第181話
『≪炸裂火球≫!』
「!」
城の方から複数の火球・・・宮廷魔術師達の≪炸裂火球≫か!
「無駄無駄。っと1発だけレベル違うわね~」
リネットのカップから水球が飛び出て次々と火球が水球に飲まれて消滅するが、1発だけ水球を貫通してリネットに迫る
「ガードして」
短くリネットが指示すると隣のスキュラが三又槍で火球を叩いて迎撃
「ん~・・・良い威力ね。レベル40くらい?初期クラス程度は覚醒してるみたいね~」
「フッ!」
リネットの感想を無視してクラウベルが飛び込みながら槍斧を薙ぐ
「≪氷壁≫」
しかし氷の壁が地面から伸びて防御された。物理攻撃も氷で防ぐか!
クラウベルの一撃は氷の壁を粉砕するも勢いが殺されて、リネットは涼しげな顔で後ろへ跳ぶ
「ちっ!」
「≪貫通射≫ッ!」
砕かれた氷の隙間を縫うようにマーシャさんの矢が放たれ、スキュラの胸に命中
「あら。容赦ない」
「クラウベル!エリシア!二人でその水使い抑えて!カイ!私の援護!」
「はい!≪3倍連続魔法≫≪水属性抵抗強化≫!≪腐食耐性付与≫!」
「分かった!」
「了解です!」
マーシャさんの指示に従い、私とクラウベルでリネットを抑え、その隙にマーシャさんがスキュラの相手をする。
「させると思う?」
リネットのカップからバスケットボールサイズの水球が飛び出し、そこからマシンガンのような小さな水弾の連射が飛び出してきた!
「≪琥珀の壁≫ッ!」
樹脂を琥珀化させた壁を召喚して水弾の連射をガードする・・・が、さっきの水と性質が違う!水弾を受けた琥珀が溶け始めてる!?
「なにも水を操作するだけが水魔法じゃないわよ~」
リネットが指を立てると周囲にあるタコの体液が吸い寄せられるように集まり、2mくらいの酸の大球ができた
「こんなふうに、その場にある液体なら何でも使わないと・・・ね!」
そのままリネットの指がこちらに向けられ、酸の大球がこちらに突っ込んできた!コレは脆くなった壁じゃ防御できないな。なら!
「≪液体中和≫!」
「あら。その程度の魔法は使えたのね」
強酸性のタコの体液で出来た大球を魔法で中和して無害化し、壁の防御力で耐える。壁は大球がぶつかった勢いで砕かれたが、酸で焼かれることは無い!
「≪突進≫ッ!」
「≪液体鹸化≫」
クラウベルが突進スキルを発動させて距離を詰めようと前にでると、リネットの魔法が発動し、地面に広がった液体の性質が変化。鹸化させて滑りやすくさせたのか!
「むんっ!」「!?」
しかしクラウベルは床が滑りやすくなった魔法効果を強引に抵抗し、地面に亀裂が入るほどの踏み込みで間合いまで踏み込んだ!
「ッ≪水剣≫!」
「ハァーーッ!!」
リネットのカップから水で出来た刃が飛び出てクラウベルの槍斧を受け止め鍔迫り合いに入った!だが・・・!
「ぬん!」「ぐっ!」
やはり純粋な戦士系であるクラウベルのパワーが勝る!力押しでリネットを吹き飛ばした!
「ニャン吉!」
『≪大轟咆≫ッ!』
吹き飛んだリネットをさらにニャン吉が咆哮による音波攻撃で追撃!
咆哮による衝撃波がリネットを後宮の壁まで吹き飛ばして叩きつけた!
「ぐっ・・・やるわね~。竜種が寄越しただけはあるんじゃな~い?」
壁に叩きつけられてダメージ無し・・・?いや、叩きつける瞬間に水の球を自分との間に入れてクッションにしたのか!
「じゃ、私もちょっと本気だしちゃおっかな~」
「させるかっ!≪猛虎突襲≫ッ!」
クラウベルがさらに踏み込んで突き技を繰り出した瞬間、クラウベルの槍先に水が集まり
「はい≪凍結≫」
「ッ!?」
槍の穂先部分を氷の塊で覆われ、クラウベルがバランスを崩してつんのめった!?
