第207話
【エリシア視点】
ドワーフの国との戦いは地下鉄道網に戦場が移り、私達は苦戦を強いられた。
はいそこ。Lv100がなんで?って思った?
うん。そこなんだけど
「来たぞォー!」
地下鉄駅にバリケードが設置され、バリケードに守られながらドワーフ達がこちらに向けるのは『火炎放射器』
「≪琥珀の壁≫ッ!」
私が前に出て火炎放射器の炎を琥珀の壁でガードするも火炎で先に進めない・・・
私の出した壁に他のメンバーも集合し、隠れながら作戦会議
「むぅ。かなり面倒じゃーん!」
「地下ですから≪強制自爆≫とか使えば生き埋めになりかねませんし・・・」
「虫も炎で焼き払われて数減らされたからなぁ・・・」
そう。地下での戦いはこちらの火力が制限されているからだ。
地上なら多少の地形変化が起きるほどの大火力広範囲技を使えたが、地下となると話が変わり、火力任せの攻撃が命取りになる。
流石に半端な攻撃ではこのトンネルは簡単には崩れないかもしれないが、私みたいに細かく火力調節できる人は珍しいらしく、皮肉な話だが手加減することに慣れている私がこの地下戦線で一番火力が安定して出せるらしい。
次点で打数の多いアヤノさん。リッシュさんやツナマサさんははほぼ壁役しかできない
ツナマサさんの提案で地下で戦うメンバーの再編が行われ、アキヒト君を始めとした広範囲攻撃組は風系で巻き込み過ぎるから本拠地防衛に下がってる
って事で地下で戦うメンバーは私、ペロリさん、ジャコウさん、そしてミーカさん、アリアージュさん、アンブルさん、エリーちゃんの7人で攻略となり、残りは拠点防衛や兵站維持で後方に下がる事となった
アヤノさんが外れた理由は・・・うん、彼女が極度の方向音痴でこの暗くて複雑なトンネルで逸れたら見つけるのが面倒くさいからだ。
「アリアージュ!」
「あいよぉ~!私の曲を聞けぇーッ!!」
アリアージュさんがエレキギターを掻き鳴らして演奏を開始
ギターの旋律に彼女の魔力が乗り、トンネル内部に音を介した魔法が行使される
「≪舞踏祭:サンバ≫!」
瞬間、場の雰囲気が一気に陽気なリズムに支配され、予め精神耐性を上げてなければ踊り出しそうな雰囲気が形成。
ドワーフ達の何人かはその魔法が造り出す雰囲気に思わず戦闘を放棄して踊り出す面々が現れる
「なんじゃー!?」「わははは!楽しィ―!」「おい!正気に戻らんか!」
急に場がダンス会場になって混乱してる隙にジャコウさんとミーカさん、アンブルさんが突撃
「寝とけボケッ!」
Lv100のステータスに任せたジャコウさんの鉄扇の一撃でバリケードごとドワーフが宙を舞う。というか鉄扇ってあんな威力出て良いのか・・・?
「よいさぁーッ!≪峰打ち≫ッ!」「≪薙ぎ払い≫ッ!」
続くミーカさんとアンブルさんが手に持った武器でドワーフを叩きのめす。
ちなみにミーカさんは処刑剣、アンブルさんは盾と片手用メイスを装備してる
ミーカさんは殴りヒーラーを自称してるけど、実際は神官派生クラスの「悪魔祓い」だ
主に「対悪魔」、「対魔性」、「対悪」に特化したクラスであり、悪属性メタの戦闘用クラス。ちなみに魔女系クラスの天敵の一つだ。
回復魔法で耐えながら自己強化で継続回復や聖属性効果などの効果を上乗せしてぶん殴る自己完結型戦闘が可能であり、時間経過で強化を積み重ねて殴り続けられる。
強化が乗って無ければあまり打点は高くは無いが、強化の上がり幅は神官派生のため滅茶苦茶高いので、強化を重ねて乗った状態だと半不死身だ
「ぬぅん!」
ミーカさんにドワーフの斧が振り下ろされるが、彼女はそれを片腕で止める
カンッ と軽く乾いた金属音が響き
「邪魔!」「ぐわーっ!?」
反撃の峰打ちでドワーフをK.Oさせていく
「よし来い!≪タウント≫!」
アンブルさんは騎士系列クラスで固めたオーソドックスな盾役。
主にヘイト管理系のスキルと強力な耐性系クラスで固めたガチガチの耐久ビルド。
1撃の火力はLv100では低いがとにかくタフでほぼノーガードでもドワーフの一撃を受けてもビクともしない
流石に炎の中を突っ切るとまではいかないが、盾を構えた状態ならドワーフの火炎放射器を直で浴びせられてもへっちゃら・・・だそうだ。
私も植物魔法で蔦や木を出現させてドワーフを拘束。
ついでに火炎放射器の燃料も奪い取っておく。後で何かの役に立つかもしれない
ペロリさんはマッピング担当で大量召喚した鼠で地下鉄網を偵察調査させているナビゲーターであり、≪位置交換≫を活用しての錯乱や援護、ネズミを突撃させての直接攻撃などで活躍もしてる。
ジャコウさんは現場指揮官として突撃しつつ私達に指示を下すリーダーポジションだ。
「アンブル!衝撃波や!」
「おっけぃ!≪音響砲≫ッ!」
ジャコウさんの指示でアンブルさんのギターが激しく唸り、衝撃波が放たれると同時に射線上に固まっていたドワーフ達が吹っ飛び壁に叩きつけられる。
「・・・ここはこの辺で打ち止めやな」
アンブルさんの衝撃波で気絶させたのが最後だったようで、何とか無事にドワーフ達を制圧できたが・・・実を言うと私達の侵攻ルートはかなり大回りだ
理由は・・・
「何とかここは爆破崩落させずに済みましたね」
負けそうになるとドワーフ達が地下鉄を爆破して生き埋めにしようとしてくるのだ。
おかげで最初の方は何度も崩落に遭い、退却と迂回を繰り返している。
掘り進めるにも私達は建築ド素人であり、流石に崩落するかもしれないトンネル工事を敵地でやりたくも無い。
そのため、今は仕方なくマッピングしながら迂回路を探っている状態だ
≪悪魔祓い≫
系統:神官+戦士の複合派生クラス
主装備:「戦士系武器全般」、「重装鎧」、「発動体」
神官と戦士の複合派生クラス。自己強化によってステータスを底上げし、回復魔法と併用しながら近接戦闘を行える前衛型神官戦士。
「むやみに命を奪ってはならない」などの戒律を「悪の断罪」を掲げて無効化し、刃物系武器の装備も解禁される。
また、武器に一時的に聖属性効果を付与して攻撃でき、特に悪属性を持つ対象には強力な効果を発揮する。
また、神官が使う系統の魔法はそのまま使えるため、解呪や状態異常回復、上位の神官クラスと併用取得しているならば他者の蘇生なども可能




