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第163話

【エリシア視点】


「エリシアさん」

「なんですかアキヒト君」

「俺たち、エルフの里じゃなくてアメリカあたりに来ちゃったんすかね」

「ちゃんとエルフの里ですよ。ほら、全員エルフじゃないですか。

 耳も長くて尖ってますよ」

「俺の知ってるエルフってブロック肉でバーベキューしたり、山盛りフライドポテトとピザをビールで楽しむ人種じゃないんすけど?」


 はい。エルフの祝勝会は滅茶苦茶アメリカンでした。

 会場に並べられている多くの大皿には様々な種類のラージサイズピザや山盛りのフライドポテトが乗せられ、金網で馬鹿でかい塊肉やベーコンの塊を豪快にバーベキューし、極めつけは小樽ジョッキにたっぷりと注がれたビールで乾杯してる、ザ・アメリカのパーティーって光景が目の前に広がっていた。


 ・・・私の中でエルフのイメージをぶち壊される奇妙な光景を前にしながら、ビールとピザを一切れ食べてみると


「あ。このピザ結構おいしい」

「あぁ!カイから”テリヤキチキンピザ”ってヤツを教えてもらってね!美味いだろう!」


 それを聞いたアキヒト君は近くにいたカイさんに掴みかかる


「カイィィイイ!テメェ何エルフのイメージぶち壊すこと教えてるんすか!!」

「僕だって食べたかったんですよ!ビールは元からあったけど、ピザとかポテトとかジャンク食べたかったんです!なので教えました!」

「あの塊肉のバーベキューは?」

「元からです」


 元からあぁなのか・・・


「このビール、使ってるのはホップじゃなくてハーブですか?飲んだことのあるビールと味が違いますね」

「えぇ。自家製のハーブで醸造してるの」


 何でもこの里では暇つぶしでビールとか作ってるらしい

 ドワーフほど酒好きじゃなくても、貴重な娯楽らしい


「よかった。まだやってた」

「あー疲れた」


 宴が始まる前に抜け出していたマーシャさんとリッシュさんも戻ってきた


「どこ行ってたんですか?」

「ちょっと敵本陣跡地にね。はいコレ、アイツらが持ってた文書の一部。

 日本語で書いてあったわ」


 どれどれ・・・殆どボロボロで読めないな。ちょうど良いし貰った修復魔法で直すか


「≪物体修復≫」


 使い方は貰った時に教えてもらったので、その通りにやってみれば魔法が発動。

 ボロボロだった書類が修繕され、内容が読めるようになった。・・・っと危ない。直し過ぎて白紙に戻るとこだった・・・慣れるまで練習が要るな


「これは・・・請求書ですね。仲間内でも戦力の貸し借りとかはエルドラド金貨で取引してるみたいですドワーフの武具の費用とか黒曜石の従者のレンタル代とか書いてますね」

「結構ドライな組織ね・・・他も直してみて」

「はい。≪物体修復≫・・・こっちはアタリっぽいです。命令書っぽいですよ」

「見せて。・・・古代エルフの遺産?」


 マーシャさんが指示書の一文である「古代エルフの遺産」の一言で賑やかな場がウソみたいに静まり返った


「・・・どうやら、心当たりがあるみたいね」

「古代エルフの遺産ってどういう意味ですか?」


 私の質問にエルフ達が小さく囁き合いながら相談を始めた


「里長・・・」

「いや、良い。どうせすぐに分かる事だ・・・。

 古代エルフの遺産とは・・・我々エルフ族の祖先が遺した遺物であり、太古の祖先が残した大罪の証拠の事だ」


 里長であるサラファノさんが一歩前に出て、説明してくれるようだ


「大罪?」

「・・・長い話になる。まさか異世界人からも狙われるとは」

「その口ぶりだと、よほどヤバイ物みたいね」

「・・・ついて来なさい」


 サラファノさんの言葉に従い、私達は彼の案内について行くと、彼が話始めてくれた


「太古の昔。神々の支配する時代が終わった直後の事だ。

 地上を支配していた神々はこの地上から高次世界へと姿を隠し、新たなる支配種を巡った騒乱の時代が幕を開けた。

 神の血を引くとされる多くの英雄が神々の後継に名乗りを上げ、神々の威光から身を隠していた異形は姿を現して厄災を振りまき、世は混沌としていた時代の話だ。

 我々エルフの祖である古代エルフも、神々の寵愛が自分達にあると主張し、戦乱の中で世の支配を目論んでおった。

 竜種に次ぐ強大な魔力と長寿による膨大な知識の蓄積により、当時は竜王すら手が出せぬ勢力として世に名を轟かせ、大陸を支配していたそうだ・・・それゆえに生まれた傲慢さが古代エルフ達の滅亡を招く事件を引き起こした」


 サラファノさんが歩みを止め、指差すと・・・迷宮核?


「ダンジョンは古代エルフの技術によって世に生み出された厄災なのだ」


「古代エルフがダンジョンを作った?」

「自然発生じゃなくって?」

「順番に話をしよう。古代エルフ達はその優れた魔法適正と強大な魔力を武器に大陸で覇を唱え、当時は竜種に並ぶ強大な勢力として君臨しておった。

 多数のゴーレムや自動人形(オートマトン)を使役し、人の手を借りずとも圧倒的な生産能力を持ち、そして労働から解放された古代エルフ達は魔道のさらに先・・・”神の領域”へと手を伸ばさんと研究し、ついには世界の垣根を飛び越える「異世界召喚術」、そして「空間改変術」の開発に成功したのだ」

「ちょいまち!?異世界召喚!?」

「迷宮核とは、元々は異なる世界へと行き来する転送装置だったのだよ。

 異なる時空、異なる世界の知識や資源を得るためのな」


 なーんか話が壮大な事になってきたな・・・

酸性間欠泉(アシッドガイザー)

種別:攻撃魔法

制限:間欠泉(ガイザー)の習得

属性:毒

射程:10~100m

形状:起点指定

超高温の酸が噴き出す間欠泉を作り出し、間欠泉で指定範囲を吹っ飛ばす魔法。

前提魔法の≪間欠泉(ガイザー)≫を習得することで、派生習得することができる。

直撃した対象は毒属性の大ダメージと酸に焼かれる継続ダメージと物理防御力の低下という三重苦に晒される

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― 新着の感想 ―
猫鉄道「そんなの狙って騒乱を起こすのでしたら、もっと凄い技術を持つ我々に言って下されば、お望みの結果をご用意できるかも知れませんのに……もちろん有料ですが」(ゼニのジェスチャー)
話が飛躍したなぁ
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