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第44話

【魔法少女 エリシア視点】


 樹霊王は真っすぐ敵の防衛戦線を正面突破し、王城の城門を攻撃している。

 HPは・・・うん1割も削られていない。


 箒で飛行しながら≪通信≫でレッドと連絡。


「レッド。 今どの辺りです?」

『あぁ、ブルーの別邸に全員集めて防衛してるところだ。

 おいブラック!裏手はどうなってやがる!・・・そうか!

 とりあえず何とか押し留めてるが、傭兵共がうざってぇ。

 さっさと片して、脱出するぞ。急げ』


「ブラック?」

魔法少女(プレイヤー)だってよ!王都から脱出したいから、協力するってな!』


 なるほど、向こう側についている訳じゃないのか。


「では、裏手の方は私が範囲攻撃で潰しておくので正面をお願いします」

『速めに頼むぞ!』


≪通信≫を樹霊王に切り替え


「樹霊王、30分ほどで脱出するので、それまで暴れてて。

 その後は帰って良いよ」

『グガァァアア!』


 よし、さっさと片付けるか。

 飛行して少しすればブルーの別邸を発見。


 正面と裏手で挟まれているが、裏手の方は別邸の上から誰かが狙撃している。

「・・・アレって」

 シルエットから多分女性、顔は確認できないが弓は超レア装備。プレイヤーなのは間違いないか。

 とりあえず屋上にいる狙撃手を対象に≪通信≫。


「ブラックですか?応答してください」

『はいはい。こちらブラック、裏手だけど数が多くて矢が足りないからさっさとお願いね』


 隠密系スキルで顔が認識できない・・・なんでブラックと名乗っているかは謎だけど、とりあえず味方と判断して屋上に着陸。

 裏手に群がる傭兵たちに魔法を落としてやる。


「≪魔法薬充填≫≪2倍魔法射程拡張≫≪毒薬の霧≫」


 強烈な麻酔薬を浴びせてやり、傭兵たちを寝かしつける。

 ブラックが相手していた傭兵は・・・全員急所を射貫かれている。


 個人的にはあんまり良い顔できないが、彼らの運が悪かったと思い、切り替える。


「≪通信≫。裏手は眠らせました」

『よし!こっちも頼む!』


 正面側にも同じように麻酔の霧を浴びせてやり、眠らせてやる。

「お見事」


 自称ブラックが話しかけてくれるが・・・なんだコレ、モザイクがかかったように顔が見えない。

「・・・? あぁ。諜報員スキルで顔を隠してるの。気にしないで」

 諜報員・・・隠密特化のクラス。実力や装備からして、確実にプレイヤーか。


「それで?このままバカ王子もサクッと始末する?」

「しませんよ。私が手伝うのは救出までで内乱まで手助けするつもりは無いです」

「ふぅん。 まぁ良いわ、さっさとレッドと合流して脱出しましょうか。

 脱出方法は?」

「課金アイテムの『猫の特急切符』でパ・ブシカの街まで高速移動(ファストトラベル)します」

「分かったわ、さっさとここからオサラバしたいし、早く行きましょ」


 そう言ってブラックは屋根から飛び降りて庭に着地。

 よくあんな動きができるな・・・3階建ての屋根の上だよ?


 私は箒に乗ってゆっくり降下してから合流。

 中庭には貴族の親類縁者たちらしき身なりの良い服装をした人たち(40人近い)が屋敷から出てきた。


「これからパ・ブシカまで乗り物に乗って移動する!

