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第178話

 バタンと城の地下室の扉が閉じられた。マジか・・・

 インベントリ空間に武器は収納してあるからいつでも取り出せる。

 大人しく地下室に入ったから、手枷などの拘束具も無し


「マーシャさん」

「えぇ。 ()()()()()


 マジでマーシャさんの作戦通りに進んじゃったよ・・・!


 はい。今更ながらネタバラシするとコレがマーシャさんが即席で立てた悪魔武器所有者を見つけるための作戦だった。

 私達は伯爵の紹介で裏が無い人間だと証明済みで軟禁なんて本来されない

 だが悪魔武器の保有者候補が最も厄介だった。

 後宮に居ると言う事は所有者は後宮勤めの侍女か妃や姫君。

 姫の人数は10人以上で侍女も含めれば候補は100人以上だ。

 そんなの不完全な魔法では探知できたとしても絞り込むのは不可能に近い


 それに後宮で見つけたとしてもそんな場所で悪魔武器に暴れられたら被害は免れない。

 最初は侍女に暗示の魔法とか使って侵入しようとも考えたんだけど、酸の体液持ってるヤツが居ると言う事で即座にマーシャさんは作戦を変更。

 悪魔武器所有者にワザと伝わるように私達は軟禁に応じて一度地下室へと閉じ込められることで、犯人の動きを単純化させるのが作戦だ


「悪魔武器が持ち込まれたって情報が流れた時期とナイフが会場に隠されてるって点から、所有者は9割で次期王の暗殺を企んでるヤツでしょ。

 隠しナイフ仕込んだり偽侍女を紛れ込ませられる点から相手は相当なヤツよ」


「つまり、相手は単なる侍女ではなく権力を持つ妃・・・もしくはその側近が怪しいと?」

「そういう事。そんなヤツが居る場所に悪魔武器持ってるって理由だけで入れば何が起こるかわっかんないし、わざわざ罠張ってるであろう本拠地に自分から乗り込むのはアホでしょ。だ・か・らこうして一旦捕まったって情報を与えて・・・」


 マーシャさんが扉をゴソゴソと弄ると・・・ガチャンと音が響いて鍵が開いた


「こっそり出て現行犯でぶっ倒す。相手が完全に油断した瞬間っていうのは「作戦が実行された瞬間」よ。地下室に閉じ込めたって情報を入れれば相手の思考から私達の介入の可能性が消えるってワケ」


「そのためにワザワザ地下室まで降りるとはな」

「勝算は当然有るわよ?この場所は地上からも離れてないし、悪魔武器保有者が動いても私のスキルで反応できるギリギリの距離。

 私が地下に居ようと一回捕捉したヤツは一定距離以内ならスキルで常に位置を把握し続けられるし」

「探知斥候系スキルだな。スニーキングの名人とは聞いてたが・・・こっちの世界で敵に回したくないタイプだ」


 クラウベルが引くのも無理はない。

 マーシャさんを敵に回せばスキルで捕捉して地獄の底だろうと探し出して暗殺するからなぁ・・・ゲーム中だと暗殺スキルで報復も担当もしてたし、こっちの世界じゃ絶対的に回したくないんだよなぁ


「出入り可能な檻は自宅と変わんないわよ。後は敵の動きをスキルで把握しながら出方を伺って、完全に逃げも誤魔化しもできないタイミングで潰せばOKってワケ」

「つまり、ここでしばらく待機か」


 そういう事だ。私達にとって、「捕まる=行動不能」ではない。

 マーシャさんにとってはこっちの世界の錠前なんて鼻歌しながら解除できるセキュリティだし、いざとなれば鉄格子や石壁程度なんて私でも魔法でぶち破れる。


 それにあの場で下手に暴れたり抵抗すれば近衛兵との関係が悪くなってこっちの指示も聞いてくれそうにないかもしれない。

 悪魔武器との戦いで戦力に数えるつもりはないが、下手にこっちが強気に出て関係がこじれるよりも、大人しくしながら緊急事態に動けるように手を打った方が後の戦闘で邪魔されずに済むし、足を引っ張られる事も無いだろう


 ・・・あと、ちょっとは痛い目でも見てくれれば大人しく言うコト聞きそうだし、今回の悪魔武器所有者の行動を見るために最初にぶつけるためのスケープゴートにもさせてもらう予定だ


