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第23話

宝物庫を出て、私達は5階層を目指す。

宝物庫で察知した気配は、私達と入れ違いになる形で宝物庫で止まっている。

向こうも宝探しなら、悪いが早い者勝ちだ。


最大のお宝、ダンジョンコアを手に入れて大金ゲットを目指す。

5層へ続く階段手前の部屋の前で今までのモンスターより強い気配をマイコニド達が感知。

部屋は両開きの大きなドアで中は窺えないが、間違いなくボスの気配。


「最低でも指揮官クラスのモンスターです」

指揮官クラス・・・今まで出てきたモンスターの傾向から考えて、最低でゴブリンリーダーとその取り巻き。

ヤバいのだと・・・オーガウォーロードに取り巻きとしてオーガロイヤルガードとかかな?


前者ならこのまま突入しても余裕で圧勝できるが、後者だと準備ナシで突っ込めば怪我は免れない。

ゲームと違って『死んでもセーフ』とは言えない。蘇生薬は手持ちにあるが、事故って私やマイコニド達が死ぬのは嫌だ。


なので突入前に強化魔法を使用する。オーガウォーロードを前提に魔法を行使。


「≪樹皮の鎧≫≪勇敢≫≪武器攻撃致命化≫≪霞の衣(ブラーコート)≫≪全属性効果耐性(マルチレジスト)≫≪飛来物迎撃(カウンターミサイル)≫」


私の魔法に続いて真菌の神官の支援魔法。

「≪武器祝福≫≪鎧強化≫≪大いなる助力≫≪属性狩り(バスターアライアンス)(イービル)≫≪対魔法障壁(プロテクトスペル)≫≪予備生命力(ライフストック)≫」

合計12種類の魔法をこの場の全員に行使し、扉を開ける。


扉の先に待ち受けていたのは、オーガジェネラルとオーガシールダー、オーガソルジャー、オーガシャーマンの取り巻き。

オーガウォーロードよりは格下で安心するが、油断はしないように心掛けて戦闘。


向こうも私達が目についた瞬間、戦闘態勢に入ったので先制の魔法を放つ。

誰も見てないし、実験がてらちょっとエグイ魔法使っとこ。


「≪酸の奔流(アシッドストリーム)≫!!」

杖から魔法陣を展開し、正面へ向けて大量の酸を放射する魔法。

直撃すれば火傷は免れない毒属性魔法に対して、オーガジェネラルはオーガソルジャーを盾にして防御。

シールダーの方は防御スキルらしき力を使ってシャーマンを庇って耐えたが、ソルジャーの方は多量の酸を浴びて脱落。


酸を浴びたシールダーに対してシャーマンが何か魔法を行使しようとしたところで真菌の弓兵が追撃のスキルを使用。

「≪貫通射(ペネトレイトショット)≫!」


確か、対象の物理防御力を何割か無視して射撃物理ダメージを与えるスキル。

シールダーの鎧ごと胸を射貫いて、シールダーも脱落。

シャーマンが詠唱していた魔法は対象を見失って詠唱途中で破綻。


ここでオーガジェネラルが咆哮しながら背中の両手斧を両手に持って突撃。

オーガジェネラルの突撃を真菌の兵士二人がブロックしようと前に出た。

私がジェネラルの方へ視線を向けると、≪魔法知覚≫で両手斧に何かしらの魔法が付加されているのを確認。

アレ、魔法の武器か!ジェネラルがマイコニドに斧を振りかぶる。


「回避!」

「!」

私の掛け声でマイコニド2体はそれぞれ左右に回避。

ジェネラルの振り降ろしは外れたが、すかさず切り返しによる追撃が左に回ったマイコニドを襲う。


「はっ!」

切り返しに対して真菌の兵士が槍を突き出し、2倍差はある体躯のオーガジェネラルを吹き飛ばす!

