第160話
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AIで「アキヒト」のイメージ画像を生成してみました
地面から噴き出す硫酸の間欠泉が収まり、魔人人形は酸の影響でジュゥジュウと音を立てて煙を上げている。
酸の効果は単純に相手を焼くだけでなく、酸を浴びた相手は物理的な防御力の低下も招く。病気や疾病を強化するついでに呪いを何発も放ったおかげで、魔人人形とその中に取り込まれているバンネンの耐性は酸を防げないほどに低下していたらしい
『グォォオオ!!≪人形撃:狂乱の一撃≫ッ!』
魔人人形の中からバンネンが吠え、こちらへと突撃しながら魔人人形が両腕を振り回して暴れまわる
「≪反動強化≫≪茨の壁≫」
私は冷静に魔人人形の腕に弱体化魔法を仕込み、その後で茨の壁を形成する。
茨の壁に拳を叩きつけた魔人人形は、≪反動強化≫の影響で自身が叩きつけた攻撃の反動に大きく仰け反った。
その隙に私は茨を操作して作った銃眼から反対側にいる魔人人形へ杖を向け
「≪5倍連続魔法≫≪呪詛爆破≫」
呪いを受けた対象を遠隔で爆破する魔法を連続行使。
1度目と2度目は耐性で防御されたが3回目に爆破の耐性が切れて爆発が起こり、4度、5度目の行使で完全に”呪い”の影響で耐性が落ちきって3回爆発が発生。この魔法の強い所は「相手が呪いを受けるほどに威力が上がる」ので、何度も呪いの蓄積を受けたバンネンにはキツイ物があったのだろう。
今の爆発で魔人人形に大きく亀裂が入った!しかし、魔人人形は素早く体勢を立て直し
『こ・・・このッ!≪人形撃:妄執の舞≫ッ!!』
魔人人形の指先から糸が伸び、さらに内蔵されていた火炎放射器が糸に火を点け燃える糸の斬撃をこちらへ乱れ撃つ
「≪献身の護り≫≪盾受け≫≪反射≫ッ!!」
そこにアキヒト君が私の前に割って入り、味方を庇うスキルで私を守りながら防御スキルを起動させてジャストガードを成功させ、その瞬間に防御成功時に攻撃をそのまま相手に跳ね返す魔法を発動させ、燃え盛る糸の斬撃がバンネンの魔人人形へ跳ね返されて炎上
『ギャァァァアアアア!!』
「当然、処刑魔女の能力はアキヒト君にも適用されます。
アキヒト君は中立/善の属性で私の味方ですからね」
アキヒト君が反射した攻撃に処刑魔女の能力で威力が上乗せされ、バンネンの魔人人形は半壊し中に取り込まれていた本体のバンネンも見えた。
様子を見るに私が付与した疫病の症状で余裕も無さそうだ
「た・・・たかが・・・こんな、武具精霊1体の能力で・・・!」
あと一押し。そう思っていると、バンネンがインベントリ空間に手を入れ、何かを取り出した
あれは・・・スクロール!?
「ゴホッ・・・認めましょう。今回は、私達の失敗を。≪転送門≫!」
スクロールが空中で燃え尽き、バンネンが空間の歪みの中に入り込んでワープ。
空間転移のスクロールか。追跡は・・・ダメだ、妨害系の効果で検索できない
『行ったか。では、吾も寝る。後は自力でどうにかせよ』
「えぇ。助かりました」
私は処刑魔女の実体化を解除し、アキヒト君の様子を窺うとアキヒト君は緊張が解けて地面に座り込んだ
「じゃ、ジャスガ成功してよかったぁ・・・」
「ナイスでしたよ」
実際、≪反射≫は防御を成功させることができればあらゆる攻撃を反射できるという無法に近い魔法だが、その条件は非常に厳しく、あらゆる全ての攻撃を防御で受けきる事などほぼ全ての習得クラスを防御系で固めなければならないとしか言えない。基本は格下相手にしか通用しない・・・が唯一例外が『ジャストガードを成功させる事』。ジャストガードを成功させるには、フレーム単位レベルの時間の中で完璧に相手の攻撃に”合わせる”必要がある。
アキヒト君は”ジャストガードを発動させる”スキルはあっても”ジャストガード判定が甘くなる”スキルは無い。本当に下手をすれば大怪我では済まなかったんだが・・・今回ばかりは大金星だ
さて、リッシュさんの援護をと辺りを見回すと・・・
「『≪極大焦熱波≫ァーーーーッ!!」』
正面の戦場、真金の従僕たちがリッシュさんの≪極大焦熱波≫によって消し飛ばされ、その数を大きく減らした
『ワーッハッハッハ!久しぶりに暴れたが済まぬな、そろそろ稼働限界ゆえな!』
「お疲れ熱狂姫」
熱狂姫の≪極大焦熱波≫の代償で熱狂姫の実体化状態が解除された
リッシュさんも休みながら実体化状態は維持してたし、あの人も相当頑張ってたな
『皆さん!そろそろ結界の中に!儀式魔法≪隕石衝突≫が発動します!』
うーわ。そんな魔法使えたのか・・・いや、儀式魔法って言ってたし個人で発動じゃなくて集団で発動すればこれくらいできるのか?
「マーシャさん聞こえますか?そろそろ戻ってきてください」
『今急いでるトコよ。バイク回収してすぐ戻るわ』
エルフが儀式魔法として発動させた≪隕石衝突≫は高レベルの「元素使い」や「魔導師」系の最上位クラスが習得できる超広範囲攻撃魔法。
効果は単純に「衛星軌道に隕石を召喚して指定した場所に落とす」それだけの魔法だが、その破壊力の高さはお察しだ。
懐かしいなぁ、ギルメンの1人が使えたんだけど、アレめっちゃ詠唱長いし威力と範囲が制御できないタイプの魔法だから、無関係な中立モブまで巻き込んで大変なことになったことが何回か・・・うっ。これ以上はやめとこう
空を見上げると昼間だと言うのに赤い流星が輝いており、アレがエルフ達が召喚した隕石だと分かった・・・私達もバイクを回収して撤収しよう
≪反射≫
種別:防御魔法
制限:魔術師系Lv9以上
属性:防御/物理
射程:自身
防御に成功したあらゆる物理的攻撃を「反射」させる魔法。
一見すると無敵の魔法に見えるが、物理的攻撃かつ防御に成功した攻撃でなければ反射させることができない。
また、自身にしか対象にできないため、魔法剣士や前衛型のビルドにしなければ使い道はほぼ無い。




