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第54話

ご愛読ありがとうございます。

皆様が知りたい設定情報などを感想で教えてください。

スキルから魔法や種族、地名やアイテムの解説まで頑張ろうと思います

「ここがゲイリーウッズ村ね」


 冬の間に村を囲う丸太の防壁は完成しており、南北の丸太の門が閉じれば籠城できるようになっている。

 それに加えて防壁の内側には櫓も建ててあるので、外敵が近づけば矢の雨でハリネズミになるように配置してある。


 門番をしていたマイコニドに挨拶して通ると、すぐにアカネが迎えに来てくれた。

「主様。おかえりなさい」

「ただいまアカネ。紹介するけど・・・って」


 振り返ったらマーシャさん居なくなってる。

「えーっと。私の知り合いが住むことになったから紹介したかったんだけど・・・

 どこ行ったんだろ」


「ただいまー」

 何事も無かったかのように、村の奥からマーシャさんが出てきた。

「ちょっとマーシャさん。いきなり消えないでくださいよ、紹介がまだなんですから」

「あぁ、ゴメンゴメン。ちょっと動き回って地理把握してたの」

 マーシャさんの手には地図。あぁ≪盗賊の地図≫で作ったのか。


「アカネ。この人はマーシャさん。村で暮らすことになったから、仲良くね」

「はい」

「よろしくねー。真菌の女王(クイーンマイコニド)は私も知ってるけど、やっぱり統率者系はこっちの世界だと強いっぽいわね」

「はい。滅茶苦茶頼りにしてます」


 同行していた行商人とは交易所で別れ、私の拠点まで移動してマーシャさんの部屋の割り当て。


「とりあえず、2階の空き部屋使ってください」

「おぉー。けっこう居心地良さそうじゃない」


 二階の客間にマーシャさんの部屋を割り当てる。

 私の部屋や客間はマイコニド達が定期的に清掃してくれるため、常に清潔だ。

 マジでマイコニド達に生活が依存してるな私・・・


「ベッドは備え付けてあるんで。トイレは階段下のドアです。

 お風呂は今はサウナと水風呂ですね。

 ボイラーと湯船の方がちょっとまだ完成してなくて」


 秋の終わりから冬の出発前までお風呂を作ろうとしていたのだが、この辺りの木材だと加工にかなり手を加えなければ湯船に使えば腐ってしまいそうな感じがしているので、現在は建て増しした浴室でコンクリにセラミックタイルを張り合わせた湯船を造っている最中だ。


 それと並行して、ボイラーの開発も真菌の魔術師(マイコニドソーサラー)達に依頼中。

 とりあえず下水道は魔法で作ったので、生活排水は沼に捨てられるので後で浄水設備の研究も進めさせよう。


「階段降りて手前がリビングスペースとその隣がキッチンを兼ねた土間、リビング奥が私の研究室ですね」

「りょーかいりょーかい。ところで、表側の店もエリシアの店?」

「はい。薬屋と診療所ですね、病院とか無いんで普段は真菌の神官が常駐してますよ」


 一通り、拠点の案内が終わったので、マーシャさんと別れて私は用事を済ませに行く。


 まず最初にドゥッチ村長に会いに行き、この村の統治権を貰った事を報告。


「分かりました。では来年度の税はどのようにいたしましょうか・・・」


 村の重鎮たちを集めて報告したら、意外とあっさり受け入れられた。

 ・・・え?あぁ、戦争とかで領主が代わるのは珍しい話じゃない・・・か。

 税とか村の運営とかは・・・私じゃ難しいのでアカネの頭脳を頼る事にした。


「分かりました。お任せください」

 ドゥッチ村長は継続して村長としての役割を頼み、アカネは政務官(?)みたいな立ち位置。

 真菌の女王だし、法律とか税金管理は多分得意なはず・・・!

 法律とか税金の話は私より頭がいい人に頼もう。

 村が発展して街になったら議会とか置いて、運営を丸投げするのが理想かな。


 この開拓地は私が支配する領土となるので、真面目には運営の話は聞く。


 話し合いの結果だが、今後の方針としては

 1.継続的な安定収入を得るための産業の確保

 2.運営予算の確保

 3.資源調査および資源確保

 4.魔力に満ちた森深部の探索

 5.労働者の確保

 長期目標としてゲイリーウッズ村を中心に開拓地の開発と発展と言ったところか。


 5の労働者の確保だが、私やアカネの魔法なら単純な『労働力』であればいくらでも召喚できるが、それでは不健全というのが私の判断。

 ただ増やせばいいならマイコニド達をバンバン召喚すれば事が終わるが、マイコニドと人間では交配が不可能。

 単純にマイコニドだけの国家であれば人間は無視していいが、私が望むのは共存。

 共存繁栄するのであれば、村だけでなく他所からも人間や友好的な異種族を受け入れていく方針を私からアカネに伝えた結果、


「では、労働者の確保と仕事を与える必要がありますね」


 って事で、新規産業などのアイディアも中期的目標となった。

 まずは1年目標として、村の税収の話だが・・・

 正直言うと、あの税を計る魔法の天秤は私は持ってないし、麦や野菜を納められても売りに出す伝手も無い。

 なので、自由商売を許可して現金による徴税を採用。


 人頭税は廃止して家を対象に徴税する『住民税』に切り替える。

 徴収した税金は開拓地の開発と運営に回す予定だ。


 今後の開発としては東と北を調査しつつ、人を集めながら開拓を進める予定で、新たな住民の募集には真菌の神官の力を借りる。

 真菌の神官は近隣の村々を往診して回っていて、かなり信頼されているらしいので、その伝手を使って他所では居場所が無い人間や仕事の無い人間をスカウトしてもらう予定だ。


 開拓作業や農業は人が何人いても足りないし、北側の丘を整備して本格的に林業をしてもらう予定なので、犯罪者や厄介者以外は積極的に受け入れたいな。


 ・・・なんか、不自由の無い生活を目指しているのにどんどん忙しい方向に行ってるな私・・・

≪おだいじん≫

種別:共通

制限:なし

属性:精神

射程:店舗1つ

形状:なし

飲食店で所持金を大量に消費して、店内の人間の支払いを奢る。ただそれだけのスキル

所持金の大量消費と引き換えに店内のNPCの好感度を無条件で向上させることができる。

今日は俺のおごりだ!みんな存分に食べて飲め!

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― 新着の感想 ―
民忠と兵忠と部下全員の忠誠度がアップしそう、おだいじん
マイコニド達にもちゃんと還元しないとね
数年後には立派な街が出来てそう
感想一覧
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