第164話
「それで?迷宮核が古代エルフ達の遺産なワケ?ならそこら辺のダンジョンでも攻略して取りに行けばいいと思うんだけど」
「いや。在野にある迷宮核の殆どは古代エルフが造った物ではなく、その複製だ。
話を戻そう。古代エルフ達は異世界へと渡る術を得て、無数にある多元世界から無限に等しい資源を得られる・・・はずじゃった。
しかし、古代エルフの滅亡はその多元世界によって齎された・・・多元世界に接続したことで、別世界の勢力をこちらの世界に呼び込んでしまった。
それが現代で生きる魔物や魔獣、一部の他種族の祖だ。
そして、多元世界への無秩序な接続を止める術が当時の古代エルフには無かった。
その結果、一時世界は滅びの危機を迎える寸前だった。
多元世界への接続が暴走し、多元世界が収束崩壊が始まったのだ」
「多元世界の収束崩壊?」
「簡単に言えば「世界同士がもつ引力によって引き合い、ぶつかることで互いに崩壊してしまう」現象だ。滅びの寸前にある一人の賢者がその多元世界の崩壊を防いだ。
賢者は多元世界への干渉を限定化させるためにダンジョンを創造し、ダンジョンをある種の回廊とすることで多元世界同士の接続を緩衝させる事に成功した。
しかし、結果として古代エルフの帝国は崩壊し、エルフ種は世界に散らばった。
生き残ったエルフに列なる種族たちはそれぞれが古い契約魔法を用い、子々孫々古代エルフが遺した遺産を回収し、二度と世界の崩壊を招くようなことが無いように厳重に封印する盟約を定め、支配や覇道と決別して変わり果てた世界を生きることとなった」
「つまり、里の外に出てくる『エルフの変わり者』は・・・回収役ってワケね」
「その通りだ。そして、この原典の迷宮核に我々が集めた古代エルフの遺産を封じ込めている。現在の我らが使っている魔法技術は殆どそれらを現代の材料で模倣しているだけに過ぎない。
古代エルフの遺産はそのほとんどが他の多元世界・・・つまり異世界で造り出された物でもあるからだ。
現在も外界で流通しているダンジョンの遺物や迷宮核は、そのほとんどが賢者が作り出した制約の下、この世界にあまり害のない物だけを通し、有害な知識や技術の流入は出来ないように劣化させている」
「封印の箱ってワケね。連中が狙う理由もわかってきたわ」
「さて、ここまで説明した理由についても話そう。
我らの里を君たちの居住地へ迎え入れてほしい。
今回は撃退に成功したが・・・またあれらが襲ってくる可能性は高いだろう。
幸いなのが、君たちは良識があり私達には技術がある。私達を保護してくれれば、現代で許す限りの技術を提供しよう」
「この里はどうなるんですか?」
「問題無い。この迷宮核を使ってテクスチャ・・・つまり迷宮空間を一度凍結封印し、別の場所まで迷宮核を運搬して封印を解けば、里の場所などいくらでも変えることができる。
むしろ、君たちのような規格外の戦力の近くにいれば再び「聖域」と呼ばれる異世界人への襲撃にも対応してくれるだろうし、我々も遺産を守るために戦力となるつもりだ・・・どうか、頼む」
そう言ってサラファノさんが私達に深々と頭を下げる
「・・・分かりました。こちらからもよろしくお願いします」
私はエルフの里を受け入れることを即決。聖域が襲ってこようとも、このエルフ達が集めた遺産をアイツらなんかに渡したくない。
正直言えば、迷宮核に封印された古代エルフの遺産は興味があるが・・・ロクでもない物も有るだろうし、触れるのはやめておく
彼らが必死になって封印し続けた遺産はそのまま眠ってて貰おう
「質問があるんすけど。異世界召喚術・・・今のエルフにも使えるんすか?
それができるなら、地球の道具とか食い物も召喚出来たらな~・・・なんて」
・・・そこのところも気になるッ!!
「・・・異世界召喚術を始めとした多元世界の接続は、現在の召喚魔法に統合されている。
だが、契約できていない存在世界への接続はかなりの手間がかかるだろうな。
賢者の張り巡らせた多元世界への接続回廊に君たちの元居た世界があるならば、接続回廊を検索し、然るべき方法で召喚を行えば・・・叶うと思う」
「・・・検索方法は?」
「前提としてどの系統でも良いので「召喚魔法」の習得は必須だ。
その後、多元世界の接続回廊への交信儀式を執り行い、望む異世界への接続と「窓」を開き、契約を行う。
契約を交わせば後は「扉」・・・つまり召喚魔法を編み出すだけだ」
「道具1個のためにわざわざソレは面倒ですね・・・アキヒト君は何を召喚したいんですか?」
「・・・俺ん家のパソコン」
・・・接続できたら召喚してあげよう。男の情けだ・・・!
ぶっちゃけ私も元居た世界にある自分のパソコン召喚したい
電気なら材料を集めればリッシュさんが蒸気式発電機を作れるしバッテリー液ぐらい私が調合して作れる。
ネット環境は無いけど演算機器や資料作り、データバンクとしてならパソコンはあればかなり便利だし
食べ物のほうは・・・ぶっちゃけ野菜や果物なら種子だけ召喚すればスキルと魔法で9割は再現できるし・・・材料が揃えば科学調味料だって自作できる。
工場相手には生産力は負けるがクオリティなら負ける気はしないし
≪呪詛爆破≫
種別:攻撃魔法
制限:前提スキル≪高級呪詛習熟≫の習得
属性:呪い/爆発
射程:視界
形状:対象指定
”呪い”を受けた対象の身に纏う呪詛を爆発させてダメージを与える魔法。
予め呪詛系統魔法による”呪い”の効果を受けた対象しか行使できないが小範囲の敵を巻き込んで爆発が起きるため、集団相手には同時複数対象へ攻撃できる。
相手が多くの呪いを受けているほどこの魔法の威力は高まり、更に追加で”呪い”を受ける負のスパイラルが発生する。
呪詛系魔法が効くならとりあえず連打すれば強いので魔女系を含めた呪詛系魔法主軸のエルドラドプレイヤーは基本全員習得している。




