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第177話

 ベッティちゃんには救護室で待機しておくように指示を出し、私達は城の洗濯場へとやって来た


「ここなら服もあるでしょ」

「だが、人目もあるぞ」


 数人の使用人が水場で洗濯をしているのが見える

 ・・・ん?


「マーシャさん」

「なに?なんか気になる事でもあった?」

「あの使用人。なんか変じゃないですか?」


 私が気になったのは奥の方で服を洗っている使用人。

 女性にしては体格がやや大きい以外は普通に見えるが・・・いややっぱりよく見たら変だ


「・・・僕も分かりました。失礼≪偽装破り≫ッ!」


 カイさんがすぐに錫杖をインベントリ空間から取り出して変身や変装などの欺瞞を破る魔法を行使する・・・と、パンッと風船が弾けたような音と共に使用人の姿が弾け、中身が出てきた。

 ソレは無数の棘を持つタコのような怪物だった。

 擬態する能力を持ったモンスターか!


「ヒッ!」

「キャァァアアア!!」


 それを目撃してしまった他の使用人が叫びながら逃げ惑う。

 巻き込まれる前に逃げてくれて助かる。


「エリシア、よく分かったわね」

「えぇ。あの人だけ瞬きしてなかったんで」


 タコのような怪物は壁を這って何処かへと逃げようとしてる


「逃がすかっての!」

 マーシャさんがナイフを投擲。ナイフが突き刺さった怪物から体液が噴き出ると、ジュワッと音を立てて床から煙と鼻に突く刺激臭・・・!


「酸の体液です!」

「うぇっ!触りたくないわね・・・」


 タコの怪物は逃げながらこちらへと向きを変えて溶解液を吹きかけてきた!

「≪聖なる盾(ホーリーシールド)≫ッ!」


 カイさんが素早く盾の魔法を行使して溶解液をガードしてくれたおかげでダメージ無し。

 私も反撃で魔法を行使する


「≪束縛(ホールド)≫ッ!」


 魔力で作った鎖で拘束を試みたが、軟体生物に使う魔法じゃ無かったな。

 簡単に抜け出されてしまった


「ならッ!」


 クラウベルが前に出てインベントリ空間から引っ張り出したのは短く細い槍・・・投槍(ジャベリン)か!


「ムンッ!!」


 走りながら大きく振りかぶってクラウベルが投槍を投擲する!

投擲スキルは戦士・軽戦士の共通スキルだが、単純な威力ならマーシャさんの投げナイフよりも威力は数段上!クラウベルの剛腕からはじき出された投槍はタコを貫いて壁まで貫通し、縫い付けた!


「ぴぎゃぁぁああああああ!!!?」

「ぐっ!?」

「うるさっ!?」


 壁に縫い付けられたタコの怪物が甲高い悲鳴を上げる・・・と、それを合図にタコの怪物がボコボコと歪に膨らみ・・・自爆する気だ!


「僕の後ろに!≪隔離領域(ジャッターゾーン)≫ッ!!」


 カイさんの指示に従い、彼の周りに集まるとカイさんは空間隔離の結界を展開し、防御してくれた。

 その直後のタコの怪物が自爆。酸性の体液を周囲にまき散らした


「やられそうになると自爆するのね・・・逃げようとした辺り、あんまり強くは無さそうだけど・・・」

「問題は城の中にコレが居た・・・と言う事は、悪魔武器の能力で呼び出したモンスターだろう。見た目から海洋系モンスターと思うが」

 海洋系モンスターかぁ・・・その中でタコみたいなヤツと言えば、すぐ思いつくのはクラーケンだが、アレは巨体が武器だ。コイツがクラーケンとは思えない


「・・・スキュラ?」

「モンスターを生み出すって点でも可能性は高そうね」


 スキュラ。ギリシャ神話で有名なソレは多くの創作物でも登場する美女の上半身にタコの触手もしくは無数の蛇の下半身を持つ有名な怪物だ。

 エルドラド・クロニクルではタコだったな。

 その能力は高度な水系統の魔法を操るだけじゃなく、配下のモンスターを産み落としてその場で襲い掛からせる母体としての能力も持つ。

 配下のモンスターは大半が水棲モンスターだからスキュラの範囲魔法を受けてもダメージを受けず、スキュラ自身も取り巻きを能力で生み出すことで前衛を張る盾をいくらでも生み出せる。

 たしかエルドラド・クロニクルのメインストーリーでも、あるストーリー中では高度な作戦を立てて暗躍する頭の良さも有ったな


 弱点は水属性系の魔法くらいしか使えないから水対策をすれば魔法攻撃は気にせずに済む事と、電撃系の魔法が弱点だったな。

 配下のモンスターも貫通効果や範囲攻撃でスキュラごと叩けば問題も無い。

 ・・・が今回はさらに面倒な事が一つ


「今ので悪魔武器の持ち主に私たちの事がバレた可能性が高い」

「それと、多分相手が持ってる悪魔武器、失敗作じゃないわね。

 配下に任せて暗躍するなんて賢い事を暴走状態で出来る芸当じゃないわ」


その直後、金属同士が擦れたりぶつかるような音とドタドタと複数の足音・・・近衛兵たちか


「止まれ!・・・これは」

先頭の近衛兵の号令で隊列が停止し、ここの光景に何も言えないようだった


「モンスターの仕業・・・って言って信じる?」


壁に突き刺さった槍、酸で溶けた床や壁・・・洗濯場が屋外で良かった。

流石に建物の中に入られたら手段が限られてくるし、他の人を巻き込むところだった


「侍女たちの証言で洗濯場に怪物が出たと証言が有った。

 だが・・・侍女の中にはお前たちが侍女の1人を怪物に変えたという話もあってな・・・」


ハァ!?


「悪いが、詳しい調査のために・・・大人しくしててくれ」


近衛兵に囲まれ、私達は城の地下室に軟禁されてしまった・・・マジか

≪投擲≫

種別:攻撃スキル

制限:戦士・軽戦士系共通

属性:物理・射撃

形状:射撃

射程:3~10m

手に持っている投擲用武器を相手に投げつけてダメージを与える基本的なスキル

威力や射程は投擲する武器に依存するが、基本的に10mは越えないうえに的確に急所を狙わないと威力も低い。

スキルの都合で至近距離では使用できないが、移動しながらでも片手で素早く発動できるので近接主体の戦士や軽戦士にとって遠距離から攻撃する敵に対する牽制の1つになる。

マーシャは主に爆薬を仕込んだ使い捨ての投げナイフを常に一定数ストックして使用している(毒物は相手の耐性や生成の難しさからゲーム初期の時点で使用を断念している)

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― 新着の感想 ―
うーんこれは上が無能
下っ端衛兵の声にも従ってしまうのは……あれか? イベント発生時の強制力。ゲームキャラの制約でステータスの差的に軽く振り払えるはずの衛兵に捕まっても、抵抗出来ず連れてかれるとか、そう言うの。
これ従ったらあかんでしょ 偉い人からの正式な依頼として調査に来たって言って照会して貰わなきゃ この無駄な時間で逃げられたり隠蔽されたらどうにもならないぞ…
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