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第124話

 尾行を続けると対象は診療所方面へ進んでいく。

 敷地を仕切る木の柵と門があり、その手前でもう1人と合流した


 尾行対象に合流したのは白い板金鎧を着こんだ金髪青眼で長身の男。

 こっちも冒険者に見えなくはないが、尾行対象と同じ程度のレベルを知覚


「他はありそうか?」

「いや、一通り巡ってみたが反応は無かった」

「なら、すぐ終わらせよう」


 やはり何かを探していたようね・・・。二人はそのまま診療所を回り込んで裏手にあるマイコニド達の作業スペースへ侵入


「!誰ですか、許可なく入ら_「≪思考停滞(スロウスイニチアチブ)≫」


 見張りをしていたマイコニドの1体が呼び止めようとしたら金髪の方が放った≪思考停滞≫の魔法で硬直し、無力化された

 傷つけてはいないがこれは明確な敵対行動と判断し、奇襲準備に入る


「急ぐぞ。場所は分っているな?」

「もちろんだ」


 硬直して倒れたマイコニドを無視して2人が向かう先は真菌の魔術師達が居る研究小屋

 これ以上は好きにさせるつもりはないので弓を構え・・・とりあえず、死なないように鎧の方の右腕を狙う


「≪尖刃の矢弾(セバーリングショット)≫」


 切断効果を与えられた矢が放たれ、奇襲として金髪の方の右腕。肘から先を切り飛ばす


「ッ!!」

「!」


 叫ぶことは無かったが、腕を切り飛ばされたのは相当なダメージ

 金髪の方は血が溢れ出る傷口を抑えながら蹲った。これでしばらくは戦闘不能と思う


「今のは警告、次は頭か心臓を射貫く。武器を捨てて大人しくして」

「人間ごときが・・・!」


 攻撃したので隠密状態が解除され、私達が認識された・・・いや変装してるから素顔でも無いか。とにかく察知された。おそらくだが隠密の効果も魔法だろうだけど、奇襲成功できた事を考えて知覚系の魔法やスキルは大して持ってないようね

 まるで自分で人外と言ってるようだけど・・・まぁLv70なんてこっちの世界じゃ人外と言えるのかも・・・?


「消し炭にしてくれるッ!≪熱光線(バーニング・レイ)≫!」

「よせ!」

 茶髪が攻撃魔法をこちらにぶっ放してきたので回避。

 なぜか金髪の方が茶髪の事を止めようとしてたけど、茶髪の方が完全に激昂してて話にならないみたいね


 とりあえず、狙いはあの研究小屋っぽいし・・・無力化して情報を聞き出しますか


「≪認識遮断(センスシャッター)≫」


 隠密スキルを使用して茶髪の知覚から逃れて再び隠密状態へ


「クッ!≪生命探_「シッ!」


 探知系魔法で探ろうとするのをアキヒトが突っ込んで阻害した。

 戦闘の打ち合わせは特にしてなかったけど、こっちがやってほしい事をちゃんと把握してるようで良し(グッド)


 素早く手数の多い細剣の突きで牽制して、茶髪の魔法詠唱を妨害してる隙に移動して奇襲準備に入る

 茶髪の方もアキヒトの細剣を布で覆われた状態の剣でガードし、覆いを取り払って臨戦態勢へ


 あの剣、種類は長剣(ロングソード)ね。精霊武具ではなさそうだけど、魔法付与されてて効果まではまだ把握できてない。しかし見た目からそれなりに火力はありそうと予想


「≪軽功の構え≫≪武器状態知覚≫≪風の鎧≫・・・」

「≪中位(ミドル)筋力強化(ストレングエンハンス)≫≪中位(ミドル)生命強化(ライフエンハンス)≫≪魔力の鎧(アーケインアーマー)≫・・・」


 ここで互いに武器で打ち合いながら、強化魔法と強化スキルを発動させる

 茶髪の発動は射撃で妨害したいが・・・二人が動き回ってて上手く狙えそうにない。

 恐らく茶髪の方が狙撃を警戒して動き回りながら戦う事を選んだらしい

 仕方ないので隠密状態である事を利用してこちらも強化スキルを発動


「≪暗殺の極意(キラースタイル)(シュート)≫≪暗殺の極意:(エッジ)≫≪影纏い(ダスクヴェール)≫≪武装無音化≫≪背中を見せて≫≪弱点看破≫≪死の舞踊(ダンスマカブル)静謐の舞(サイレント)≫」


 強化スキルの発動を終え、隠密状態で攻撃のチャンスを窺う


「≪魔力の剣撃(アーケインスラッシュ)≫!」

「≪打ち払い≫!」


 茶髪が(おそらく魔力を込めた結果)発光する長剣振り上げると、エネルギーの刃がアキヒトに飛来

 アキヒトも片手盾の≪打ち払い≫で盾を利用してエネルギーの刃の方向を受け流(パリィ)した

 受け流されたエネルギーの刃はそのまま畑の方へ・・・あ。


 エネルギーの刃が突っ込んでいく畑を見て、私は慌てて距離を取りながら耳を塞ぎ、アキヒトにも繋がったままの≪通信≫で注意喚起しておく


『アキヒト!耳を塞ぎなさい!』『へ?』


「ギャァァアアアアアアアアアア!!!」


 飛ばされたエネルギーの刃で掘り返された畑からマンドレイクが吹き飛ばされ、絶叫が響き渡る


「グァァアアア!?」「ギャーーーッ!!」


 ほら、言ったでしょ・・・

 マンドレイクの叫びを直で聞いた2人は、植えられてたマンドレイクが若い株だったおかげで、地面に転がって悶絶で済んだ。

 金髪の方は・・・あぁ、耳をふさぐことができなかったから、泡を吹いて気絶したらしい


「お、おのれ・・・ッ!小癪な罠を・・・!」

「エリシアさんの畑で死ぬとこだったっす・・・!いや、コレ後で締められるかも・・・」


 エリシアが育てる魔法植物が植えられた畑をこれ以上荒らされると・・・後が怖いわね。

 十中八九ブチギレて、しばらくは食事がこっちの世界基準の味付けにされそう・・・いや、なるわね絶対


 だが、幸いにもマンドレイクの叫びで茶髪がふらついてる。今が勝機


「≪峰打ち≫≪首狩り≫ッ!」


 ≪夜闇(ノクターン)≫を引き抜いて、隠密状態からの≪首狩り≫を発動。

 今回は情報を聞き出したいから切るのは無しよ!

認識遮断センスシャッター

種別:隠密スキル/暗殺者限定

制限:前提スキル≪認識隠蔽≫の習得かつ暗殺者Lv10以上

射程:自身

自身への認識を完全に遮断することで、通常では知覚されることが無くなる上位の隠密スキル。

たとえ目の前にいても発動してしまえば見失い、高度な探知系魔法や探知スキルを使用しなければ見つけ出すことは不可能。

ただし攻撃を行うと自動的に解除されてしまい、再使用まで10分以上の間隔が必要。

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― 新着の感想 ―
マイコニドのレベルは60のはずだけど不意打ちとはいえ70レベルにこうも簡単に無力化されるのか
畑の被害を感知して飛んできそう
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