第186話
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レーシアのイメージ画像をAI生成してみました
気絶から復帰した私は一通り話を聞いた感じ、無事に治癒を終えたらしい
だが、捕獲に成功したリネットの処遇を巡ってどうにも問題が発生したらしい。
クラウベルから見た方が速いと言われ、私はその現場に行く。
少し歩いて城の一角にある部屋にたどり着いた先に居たのはジャコウさんと推定竜種と思われる男がテーブルを挟んでにらみ合いしてる現場だった。
あ、あとその間で宰相のヴァラサフが青い顔しながら仲裁してる。
壁際にはマーシャさんと聖櫃で封印状態のリネット、その隣にはカイさんも困った顔で居た
えぇ・・・こんな帰りたい空間に来てどうしろと・・・
「ん?あぁエリシアはん来とったんか」
一発で見破られ・・・いや、今変身リボンの効果が切れてたのか。
「ジャコウさん・・・ここで何を?」
「戴冠式に出席する予定やったウチの姫様の付き添い・・・のつもりやったんやけどな。ソコで飾りになっとるボケがなんか黒幕って話聞いたからちょっとお話ししようと思たんやけどな?そこの竜種がいけず言うんよ」
「当り前だッ!どこに信頼できる要素があるッ!」
鼻息荒くテーブルを叩く竜種の男。
竜種と分かるのはまず馬鹿みたいな魔力量。プレイヤーとは違って装備が全て『竜の鱗』って看破で見えるからだ。
しかし強いな。≪人化≫って確かレベルとステータスが半分になるデメリット抱えてるって聞いてたけど、彼の推定レベルは≪人化≫状態で80後半くらいある。
「即刻ッ!今すぐヤツを引き渡してもらうぞッ!異世界人など欠片も信用できんッ!!」
めっちゃ敵意むき出しだな。どうしよ
「引き渡してどないすんねん。下手に封印解いたらまた暴れるで?」
「ふんっ。もうすぐ我が配下の精鋭が到着する。
この女には連れ帰った後で永久氷獄の冷気の中でじっくり尋問してやる。
死んでも何度か蘇生できるというならば、殺す気で責め苦を味合わせてやる」
「さっきからこの調子で話が通じひんのよ」
「私に振られても困りますよ。どう見ても上位ですよ。彼」
「いや、上位じゃないわよ。竜王よ」
「!?」
マーシャさんの言葉にもう限界飛び越えたんですけどォ!?
「断絶竜王。北地ってトコを縄張りにしてて、聖域に身内を狩られたそうよ
で、怒り心頭で情報網を張ってたみたい」
「私がスクロールの魔法で鳴動竜王に報告を飛ばした時にバレたらしい」
えぇ・・・
「もう大人しく引き渡しても良いんじゃないですかね。私、竜種と喧嘩したくないですし、明日は仕事で忙しいんですけどォ・・・」
「ハ?なんでウチが譲らなかあかんの?悪いけど、落とし前つけたいのはウチも同じやけど?」
「と言うかジャコウさんはどっから情報抜いて来たんですか」
「そら、ココ抑えた時に中庭とかいろーんなトコに仕込んどいたから。
次アホやったら城ごと吹っ飛ばせるように・・・な?」
帰りてぇぇぇえええ!?地雷原じゃん!!
「じゃぁ折衷案でジャコウさんが一緒に断絶竜王と一緒に北地で尋問すれば良いじゃないですか?≪転移門≫使えるんですから、帰りは一瞬でしょ?」
「えぇ・・・ウチ寒いのイヤなんやけど。寒いと蟲も動き鈍いし」
「ワガママか!!」
思わずツッコミを入れてしまった
「じゃ、間を取ってココで尋問しましょう。全員立会いの下でなら文句ないでしょ。
エリシア、幻覚剤使って魔法で精神操作しなさい。コイツ、幻術とか幻惑の対策はしてなかったわ」
「・・・分かりました」
結局、マーシャさんの一言で決定し、精神操作魔法で自白させる事に決定した
「フン。もし嘘を言わせたらこの場にいる全員を氷像にしてくれる」
「うるさいジジイやなぁ・・・」
とりあえず簡単には逃げられないように地下室で行う。
封印状態のリネットを地下牢に運び込み、全員に防毒マスクを装着させて幻覚剤を散布。
「今です。解除お願いします」
「どうなっても知りませんよ・・・?」
「えぇから。はよやれ。暴れてもウチがボコしたる」
カイさんは最後まで渋っていたが、錫杖で床を突いて封印解除
その瞬間
「ッ!≪水流「寝とけボケ!」
リネットが魔法を詠唱する間にジャコウさんが一気に踏み込んで鉄扇の一撃がリネットの顔面にクリーンヒット!
うわぁ。鼻血がドバドバ出てる・・・アレ絶対に折れてるな
痛みに悶絶するリネットに更に暴言吐きながらゲシゲシとジャコウさんが踏みつけで追撃
あの、死なれたら蘇生されるからその辺にしてほしいんだけど
「チッ。こんなボケのせいでウチがどんだけ苦労したか・・・」
ブツブツ文句を言うジャコウさんはしばらくボコボコにした後で離れ、ボロ雑巾にされたリネットは抵抗する余裕も無い様子だが・・・一応生きてはいるな
時間的にリネットに幻覚剤が効き始めたはずなので、用意していた魔法を行使。
精神効果を受けた対象じゃないと使用できないから使いづらい魔法だが、コイツが一番効く
「≪精神掌握≫」
精神支配の魔法の1つ。効果は対象が幻惑状態や魅了状態などの精神異常状態にかかっている場合、確実にコントロールを奪うことができる支配系の魔法だ。
前提条件が幻覚剤とか幻惑魔法が効く相手、もしくはマンドレイクの叫びで心神喪失状態の相手じゃないと役に立たないが、相手がその状態であれば確実に成功する。
幻覚剤に耐えられたのか若干の抵抗は有ったが、追加で魔力を流し込んで強引に押し切った
「・・・成功です。精神支配しました」
さて、ここから尋問開始だ
≪精神掌握≫
種別:状態異常魔法
制限:上級魔女Lv12以上
属性:精神
射程距離:接触
形状:対象接触
精神効果の状態異常を受けた対象にのみ行使できる、精神支配の魔法。
魅了、混乱、幻惑、心神喪失、恐慌など精神異常状態の相手の乱れた精神に侵入し、相手の思考を完全に支配下に置く魔法。
ただし発動には支配する相手が完全に精神異常状態であること、触れた状態であること、「支配無効」などの対策がされていない、など様々なハードルがあるため、対人戦闘で使用される事は稀。
ゲームでのエリシアはマンドレイクを使って心神喪失状態を付与してからこの魔法で格下の敵を支配するのが鉄板技だった




