルで調べてもらった結果、弱すぎるって事で分解して炉に放り込んで道具や日用品にリサイクル。

 革鎧9、金属鎧5、死人が身に着けていた物だからこっちも素材に分解してリサイクルに回す。


 あと、キャンプ地にあった食糧が・・・総重量500㎏くらいかな?

 雑穀類と小麦、野菜が多いな。この時期は暖かくなるから肉類はすぐ腐るから早めに消費したのかな?

 5頭ほど馬も居た。全て荷馬だったのでこちらで回収し、調教する。

 畜産場で馬の繁殖も試してみようかな、品種を詳しく調べ、できるなら農耕馬としても利用したい。


 砕かれた呪いの剣は真菌の魔術師に渡して分析してもらう。

 私が≪魔法知覚≫で見た感じだと、魔法付与を施した術者はオーガジェネラルの斧と同じ存在と考えて良いかもしれない。


 私達が山賊キャンプを壊滅させた話は、数日で近隣にあっと言う間に広がったらしく、特にマーシャさんと私が人狼を相手にした所はなんか尾ひれがついて盛り上がっているらしい。


 そんな時、街から客が来た。


「初めまして。パ・ブシカ冒険者組合の組合長補佐をしているテオドールと申します」

「はぁ」


 5~6人の冒険者に護衛されながらやって来たのは冒険者組合の人間。

 とりあえず、家で話を聞いてみると、


「この村に冒険者組合の支部を設けていただきたいのです」

「冒険者組合の支部?」

「えぇ。ここから北の未開拓地域の狩猟は、貴女の許可が必要と御触れが出ておりますので。

 この村に支部を設け、北の森に生息する魔獣の狩猟をする許可を戴きたいのです。

 もちろん、我々としましても村の不利益にならないよう冒険者達と協力しつつ、魔獣素材の流通を強化したいと考えております」


 あーそっか。私がこの辺りを仕切ってるから、勝手に魔獣を狩ると密猟になるのか。

 話を通してくれるだけマトモそうだし、次の議題に上げるべきかな。

 冒険者が魔獣素材を持ち込んでくれれば、村の装備を強化できるし、なにより森深部の探索にはピッタリかもしれない。


「分かりました。村の人間と話し合って、検討します」

「ありがとうございます。・・・コレは、細やかですが」


 そう言ってスッとテーブルに袋・・・コレ銀貨?まさか・・・賄賂!?


「大丈夫です」

 なんか受け取ったらめんどくさそうなので、銀貨の袋は突き返して、冒険者組合の人たちを帰す。


「主様。冒険者組合など受け入れて大丈夫でしょうか?」

「ん~。とりあえず、議題には上げるけど村の人たちが反対したら取り下げって感じで」


 冒険者に悪いイメージは無いのだが、武器持ってる人間をホイホイ村に入れて良いものとは思えないし、もし受け入れるとしても、冒険者みたいな人々を受け入れるだけの施設も無い。


「とりあえず、次の集会で決めようか」

「分かりました」

≪全力攻撃≫

種別:スキル/共通

制限:近接攻撃武器の装備

属性:物理/装備武器属性

射程:近接

形状:武器攻撃

全てのプレイヤーが習得している、装備している武器による全力攻撃を行うスキル。

物理攻撃力を(セットしている戦士、軽戦士系クラスのトータルレベル)×100%の威力で攻撃できる。

戦士系なら基本にして最大の奥義に匹敵するスキルではあるが、発動に隙が大きくカウンターの標的にされやすいのが欠点。

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― 新着の感想 ―
蟲のクリーチャーって言うと南の大陸のプレイヤーか?でもあのメンツに呪い武器の生産や炎攻撃が出来そうなやつは居なかったよな。
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