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第56話

 冬の終わりが近づき、春の兆しを感じはじめた頃。

 村は春を迎える準備を始める。

 凍った土を興したり、冬の内職で作った品を売り出したり。


 真菌の神官が行った冬の時期の勧誘で村には何組かの新顔が増えた。

 引退した元傭兵だとか、就職活動中の農家の三男だとか、冒険者を辞めて故郷に帰ったら居場所が無かったって人も居た。


 勧誘始める前に簡素ながら幾つか新居も用意したので、問題無く新たな住民の持ち家が割り当てられ、戸籍も作成。


「あの、家の代金は・・・?」

「あぁ、今回は無しよ。改築するのは自己負担だけど」


 勧誘した人たちの家の建築費用は私が負担・・・っていうか魔法で私が材料を集めて、魔法でさっさと作ったので実質的に材料費しかかかってない。

 機械の力が無いこの世界じゃ頭数で作業の速度が決まると言っても過言ではないので、今回は大工の皆さんの仕事を奪うが家を早めに用意した。


 勧誘した彼らには、仕事を紹介するが続けるかどうかは各自の自由なので、様子を見つつ、需要の有る仕事を紹介。


 仕事その1『レンガ焼き』

 マイコニド達が研究を完了してくれたので、レンガを焼く窯が完成。

 材料を混ぜた粘土を型に流し込んで、乾燥小屋で干して水分を飛ばした後、窯で焼く。

 当然だが肉体労働なので、それなりにキツイが比較的安全な仕事だ。

 レンガは建材としても使うし、発展のために需要が伸びるからレンガ職人をこれから増やしたい。


 仕事その2『畜産家』

 いい加減、狩りでお肉を調達するのは不安定極まりないので畜産に手を出す。

 育てるのはバロメッツ。っていうか私が魔法で召喚して管理を委託するだけ。

 数か月観察して、育成マニュアルみたいなのもできているので、マニュアルに従ってバロメッツの世話をさせる。

 将来的にはちゃんと羊とか豚、牛も飼いたいが・・・今はお金が無いので無理。

 え?こんなの見たこと無い?大丈夫、その内慣れるから。


 仕事その3『廃棄物処理』

 ぶっちゃけ誰もやりたがらない仕事だが、誰かがやらなきゃいけない仕事。

 仕事内容は村中の民家から廃棄物(ゴミ)を回収し、私の拠点にある沼地近くにある処理場へと運び、処理してもらう。

 回収した廃棄物は出来る限りリサイクルし、残った物は焼却処分だ。

 キツイ、キタナイ、クサイの3Kが揃っているが、マイコニド2名が既にこの仕事を引き受けて活動中。

 村の衛生に関わる仕事なので、紹介する仕事の中で実は一番高給取り。


 仕事その4『自警団の団員』

 マーシャさん率いる自警団の正規メンバー。

 腕自慢募集中。荒事に慣れてる人におススメ。

 団長のマーシャさんが新入りを丁寧に指導して(かわいがって)くれる。

 あ、元傭兵君がマーシャさんに挑んで・・・秒で伸されたか・・・。

 え?毎日トレーニングとしてモンスターとの実戦が組み込まれてる?マジ?

 あ、元冒険者君・・・あ、遠慮する?・・・そっか・・・


 仕事その5『陶器作り』

 レンガ研究の副産物。陶器を作って売ってもらう。

 皿、壺、カップなど、なんでも作って売ってみてほしい。

 芸術性が高い品は期待しないが、これから林業の整備をするので食器を木製から陶器に替えられる事を期待。

 あと、セラミックタイルとかも注文する予定なので、タイル作りもやってもらう。


 他にも既存の産業として林業の木こりとか農夫も募集中だ。

 炭焼き職人も少し数が欲しいし、粘土採掘場で粘土掘りも人手が欲しい。

 とにかく無職(ニート)にさせられないほど仕事が村には溢れているので、大工衆たちが新居を用意しながら、今後も勧誘活動を行っている。



 さて、領主としての仕事が一段落したので、私個人の拠点もグレードアップ。

 街で鉄材とガラスを仕入れたので、ガラス張りの『温室小屋』を≪庭園作成≫の魔法で建築。

 この温室内では何故か温度が常に一定に保たれているので、内部にプランターを設置して、この辺りの気候風土に合わない植物やレア度の高い貴重な薬草類はココで栽培する。

 イタズラされないように、温室小屋には私と真菌の魔術師と真菌の神官による守りの魔法を複数種類行使しており、実験の結果ではマーシャさんレベルが全力攻撃しない限りは壊れることは無い・・・らしい。

 低レベルの錬金術師でも作れるとは言え、ガラス張りの小屋を造れる量を買うと高くつくので、壊れないように大事に使おう。


 次にマイコニド達の宿舎もグレードアップだ。

 長屋風の建築物からきちんとした・・・ゴメン、スペースが足りないから集合住宅になった。

 地上3階建ての木造アパート風な建物。

 長屋では3~4人でルームシェアだったが、宿舎が建て替わって全員に個室が割り当てられ、1階は共有のエリアにして食堂や娯楽室ができた。

 流石に20部屋以上となるときつかったが、日々私のために働いてくれていたし、これくらいは安い投資だ。


 私の下へ預けられたベッティちゃんだが、普段は家から通っているので不要と思ったのだが、兄弟姉妹が居るから独り立ちできるなら巣立ってほしいと彼女の家族から相談された・・・。

 あんまりいい顔はできないが、一応は私が雇い主だ。真菌の神官の1人と相部屋にして面倒を見てもらう。

 アカネは今後は政務官として村の内政で忙しいから子守りまで頼みにくいし。


 ・・・再来年には学校でも造る事を提案するかな。

≪採集≫

種別:生産/共通

制限:なし

属性:生産

射程:接触

形状:素手

専門的な知識や技術が不要な自然物を採取するスキル。

誰でも習得可能で基本的生産系スキル。

木の実を取る、キノコや花を摘む、雑草を引き抜くその他素手で採取出来るアイテムを獲得できる。

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焼き物の里が生まれた……
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