 乗り物が到着したらすぐに乗ってくれ!」


 ブルーは貴族の令嬢や親類たちにそう声をかけて、中庭に集める。

 念のため、時間稼ぎとして≪茨の壁≫を正面と裏手に召喚して、通路を封鎖して時間を稼ぐ。


「よし」

 壁ができた事を確認したレッドが、チケットを破いて『猫の特急切符』が発動。


 ポッポォー!とまたあの汽笛が響き、中庭に機関車が現れた。


「このチケットは50人までなら同時に移動できるが、破いたヤツが乗り込むと発車するから、直ぐ乗ってくれ」


 中庭に機関車が停車し、またあの二足歩行の車掌猫が出現。

「猫の特急路線のご利用、誠に――」

「あぁ急いでんだ、全員をパ・ブシカまで頼む」

「畏まりましたにゃ~」


 レッドは車掌猫のセリフを遮って、行き先を告げると客車のドアが開いた。


「よし、急いで乗ってくれ!」

 ブルーの指示で人質たちが乗り込み、最後に私たちが乗車。


『ご乗車、誠にありがとうございますにゃ。

 この列車は王都イデア発交易都市パ・ブシカ直通でございますにゃ~

 扉、閉まりますにゃ~』


 車内放送と同時にドアが閉まると、一部の人たちから短い悲鳴。

 そりゃ列車になんて乗った事ないから、ビックリするよね。


 汽笛の合図で王都の障害物を無視して私達は脱出を開始。

 車窓から確認すると・・・樹霊王は脱出した私達を確認したあと、城門を破壊し、姿を消した。


「ありがとう。樹霊王・・・」

「怪獣映画みたいなラストね」


 ブラックもちゃんと乗り込んでいたのか、(顔は隠れてるけど)堂々と席を占有して寛いでる。


「ところでグリーン殿」

 ブルーがコッソリ近づいて

「どうやったら元に戻るんだ?」


 ・ ・ ・ 。


「しばらくそのままでも良いんじゃないです?美少女領主で人気出ますよ?」

「貴殿は悪魔か!」








 その後、領地に戻るまでブルーには元に戻る方法をはぐらかし、無事私達は交易都市パ・ブシカまで帰還することに成功した。




 パ・ブシカのネヴァン伯爵邸に到着し、いい加減元に戻せとうるさいので、元に戻る呪文を書いたメモを渡す。


 ブルーは個室に入り、元に戻る呪文が響いた後・・・

「やっと元の姿に戻れた・・・」

 部屋から出てくるとネヴァン伯爵の姿に戻った。


「その魔法の品(マジックアイテム)はお譲りしますよ」

「いらん。返す」


 どうやら不評だったようで、変身リボンは突き返された。

 可愛いのに・・・


「だぁーーっ!やっと元に戻れた!」

「まぁ確かに元の姿の方が落ち着きますね」


 私達も変身リボンの効果を解除すると


「・・・ッ!!・・・ッ!!」


 何故かブラックがお腹を抱えて崩れ落ちた。

「トール・・・ッ!アンタ・・・ッ!魔法少女レッド・・・ッ!」


「んぁ?・・・ま、まさか・・・」


 大笑いするブラックの隠蔽スキルが剥がれ・・・金の髪をしたアバターが姿を現した。


「マーシャ・・・かよ」


 トールさんが青い顔したのも無理はない。知り合い(ギルドメンバー)魔法少女(黒歴史)の姿を見られたんだ。

 ギルド≪マグナ・アゾット≫において諜報及び暗殺担当。

 対人戦上位の『暗殺者』・・・マーシャさんが腹筋崩壊して転げまわっていた。

≪蟲呼び≫

種別:召喚魔法/制限

制限:召喚魔法を行使できる一部のクラス

属性:召喚

射程:1~500m

形状:手段による

音や匂いなどで周囲にいる蟲類を呼び寄せる魔法。

呼び寄せられた蟲は術者の周囲に集まり、コントロールされる。

単純に集めるだけの魔法なので、攻撃や防御の指示は別のスキルや魔法が必要。

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― 新着の感想 ―
お、ギルドメンバーだった、しかも強力な対人戦特化はありがたいね。
腹筋を殺す服(変身)
対プレイヤー戦力として合流はありがたいが、 躊躇なく人を殺せる理由の経緯(ひどい目)とか認識(ゲーム感覚)とかにちょっと不安があるって感じですよね。
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