第130話
お待たせしました・・・
「≪植物召喚:机茸≫≪植物召喚:椅子茸≫」
球技大会を終え、村から離れた郊外にて地面から茸の家具を召喚し、プレイヤー勢と竜種2名が集まって情報共有を行う。
え?球技大会の結果?・・・リッシュさんのチームが優勝した。
あのフィジカルは反則だよ・・・。
「むぅ。竜種との戦闘、なんで呼んでくれなかったの」
「リッシュが戦ったら村ごと焼けてたでしょうが」
「特に本気出すと加減できないのリッシュさんっすよね」
「村内で戦うのはリッシュさんが一番ダメです」
「一番危ないのがリッシュなので、村内で戦闘禁止です」
リッシュさんの文句に対してマーシャさん、アキヒト君、私、ペロリさんが突っ込みを入れると、彼女はしゅんと肩を落とす。
だってこの人、火力だけならトップレベルに高いけど派手過ぎるからなぁ・・・それに火に対して無効化に近い耐性を持つ赤竜相手だと、相性も悪いし。
耐性を無視できるほどの火力となると、それこそ≪極大焦熱波≫でもぶっ放す必要があり、そんなの撃たれたら村が壊滅するので無しだ
「さて、改めて自己紹介をしよう。
私はライーガング。こっちはグラルボラグ。
私達は共に「鳴動の火山を統べる竜王」に仕える原色竜種だ」
原色竜種・・・強いわけだ。
階級で言えば丁度中間だけど、人間で例えるなら将軍や上級貴族といえる立場だ。
ただ、おそらくだけど仕えている竜王の名前は、人間用の言語で直訳してるせいで名前なのか肩書なのかよく分からない
「私達の任務は、聖域が放出した「悪魔武器」と呼ばれる呪われた武器を回収し、火山火口にて星の内側へと放り込むことで浄化を行うことだ」
「その過程で、お前たちの世界から来た異世界人共が結成した「聖域」と名乗る集団の調査も兼ねている」
「それで、「聖域」と言うのはどういう組織なのですか?」
「詳しい実態は我々も把握していない。
だが、連中は異世界の品を多数所持し、悪魔武器を乱造してバラまき、そして迷宮核すら自分達で作り出す技術力まで持っている」
「そして、悪魔武器の所有者の大半は「失敗作」として放置されているんだ」
・・・失敗作?
「彼らは悪魔武器を持たせた存在の中でも、理性を保ちながら使いこなすことができるごく一部の存在を、配下に加えているんだ」
「それ以外は全て理性や知性を奪ったうえで失敗作という烙印と共に、放逐することで自分達に繋がる情報を消しているのだ。
現在、目立つように活動している悪魔武器保有者のほぼ全ては失敗作として放置された者達なのだ」
「そして運よく、もしくは何らかの偶然で悪魔武器保有者を倒し、悪魔武器を戦利品として手に入れた存在が悪魔武器の持つ呪いによって自我を奪われて、延々と殺戮が繰り返されているんだ」
なるほど。とりあえず私達はゲームから持ち込んだ一級品の武器や防具を持ってるから特に魅力は感じないが、こっちの世界の基準で見れば悪魔武器の性能は常軌を逸しているのはその通りだ。
能力的な強さを追い求めて、この手の武器を手に入れようとする人も居るかもしれない
「なぜ「聖域」がこのような武器を作成できるのか、そしてその目的は何なのかまでは我々も把握していない。
ただ、幹部と思われる存在は全て異世界からの転移者だという事だけはこちらでも把握している」
「彼らの繋がりや思想、行動原理は目下調査中だけど、把握している限りでは10年以上前から存在していて、そしてその行動範囲はこの北大陸南部で広く活動しているんだ」
「悪魔武器も連中の行動範囲内にて出現を確認している。
現在、悪魔武器で被害に遭っている国はここだけでなく、首長国、聖帝国、教導国・・・大小様々な国で悪魔武器の出現が確認されている」
「そして、それと同時期に君たちのような異世界人の転移現象を私達も把握し始めたんだ」
ふむふむ・・・活動範囲エグイくらい広いな
私なんてちょっと隣の領とかに営業で行くけど、それでも飛行アイテムで往復で3~4日はかかるんですけど!?
単独、かつ全速力で飛べばもっと短く済むだろうけど、飛行型モンスターの強襲を警戒する必要があるし、全速で飛ぶと飛行に集中する必要があるから、速度を抑えないと飛行しながら戦うのは無理
「・・・とまぁ知っているのはここまでだね。
竜王様なら、もっと詳しい情報を知っているかもしれないけど」
「竜王様ってドコに住んでるのよ」
「ここから東。北大陸中央部にある巨大火山を居城にしているよ。
地図にすると・・・ここら辺だね」
ライーガングさんが懐から地図を取り出して、指差しで教えてくれた。
始めてこの世界の世界地図見たけど・・・この大陸だけでも結構広いな。
しかも見た感じ、かなり地形情報は正確なように見える。
・・・ってそりゃそうか。ドラゴンなんだから空飛んで上から測量すれば良いんだから、世界地図だって持ってて当たり前か
「へぇー・・・ねぇ。この地図もくれない?」
「それはちょっと・・・困るな。
キミ達は異世界人だから見せたけど、失くすと他の原色種に詰められるんだ・・・」
マーシャさんがライーガングさんに地図を強請ったが、彼は困った表情で拒否。
でも、ココまで正確な地図を作れる技術や知識が有るなら、ぜひコネクションを結びたい
問題は・・・ものすごく遠い。
縮尺を基準にするなら、直線距離でおおよそ2000km以上。しかも大陸中央部は無数に放置されたダンジョンから出てきたモンスターが溢れかえっており、道も標識も目印だって無い。
もしかしたら、何かしらの先住民が居るかもしれないが、少なくともこの国では未開拓地域扱いらしいし・・・うーん。使い魔文通できる距離じゃないな
・・・とりあえず、何かしらの方法を考えておこう
≪最上位魔獣召喚:鼠王黒死≫
種別:召喚魔法/専用
制限:召喚士系最上位クラス、かつ≪上位魔獣召喚≫の習得
属性:召喚
ネズミ系クリーチャーの最上位。鼠王の1体を召喚する魔法。
能力は「自己分裂」と「超スピードの増殖」。一見単純だが、あらゆる有機物をコストとして食らうことで爆発的増殖が可能。
そして、増殖したすべての個体が黒死の本体であり、統括する個体は存在せず分裂体の集合意識こそが黒死の正体。
倒す方法は分裂増殖のスピードより速く殲滅するか、分裂個体が存在する周囲一帯を跡形も無く破壊する以外に方法は無い