しかし、ダメージは鎧で軽減されたのか・・・いや、アレはわざと後ろに飛んだのか?大したダメージになってない。


「≪麻痺(パラライズ)≫!」

オーガジェネラルへ麻痺の呪文を行使するも、驚いたことにオーガジェネラルは強引に私が行使した魔法を振りほどいて抵抗(レジスト)

麻痺のような低位の状態異常魔法は抵抗されると効力を失うのが欠点。

レベル差があっても、麻痺程度の低位呪文では簡単に抵抗されるのか・・・!


真菌の弓兵の第2射は矢を同時に2本番えてスキルを発動。

「≪二重射撃(デュアルショット)≫!!」

オーガジェネラルは斧の刃で頭部に飛来する矢は防御するも、2本目の矢は鎧を抜いて左肩に突き刺さった・・・がその後すぐ、肉ごとオーガジェネラルが矢を乱暴に引き抜いた!?

シャーマンが引き抜いたジェネラルの矢傷を回復魔法で処置したのか、直ぐに傷が塞がっていく。


「≪聖語言説(ディクタム)≫!」

そこに、真菌の神官が魔法を行使。

発動したのは範囲内の≪秩序≫に属さない対象全てに対して、何かしらの悪影響を与える魔法。

真菌の神官を中心に文字の壁がドーム状に広がり、その壁に触れたオーガジェネラルとオーガシャーマンの様子に変化が起こる。

ジェネラルの方はよろめいて片膝をついた状態に、シャーマンの方は唐突にパニックになって叫びながら杖を振り回している。


私やマイコニド達は特に影響がないので、構わず戦闘続行。

パニックになってオーガジェネラルから離れたオーガシャーマンの喉を真菌の兵士が槍の一撃で貫く。


残りはオーガジェネラル・・・!

オーガジェネラルは斧を手に立ち上がり、倒れていた瀕死のオーガシールダーの頭を叩き潰した。

オーガシールダーの頭蓋の中身がぶちまかれ、斧から何か黒い靄のようなモノが漂う。

黒い靄はオーガジェネラルの全身を覆い隠し、その直後に異形の怪物の姿に変貌。

体躯が更にデカくなり、巨大で太った緑のカエルを思わせるような風貌。

全身にあるイボのようなモノからは、膿のようなモノがドロドロと流れている。


正直言ってキモイ。宇宙的恐怖(コズミックホラー)みたいな作品に出てくる怪物そのままだ。

恐らくあの斧の力であんなキモイ外見に変身したのだろう。

私の中ではハズレアイテムとしてラベリングしておく。


あんな怪物はエルドラド・クロニクルでは見た事ないので加減は無し。

元オーガジェネラルは狂乱したように斧を振り回し、マイコニド達は回避と打ち払いで斧の攻撃を耐え忍ぶ。

あの状態で真菌の兵士を相手にできるとなると推定レベル55~65くらいか?

エルドラド・クロニクルではオーガジェネラルのレベルは40くらいだからかなりパワーアップしてるな。


まだ何かヤバいスキルとか能力を持ってる可能性もあるので、私は切り札の1つを解禁。


「≪覚醒:魔女≫」


覚醒スキル

クラスLvが10に到達すると、そのクラスは『覚醒』という段階に入る。

覚醒の段階に入ったクラスは、それぞれ上位クラスと派生クラスが解禁され、5種類の『覚醒スキル』の中から1つだけを選んで習得できる。


私が魔女の覚醒で選んだスキルは


「≪垣根を超える者(ハガズーサ)≫!」

≪飛来物迎撃≫

種別:防御魔法/共通

制限:魔法使い系Lv4以上

属性:防御/付与

射程:接触距離

形状:射撃

飛来物から対象を守る防御魔法。

付与された対象の周囲には光弾が旋回し、追従。

対象が『形状:射撃』型の投射武器、スキル、魔法の対象になったとき、1度だけ光弾が身代わりになって攻撃を無効化する。

その後、この魔法の効果は失われる。

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― 新着の感想 ―
マイコニドもレベル60あるはずなのに苦戦するのか、主人公も戦闘向けガチビルドじゃないし5階層でこれだと10階層以降のダンジョンは主人公じゃ厳しいんじゃ無いか?この世界結構ハードな世界か?
[一言] ファンタジーランキングで見かけて一気読み。 面白いです!
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