「悪魔武器が処分される可能性は・・・無いだろうな」

「最大の証拠の上で、連中の最大の武器だから最低でも暗殺成功まで隠し持ってるでしょうね。会場の隠しナイフを見つけた私達の探知が無いっていう「油断」が有れば・・・会場に悪魔武器を持ちこむ判断をしやすくする」


 潜入工作が得意なマーシャさんだからこそ思いつくこの作戦。

 敵の心理を逆手に取って悪魔武器所有者をわざわざ後宮から持ち出させるために私達はこの茶番劇を演じた。

 敵が悪魔武器を持って後宮から出てしまえば、逃がすも捕まえるも簡単だ


「事情を知らない伯爵は顔真っ青でしたね・・・」

「あー。でも伯爵が知らない方が、ブラフとして効果的だし、何も知らないままで居てもらいましょ」

「哀れ伯爵・・・後で詫びを考えないとな」


 クラウベルは伯爵に同情してるけど・・・あの人も結構貴族らしい貴族だから私は正直言えばそんな好きなタイプじゃないので同情しない

 さて、カイさんの方はこの作戦のための仕込みを担当してる。


 彼のクラスはメインは僧侶系だがサブとして「天使召喚者(エンジェルコーラー)」を習得している。

 天使の召喚と使役に特化したこのクラスは召喚士と比べたら癖は強いが強力な防御スキルと聖属性攻撃の武器や魔法の行使が特徴であり、直接攻撃にペナルティがかかる僧侶系のカイさんでも天使を召喚した間接的な攻撃はセーフ扱いだ。(天使は神の意志の代行者なので神に仕えるカイさんの祈り(指示)を天使が聞き届けたって建前らしい)


 天使系のクリーチャーは高い防御能力を基本とした防御性能が最大のウリだ。

 結界による障壁、神聖魔法による治癒や状態異常解除、高いHPによるタフネス、そして精神状態異常無効を始めとした強い耐性たち。

 攻撃性能は真逆の存在である悪魔と比べて微妙だが、壁役を並べるという点ならトップクラスだ


 そんな天使たちにはある種族能力がある。それが「霊体化」だ

 天使たちは人々を守護するために霊体となって地上に降りて人々を守ったり時には憑依して力を貸す。

 こう書くと精霊っぽいが、精霊は自然が生んだ自然霊に対して天使は神が創造して役割を与えた人工物・・・いや神造物だ。

 なので受け答えや反応は何と言うか・・・割と簡素と言うか感情が感じ取れない無機質な反応しかしない。ハッキリ言えばロボットっぽい


 話を戻そう。天使召喚者の魔法には「守護天使」を呼ぶ魔法がある。

 コレは他人に天使を降ろして一定時間天使に対象を守ってもらう魔法だ。

 カイさんはその魔法を使って遠隔から守護対象・・・つまり新しい王様を遠隔で護衛(ガード)してる。

 あとついでにベッティちゃんにも守護天使を付けて貰ってる。


「さ、今のうちにゆっくり休んで相手の動きを待つわよ」

≪鍵開け≫

種別:探索スキル

制限:盗賊専用

射程:接触

文字通り「鍵を開ける」探索用スキル。

ロックピック等のアイテムを使用して施錠された鍵を開ける。

エルドラド・クロニクルではプライベート設定されたプレイヤー拠点のドアを除いたすべての鍵をスキルが有れば解除できる。

ただし罠付きの鍵の察知は別途調査スキルが必要な上に、街の建物に不法侵入すればその地域のNPCを敵に回す可能性があるため、使用は慎重にしなくてはならない。

ちなみにマーシャは鍵開けスキルがカンストしているため、針金か小型ナイフが有れば大体の鍵を開けられる(ロックピックを使っているのは針金より壊れにくいから)

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― 新着の感想 ―
なるほどなぁ~
あ〜だいぶ前提の認識が違ったっぽいですね 自分はこうでした 王宮:主人公一行や侵略相手国の元プレイヤーのお情けでもっかい国主やらせてもらってる無力な準一般人 主人公一行:上記が自衛もできなかったので…
う〜ん、一人称視点であの地の文(喋ってるわけでもない内心)は違和感が強いけど 何より目星ついてるなら邪魔な近衛殺すor行動不能にしといて偽装解く他諸々乱打で丸ごとぶっ壊しにかかればいい話じゃないのかな…
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