「ッ≪魔女の_「≪武具精霊実体化≫」
こっちの発動より向こうの実体化のほうが速い!だが撃つしかない!
私は実体化を発動させたリネットに向けて≪魔女の一撃≫を放つ・・・が
「水妖姫」
リネットの武具精霊が出現。白い貫通衣を着た女性人型精霊が私の魔法を手で払い落された。・・・ちょっとショック
クラウベルはその間に石畳に槍斧についた氷を叩き割り、バックステップでこちらに戻りながら私に質問してきた
「エリシア。他に支援系魔法は?」
え?・・・えーっと。・・・地下室の時にあらかた付与しちゃったからなぁ
あと私が使える魔法で付与してない支援魔法は・・・
「あとは狂戦士化くらいですかね」
「なら頼む。マーシャの暗殺や城からの援護には期待できない以上、ソレでやる」
うぇ!?・・・悩んでる暇無いか
「分かりました。・・・≪狂戦士の怒り≫ッ!」
「ッ!ガァァァァアァアアアアアア!!!」
「ワァ大胆~」
発動させた魔法、≪狂戦士の怒り≫の効果はデメリット付きの大幅強化だ。
10分間のあいだ対象は全てのステータスと物理攻撃系スキルの威力を1.5倍加算する代わりにあらゆる魔法と防御系の任意発動スキルが使えなくなる。
移動系のスキルは使えるので突進技は使えるが、回避用のスキルは全て使用不可になるので、攻撃を受けても向上したステータスで耐えきるか、移動による位置取りで回避する以外に防御手段がなくなる。
そして、この魔法を受けた対象はダメージを受けた回数に応じて≪狂戦士の怒り≫の持続時間が伸びる。
あと、フレーバーテキストによると、『一時的に理性を消し去り、対象を修羅の如き存在へと変貌させる』という不穏な一文があるから、できれば使いたくなかったんだよなぁ・・・こっちの世界でこの魔法を使うのは正直言えば初めてだ
「ガァッ!」「ッ!?」
狂戦士化したクラウベルが踏み出すと足元の石畳が砕け、瞬きの間にリネットの前へと移動。はっや!?敏捷能力もとんでもなく上がってる!
「≪氷山の壁≫ッ」「ムンッ!!」
リネットが分厚く巨大な氷の壁を出現させガードするが、クラウベルの振り降ろしの1撃で≪氷山の壁≫が粉砕され、向こう側にいたリネットにもダメージを与えた!とんでもないパワーだ!
「ッ!≪爆裂泡沫≫ッ!!」
「ガッ!?」
リネットは反撃で巨大なシャボン玉を出現させ、リネットは防御技が封じられているため無防備な状態でリネットの爆破魔法が直撃。大爆発と同時にクラウベルが大きく吹っ飛ばされ、石畳の床を抉りながら何度もバウンドして壁にめり込む!!しかし・・・
「ウォォオオオオオオ!!」
「ッ!嘘でしょ~・・・」
爆発で吹っ飛びこそしたが、ダメージで更に≪狂戦士の怒り≫の効果時間が延長され、ダメージなど気にせずクラウベルは突撃を繰り返す。
私も回復魔法で援護だ!
「≪上位傷病治癒≫≪再生力活性化≫!」
2重詠唱で2つの回復系魔法を同時発動。
私じゃ全回復とまではいかないが、対象のスタミナを犠牲にする代わりに継続回復させる≪再生力活性化≫を行使することで詠唱とクールタイムの間でも回復は継続されるようにした!
「≪蜃気楼の銀幕≫ッ」
「≪全力攻撃≫ッ!」
リネットが幻影魔法を発動。蜃気楼で自身を覆って透明化させる魔法か!
一歩遅れてクラウベルが≪全力攻撃≫を発動させて彼女が居た場所を攻撃するが、空振り。既に場所を移動されたか・・・!
≪爆裂泡沫≫
種別:攻撃魔法
制限:水術使いLv18以上
属性:水
射程:0~100m
爆発範囲:約10m
形状:射撃
巨大な爆発性の泡を出現させ、他の物体が触れた瞬間に大爆発させる魔法。
泡の速度はとんでもなく遅い代わりに威力は水属性の中でもかなり高い
主に設置型爆弾としての運用や接近する敵に対するカウンターとして使われる場合が多い




