第47話
ご愛読ありがとうございます。
あとがきに書くスキル、魔法を感想にて募集中です。
「こんなスキルある?」から「この魔法の解説求む」までコメントで募集中です
・・・ぶっちゃけると後書きに書ける魔法やスキルのネタが尽きそうです・・・
どうも、田舎の魔女から開拓地のリーダーにジョブチェンジしたエリシアです。
開拓地の自治権を得た私は、もう一つの目的である『魔道組合』が主催する発表会への参加のために、暫くはパ・ブシカに滞在する予定。
昨日の晩から明け方は王都へ日帰り旅行したけど、まぁそれは横に置いといて。
マーシャさんは私と一緒にゲイリーウッズ村でしばらく暮らす予定なので、村への移動は行商への荷車に便乗させてもらう予定。
(私の箒は一人乗りで、マーシャさんは騎乗物系のアイテムは持ってなかった)
「乗用馬はめっちゃ高いし、管理維持も大変だから当然パス。
車とかバイクとかあれば、移動も楽なんだけど」
ファンタジーの世界にそんなの求められても困る。
「可燃性の液体なら魔法で出せますけど、流石にバイクとか無理ですよ。
エンジンとか造れる技術も無いですし」
「だよねー・・・錬成術師とか機工技師が居れば、機械くらいパパっと作れるのに」
「そもそもガソスタとかも無いですし、諦めてください」
「エリシアちゃんは箒持ってるからそんなこと言えるのよぉ。
私は基本徒歩よ?徒歩」
「私も基本は徒歩ですよ。箒は長距離移動では使いますけど小回りは自転車みたいにはいかないんで」
で、今は何しているかと言うと、暫くはトールさんの自宅兼店舗に転がり込んで宿代わりに泊まっている。
冬場は移動が制限されるので、宿などはどこも満室。
兎人の店員、ロージーさんもわだかまりは解けている。
とりあえず、発表会までは臨時バイトとして住み込みでラーメン屋を手伝っているが・・・マーシャさんは
「よし!6ゾロォ!私の勝ちィ!」
「うっそだろぉ!?」「またかよォ!」
夜な夜な酒場でバクチにのめり込んでる。
資金稼いでくる~って言ってて、最初は何処かにバイトでもするのか、冒険者で賞金でも稼ぐかと思ったら、後から酒場でたむろしてる博打屋相手に賭け事してたと知った。
そして夜中にベロベロになって帰ってきて、時々密偵狩りをするために姿を消して、いつの間にか帰ってきていた、を繰り返している。
そんな感じで街で滞在して2週間。
魔道組合には参加費を支払って、私が作成した低レベル薬師でもマネできる『良品質の低位治癒の水薬のレシピ』を提出したところ、割と好感触だった。
発表会当日、私は会場へ入場。
会場では身綺麗なローブを着こんだ魔法使いらしき人間や、法衣を着こんだ僧侶らしき人物が見える。
受け取ったパンフによると、今回の発表で公表されるのは・・・
『天文台による天体「ランダバウト(この世界の火星に近い星)」運行のデータ』
『魔獣「二頭犬」の生態記録』
『ユイノール碑文の解読結果発表』
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その他いろいろ
うん、ナニコレ?ジャンル分けもされてないの!?
とりあえず色々とツッコミたいが、ざっと見た感じは天文学とか博物学みたいな発表が多くて、次点で考古学や物理学っぽいジャンル。
少数派なのは医学系か・・・治癒魔法がある世界だから、医療技術とか知らなくても信仰系魔法があれば傷が治せるからか・・・?
とりあえず、医学系の発表は・・・
『錬金術組合、組合長ボリスキ著「高位治癒の水薬のレシピ」の公開』
『エリシア著「良品質の低位治癒の水薬のレシピ」の公開』
『聖堂会、助祭イリーオ「高位冒険者に見られる中毒依存症状」の報告』
・・・へぇ。この世界でも高位治癒の水薬を作れる人は居たんだ
それにしてもたったの3つか・・・。
この世界の未来は暗そうだ。誰かナイチンゲールでも召喚してくれ・・・
「ハァン!?なんだ?低位治癒の水薬のレシピ公開ィ!?
低位治癒の水薬なぞ、そこらのボンクラでも作れる物をいちいちこの場で発表する馬鹿が居るとはな!」
デカイ声で私が提出したレシピをバカにした声が聞こえ、振り返ると・・・なんだあのおっさん。
ギラギラとした装飾過多なローブを着てる、太った男。
何人か同じ色合いのローブを着た人間も取り巻きにいるな・・・
たしかあの色とデザインのローブ・・・錬金術組合だっけか。
「このエリシアとか言う無名は、ポーションの基礎すら知らんのか?」
「確か、噂では北のゲイリーウッズ村で薬屋を開業した魔女だとか・・・」
「ハン!こんなバカげた発表をする女が作る薬、効くかどうか分らんな!」
デカい声で私の事をバカにしてくれるなオイ。
喧嘩を買ってやろうかと思ったら、ふと周りが暗くなった。
『ご来場の皆さま、間もなく今年最後の魔道組合主催、合同学術発表会を開催いたします。
まずは組合長ゼガルタより、開催の挨拶をさせていただきます』
なるほど、この会場・・・光源は蝋燭ではなく≪発光≫の魔法か。
光量と指向性を操作すれば、スポットライトみたいな事も可能なのか・・・
壇上に注目すれば、魔法で照らされた一人の男性が出てきた。
彼が組合長ゼガルタかな・・・白髪混じりの茶髪をオールバックにした、人間・・・じゃないな、耳が少し長くて尖ってる。
ハーフエルフってヤツかな?
「皆さま、今回も素晴らしい叡智と研鑽の賜物が世に出ようとしています。
我々魔道組合が設立された目的はただ一つ。未知の解明と探求。
これから行われる発表が新たな未知への足掛かりになる事を祈り、短いながら私の挨拶を締めさせていただきます」
意外と短く締めくくられ、さっそく発表が開始された。
さーて、私の発表順は・・・かなり最後の方だな。
予めカンペの準備もしたし、この世界の学術発表を見せてもらうか。
≪峰打ち≫
種別:共通スキル
制限:近接武器による物理攻撃
属性:物理
射程:装備してる近接武器依存
形状:打撃
ゲーマーなら誰でも知ってる手加減用スキル。
このスキルを発動させた状態であれば、どれだけ大ダメージを与えても対象は死傷せずに戦闘不能にできる。
エルドラド・クロニクルでは殺傷すると不都合な場合や事情を持っているプレイヤーも多いので習得者は多い。




