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閑話13「とある海洋人の話」

 僕は海洋人(マーフォーク)のグィン。

 西大陸西部にある入江の集落で生まれた根っからの海の子。

 僕ら海洋人は上半身は人間と同じだけど、へそから下は尾鰭を持つ海の種族

 そして、僕らはこの入り江の集落から船を使って運河を遡上し、川辺に住む他種族の集落や街と交易したり、魚や貝の養殖、時々は難破船漁りみたいな事をして毎日を暮らしてる。

 僕らの足(実は小さいけど水かきがついた足も有る)だと陸の上では遅いけど、泳ぐ事だったら潮や水の流れに乗って疲れずにどこまでも泳ぐことができる。


 そんな僕は毎日海の中に潜って、装飾品の材料の珊瑚や真珠を獲ったり(大粒なのを見っけたらしばらく遊んで暮らせる)、時期になったら鮑みたいなウニとか貝類を採ったり、銛で魚を獲ったり、難破船の情報が手に入ったら仲間と一緒に難破船漁りをする・・・まぁ自由気ままなその日暮らしをしてたんだけど

 その日はいつもと違っていた。


 その日、僕達は東大陸から戻る交易船が行方不明になったという噂を聞いて難破船漁りのために仲間と一緒に貿易ルート近くの海で難破船捜索を始めることにしたんだ。

 貿易ルートと言っても人間の船は海の大型モンスターの襲撃で沈没する事なんて当たり前だったし、僕ら海洋人の案内があっても運が悪かったらクラーケンやシーサーペントみたいな巨大なモンスターに襲撃されることだってある


 だけどその日は違った。行方不明と聞いていた交易船は普通に遅れて・・・いやむしろ船員たちはすこぶる元気そうに貿易ルートを進んでいた


「なんだよ。ただ遅れてただけじゃねーか」

「行って損したな」


 だけどおかしいんだ。こんな海のド真ん中で船の上にいた人間達は美味しそうな『新鮮な果物』を齧ってた。ここだと船の速度じゃどっちの大陸で出発しても腐ってしまう距離だ


 ・・・もしかして食べ物が豊富な無人島でも見つけたのかな?

 もしそうなら、僕らもそこに新しい村を作って交易場を作れば大儲けできるかもしれない


 そう思い、仲間と一緒にこの近くに島が無いか探索すると・・・見つけた。

 島じゃない。ものすごくデカイ「樹」が何もない海のド真ん中に生えてた。

 何本ものでっかい根が海底に突き刺さってて、巨大な木の根にはコケや土で覆われてて・・・しかも既に住民が居た。マイコニドだ

 海辺の洞窟とかでも見かけたことがある。いつも暗い洞窟の中で暮らしてる無害な種族が大勢畑仕事したりしてる。

 革で作った海図を出すと、そこには何もないはずの場所。と言うか貿易ルートのド真ん中だ。こんな場所、前に行ったときは無かったはずだ


 マイコニドだけじゃない。巨木の根元には小さい港ができてて、何隻かの交易船が停泊し、東大陸人だったり、西大陸人や鬼族、人間、ハルピュイア、獣人・・・たくさんの種族が既に居た


「なんなんだ?ここ・・・」


 とりあえず情報を集めるために港から木の根にある集落に入るとマイコニド達が店を開いており、西大陸と東大陸の交易品と果物や野菜を物々交換してたり、砂糖や塩、胡椒のような香辛料まで売ってる。砂糖どころか胡椒なんて話にしか聞いたことが無い・・・初めて見た。しかも異常に安い


「すいません。ここは誰が仕切っているんですか?」


 とりあえず近くにいたマイコニドに話かけ、仕切っているヤツを聞いてみたら


「我々の主。楽園の魔女「ヒスイ」様が支配しております」


 魔女・・・そう聞くと恐ろしいイメージが浮かぶが、この場所を見る限り陰鬱な雰囲気は無い


「ご案内しましょう。こちらへ」


 そう言われ、マイコニドについて行くと巨木の幹に何段もの階段・・・コレはキツイ

 そう思っていると、木の幹に扉?みたいなのもあった。

 扉を開けると小部屋みたいなのがあり、入るように促された。


 言われた通り入ると、少し振動がして


「到着しました。最上階です」


 ・・・最上階?


 扉が開き、そこには大海原を一望できる大樹の天辺と小さな畑、太い枝の間に跨るように建てられた屋敷。

 屋敷の中に通されると、机で書き物をしている緑髪をお団子頭をした黒いローブ姿の女


「・・・あぁ連絡のあったお客さん?私が楽園の魔女「ヒスイ」よ。よろしく」

「あ。どうも・・・海洋人のグィン・・・です」

「ここは出来たばかりだから、人が来るのは歓迎よ。

 犯罪者じゃないならどんな種族でもどんなクラスや能力を持ってても歓迎するわ」


 ・・・できたばかり?


「その・・・「できたばかり」って言うのは・・・?」

「あぁ。1週間前にここを創ったからね、≪楽園創造(アヴァロンメイカー)≫って魔法でね」


 ・・・正直理解し難い・・・が、理解できない事をいちいち質問するよりも、知りたいことだけ質問しよう


「誰でも歓迎するなら、ここに入植する許可が欲しい。

 僕たちの集落は人が余ってて他に住む場所を探してたんだ。

 魚や貝の養殖が出来るヤツとか漁ができるヤツはいくらでもいる

 交易商で働いて計算できるヤツだっている」

「採用。できるだけ大勢引っ張って来て。計算もできるって事は文字も書けるよね?」


 はっや!?即答!?


「ウチは新興勢力だからね。東大陸と西大陸を結ぶ交易拠点として、今後大きく成長する予定よ。魔力(MP)が溜まったら第2の島も創造して拡張するし」


 僕は仲間と一緒に一度集落に戻り、新しい入植場所を見つけた事を報告しその次の日には独立を目指す仲間と一緒にあの島に出発した。

 あそこは今後、大規模な交易拠点になることは間違いない。僕ら海洋人は根っからの海の種族であり、海や運河の交易には一過言あるつもりだ。


 これほど美味しい場所は早く入植して利権を食い込む必要があるんだ!

≪楽園の魔女≫

系統:魔女系最上位クラス

主武装:「長杖系武器」「布系装備」「農機具カテゴリー道具」

魔女と農夫の組み合わせから派生する「庭師の魔女」から更に進化した最上位クラス

最上位の植物の召喚と操作、高度な陣地の作製を得意としており、生産拠点を維持管理することにおいてはトップレベル。

その覚醒は不毛な荒野を命溢れる『楽園』を造り替え、どのような場所であっても生命(イノチ)を呼び起こす。

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