第165話
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ペロリちーずをAI生成してみました
【エリシア視点】
「ついに・・・完成しましたね」
「長かったっすね」
「ん。エルフとドワーフの助けで大幅短縮できた」
私達の前には手洗い場に取り付けられた小さな蛇口。
そう。ついに・・・村に『上下水道』が完成した
村の地下2m程度の場所に上水道管。5m程度の深さに下水道を整備し、順次新しい家や施設に延長工事しながらいずれはどこでも水が飲める環境を作る予定だ
予定よりも1年くらい前倒しで水道と下水を敷設できたのはエルフの魔法とドワーフの技術の面が大きい。
エルフの里防衛戦の後、拘束して無力化したドワーフ達、その数30名を薬と魔法で正気に戻した。
ドワーフ達は正気に戻った時は、それはもう酷い有様だった。
彼らは戦士として誇りを持っていたらしく、狂気に侵されていた自身を責めてちょっと見てられない精神状態だったので、精神系魔法とカウンセリングと働かせて余計な事を考えさせないようにしたおかげで今は何とか持ち直してくれた。
そして生き残ったドワーフの中で前線指揮官だった「グム」という人をとりあえずドワーフの代表として任せている
正直言えば自殺でもされて死体増やされても迷惑なので、労働力として償ってもらう事にして貰い、ついでに働かせれば気分転換になると思ったが、彼らの力を借りてみれば流石ドワーフと言ったところ。
穴掘り等の土木社業は慣れた物で頑丈なトンネル作りは上下水道作成に大きく役立ち、意外かもしれないが彼らは水路に関連する事にもかなり詳しかった。
というか彼らドワーフは基本的に地下生活しているため、拡張工事で地下水脈にぶち当たった時の対処法やトンネル作りのノウハウ、地下水脈の探し方や地質学のような事を全員が知っていた
それこそ彼らにとって地下に水路を通す事なんて見習いの子供でも出来る作業と豪語するほどだった
そして、エルフの方も魔法という観点から大活躍
土を圧縮硬化させてセラミック板に変える魔法(投射杖で使う練習用弾を作製するための魔法の応用だった)でセラミック建材を作って水道と下水道をコーティングしたり、下水の浄化槽の作製で魔法を利用した浄化機構の設計と管理を請け負ってくれた。
これで下水はクリーンな状態で川に戻せる
そしてエルフの里防衛戦から5か月が経った今日。
エルフの里もゲイリーウッズ村の北にある丘の一角に引っ越しされ、ドワーフ達は監視の意味も込めて西側の私たちの拠点に家を掘って暮らしてもらってる。
ドワーフ達の家は地面を掘り下げて、地下空間に住居を掘って暮らすらしい。
理由として彼らは地上建築する技術は有るがどうやら『太陽がまぶしい』からだそう。
地下生活が長い彼らにとって昼間は眩しすぎて、兜にあるスリットを使って光を制限しないとロクに何も見えないらしい
逆に夜は月明りでもそれなりに見えるらしく、夜目がかなり効く。
ロウソクの灯り程度でもあれば昼間のようによく見えるそうだ
で、太陽に目が焼かれないように彼らは塹壕みたいに穴を掘り、その横穴に住居を作って住むらしい。
彼らからすれば地下に家を作れば夏は涼しく冬は暖かい。そして何より自分達より大きな魔物や種族が攻めて来ても入ってこれないか動きが制限されるので、迎撃も容易いとの事
ついでに彼らは背が低い体格だから、下水と上水道の間に上下水道の整備用通路を作ってもらい、地下生活でインフラ管理も任せてみる
水道工事や下水道工事は材料を渡せば彼らに任せれば良いだろう
で、一部のドワーフはやはり職人だった人間もいた。
30人いたドワーフはそのほとんどが戦士団(志願兵みたいな物らしい)に所属だったが、その中で5人だけは戦士団付きの職人で戦闘員では無かった
と言っても狂わされた状態だった時は戦闘員も非戦闘員も武器持って襲い掛かってたけど
そんなわけでドワーフとエルフの協力で上水道と下水道が今、完成した
「蛇口を捻るだけで水が出る有難さ・・・!」
「いちいち井戸から水を汲んだり水瓶で貯めて管理する手間もこれで解放ですよ・・・!」
ちなみに水道維持費は税金を若干引き上げて賄っている。
魔法を使っているとはいえ流石に整備費用がタダにはならないが水道代や水道工事費用も税金に含まれていると考えれば多分日本より安いはずだ。
村の住民が住む家は基本的に税金を払えば水道は使い放題で整備費用も税金で負担するつもりだ。
そして水道工事が完了してできた施設がもう一つ・・・『銭湯』だ!
ゲイリーウッズ村は基本風呂が無い。というか風呂という文化は外国にしか無くて概念は知ってるけど「ナニソレ意味有るの?」みたいな感じだった
だが日本人である私達は声を大にして言う。『お前ら風呂に入れ』と!
と言うか衛生概念が酷いんだよ。私達が食事前やトイレで小まめに手を洗う事に関して潔癖症を疑われるくらいに、こっちの衛生基準が酷い
上水道が完成した今、『手洗い』『うがい』を徹底周知させて健康基準を上げる!
そのために衛生の最初の一歩が『銭湯』を作って体を洗う文化を根付かせる事だ
1度風呂に入ってサッパリして貰えば、きっと良さが分かるはずだ
≪ドワーフ≫
種別:人間種ドワーフ属
北大陸北部に位置する山岳地帯の地下空間で生活する種族。
等身が小さくずんぐりした体型と短足、発達した両腕が特徴。
短足ゆえに足は遅いが重心が低く、肉体も頑健で膂力もかなり高いため、戦士の適性が高い。
また地下生活をしているため暗視能力があり、蝋燭程度の灯りで暗い地下空間でも問題無く行動できるが強い日差しには目にダメージを受けてしまうという欠点も抱えてしまう。
本来は鉱物や鉱石への強い関心と理解があり、実直で酒好きと概ね地球でのイメージに合う性格が多い。
平均寿命は130歳くらいで20歳から成人と認められる・・・が、飲酒は保護者同伴なら13歳からOKというほど酒好き