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第109話

 アルコール体験で醜態を晒して2か月ほど経過。


 春の時期が到来し、村も活発になった。

 水源地への上水道建設は同時に丘向こうの森林地帯への道路としても使われるようになり、中型モンスターの素材を入手してくるパーティーが現れ始めた。


 それと、シリダでの戦いで追加召喚した2人目の真菌の女王、彼女も依り代を媒体にして召喚されたタイプだったため、制限時間無しで維持可能だったので、アカネの部下という扱いで名前を与えた。


 黒髪ボブカットでカワイイ系のビジュアルから、名前は「クロネ」。

 ・・・うん、安直なのは知ってる。


 クロネはマイコニド軍団2番隊、主に外部守護を専門に運用予定。

 村に続けて、上水道の水源地や線路を伸ばす予定の周辺の村への街道警護など、アカネのマイコニド軍団が後回しにしがちな外部の実働戦闘を担当するそうだ。


 アカネが率いる1番隊は、私の近衛部隊として運用するらしい。



 そして、ショーロ港湾都市との契約により、レシピと引き換えに付与術師の派遣がされた。

 既に付与術師ならレーシアさんが加入したが、レーシアさんもこっちの世界で付けられる付与効果を全て把握しているワケでは無いので、勉強のために呼んでほしいと言われた。


 こっちの世界での魔法使いは知識層が多いので、もしかしたら私達が知らない魔法関係の知識やスキル、エルドラド・クロニクルでは習得できない特殊な魔法についても知っている可能性も有ったため、誘致は続行となった。


 そして、課金アイテムの力で西大陸から派遣された付与術師達が猫の特急列車から姿を現した。


「初めまして。ハシユキ様の命により、しばらくここにお邪魔しますユゴーと申します。それと、私の弟子のブンキとフーレイ」


 ユゴーと名乗った付与術師、黒をメインカラーにした長い袖が特徴的な質素な韓服っぽい服装に顔の下半分を白い覆面で覆った中年くらいの男性。

 黒髪黒目で東洋人っぽい見た目だが、やはり日本人ではなく韓国の辺りの雰囲気を感じる。


 ユゴーさんの弟子ブンキは黄色い法被みたいな服装に白い袴っぽい服の男性。

 フーレイさんは薄桃色の法被姿に同じく白の袴の服装をした女性。


 全員、同じ西大陸の国の出身でこの村への派遣を受諾した理由は、異国の地で手に入る素材を弟子に扱わせて修行させたいという理由からだそうだ。


「ゲイリーウッズ村のエリシアです。早速用意した工房に案内しますね」


 レーシアさんの工房とは別に、彼ら用の住居と工房は用意してある。

 案内していると、ユゴーさんの弟子二人は私の装備に対してすごく興味を示しているのか、視線をビンビン感じる。

 ユゴーさんも気になっているようではあるが、ちゃんと弁えているのかそこまで視線は感じないが、興味があるのは分かる


「なぁ、あの服。やっぱり・・・」

「うん。指輪1個でも大貴族の秘宝って言われても納得だよ」

「お前たち、術師として好奇心が刺激されるのは分かるが、慎みなさい。

 それに、この村も大したものだ。簡素だが付与された武具が兵士に行き渡っている。小さな開拓村と聞いていたが、侮ってはいかん」


 はい。自警団やマイコニド軍団の武器は全部レーシアさんの手によって魔法付与が施されている。

 と言っても、普段使いの物は「与える物理ダメージを僅かに上昇させる」とかのショボい効果を1個付けただけ。

 村の警護任務で狩れるモンスター素材のストックではこの程度が限界だったんだよ。


「コレ、俺たちが来る意味有るのか?」

「もちろん有ります。私達の技術と西大陸の魔法技術を交流させて、双方が発展していきたいと私は思ってます」


 ぶっちゃけると、こっちの世界固有の魔法は戦闘面ではショボいが、生活を補助するような便利魔法は豊富だ。

 付与魔法も武器や防具に戦闘を有利にするような効果を付与できても、道具や衣服に対して、作業効果の効率を上げる付与効果は少ない。


 私もレーシアさんも、非戦闘用の便利魔法についてはかなり興味がある。

 便利魔法を研究すれば、生活水準を向上できるはずだ。


「ここです」


 新築の魔法工房に住居を繋げた物件。

 3人で暮らすなら十分な広さがあるはずだ


「ふむ。北大陸の品ばかりですが、慣れれば問題ないでしょう」

「へー。この国の家ってこんな感じか」

「地元より少し寒いけど、家は暖かいね」


 3人は物珍しい感じで内部を調べて回っている。


「必要な品や困った事があったら何でも相談してください」

「ご丁寧にありがとうございます」



 さて、技術者や職人という面ではシリダからの移住者も何人か目ぼしい人材が居た。


 なんと念願の鍛冶職人が避難民に混じっていたのだ!

 避難民のバークルさんは、一家で冒険者向けの鍛冶屋を営んでいたそうだ。

 専門は金属装備加工だが、モンスター素材の加工も設備があればできるという話なので、現在は鍛冶場を建設中だ。

 鍛冶場はマイコニド達の警護範囲内でも村の外に設置するそうだ。

 理由は騒音。金属加工は火の温度や素材の具合が良く見える夜が望ましいというので、夜中に作業することが多いらしい。

 で、こっちの世界の人たちは寝るのが早い。電灯とか無いし、蝋燭もタダではない。

 基本は日が昇る頃に活動を開始し、日没に寝る。

 さぁ寝ようかという時に鍛冶仕事でガンガンと騒音が響いたら、そりゃ安眠妨害だ。


 シリダ近郊では採掘場があったらしく、他にも金属加工や精錬技術を持った人が居たので、近いうちに仕事を割り振らないとな・・・


 あと念のため、夜に活動する人間が現れ始めたので治安のためにマイコニド軍団はシフトを組んで夜間巡回を実施することにした。

≪酒精耐性≫

種別:耐性/共通スキル

制限:特に無し

属性:防御/耐性

射程:自身

形状:自動発動/防御

どんな下戸でも酒が飲める、アルコールへの耐性を持つスキル。

限度はあるが、酒類を飲んでもアルコールによる酩酊や睡眠効果を受けづらくなる。

ただし、あくまで耐性なので飲み過ぎれば悪影響は出る。酒は飲んでも飲まれるな!

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― 新着の感想 ―
同じ真菌の女王でも個体によって見た目が違うのか。ここはゲームじゃなくリアルだからこそのところかな?
結構人材が揃ってきたなぁ、あと揃ってない人材って何があったか……
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