第103話
無限増殖爆弾による数分間の無限連鎖爆撃が終わり、敵の根城と思われる領主館は瓦礫と消えた。
「予想以上の威力ね、分裂増殖は上手く発動したけど、発射後の制御が問題ね・・・。でも、距離を改良して伸ばせば自爆はしないでしょ」
「もうスライム素材無いですけどね。あの爆弾制作で全部使っちゃいました」
「ま、街が・・・」
「滅茶苦茶っすね・・・」
「おかげで周囲に居たアンデッド守備兵も全滅。作戦通り」
領主館とその周囲の建物は爆破によって徹底的に破壊され、石畳はボコボコのクレーターができ・・・コレ弁償しろって言われたらどうしよ・・・
・・・敵の仕業にするか!おのれ邪悪な死霊術師め!
脳内で顔も知らない敵死霊術師に罪を擦り付けておく
「まだ≪気配知覚≫に反応あるっすよ」
「あれで生きてるのね」
私も≪生命力探知≫で看破すると・・・地下か
「地下に逃げ込んでいたようですね・・・地下ってどうなってます?」
「たしか、下水道だったと・・・」
この街にも下水道は配備されているのか。
聞いた感じだと、レンガ製の下水道は一度浄化槽のプールに溜められ、そこから下流の運河に排水しているそうだ。
「逃がすと面倒ね。エリシア」
「はい」
ここで町中に仕込んだ≪魔女の印≫を一斉に起動させる。
≪魔女の印≫は発動前に指定した魔法を後から遠隔発動させる魔法罠を設置する魔法。
置き型の結界だったり、地雷のように爆破させたり、タレット砲台のような使い方もできる。
今回は結界型の魔法を指定した。
町中に貼り付けた≪魔女の印≫に仕込んだ魔法、≪閉塞の庭園≫が起動し、結界による次元封鎖が完了。
起動させた≪閉塞の庭園≫の効果は指定したエリアを完全封鎖する、封印型の結界魔法。
それを領主館を中心とした6か所に仕込み、結界同士を連結させて大がかりな包囲網を形成した。
結界内部から外へ出ようとしても、魔法やスキル、アイテムによるあらゆる移動を封じるため、もうどこにも逃げられない。
結界を自由に出入りするには、術者である私の許可が必要。
抜け出すには結界破りの魔法か、専用のアイテムが必要だ。
まぁ耐久値が設定されてるし、攻撃魔法でぶち破るって方法も無いわけじゃないが、6倍発動させた結界をぶち破るより、術者の私を倒して無効化させた方が早いだろう。
「そして・・・≪侵略する緑≫!」
地下があろうと関係ない。魔法で植物によるエリア制圧を開始
私が召喚した植物が瓦礫を飲み込み、急激かつ不自然な速度で成長を続ける
「結界の外にいるアンデッドも入ってこれないみたいね。アカネ!」
「はい。≪軍団召喚≫≪真菌の神官≫≪真菌の従兵≫≪真菌の魔術師≫…」
アカネには予め許可を出しているのでここで作戦通りマイコニド軍団を召喚してもらう。
・・・と。地下道を制圧中の≪侵略する緑≫に対して攻撃が入った。
多分コレが敵かな・・・?負属性攻撃で生命力を直接削り取ってるのか、これじゃ制圧できないな
「マーシャさん、位置割れましたが・・・めっちゃ抵抗しますね。制圧無理そうです」
「まぁ次元封鎖で召喚も封じたし、ここからは対面して戦いましょう」
「うし!突入っすね!」
植物操作を自動化にして、賦活系ポーションでMPの回復速度を増強させる。
くぅ~・・・まっず。1本で十分だ
瓦礫を突き破った植物のおかげで、地下道への道はすぐ分かった。
隊列は前衛にマーシャさん、アキヒト君、リッシュさん
後衛に私とレーシアさん、アカネ。
マイコニド軍団は先鋒として私達より先に突入してもらう。
「・・・アンデッド多数。軍団単位で迎え撃って来てます」
「結界で次元封鎖してるので、私の許可なしに召喚はできないはずだけど」
「アンデッドを作成するスキルか魔法ね。その場で作成する分には次元封鎖の影響は受けないはずよ」
前線に到着すれば、マイコニド軍団とアンデッド軍団の激しい攻防が繰り広げられていた。
不浄を操る死霊魔法と浄化する信仰系魔法が飛び交い、狭い通路で白兵による鍔迫り合いと金属音
「こりゃ時間かかりそうね」
「なら強行突破っすよ!ちょっと切り込んでくるっす!」
そう言ってアキヒト君も乱戦に参入
「おらぁ!≪風の鉄槌≫!」
アキヒト君による風系統魔法による押し退け効果でアンデッド軍団の戦列を崩し、彼が強引に切り込む
あのままだと孤立するので、私達も切り込む
「≪炎のルーン≫!油お願いします!」
「はい!≪油性噴霧≫!」
炎のルーンに油を吹きかけて、アンデッド軍団へ火炎放射を浴びせる
「≪鷹の目≫≪貫通射≫!」
「≪機工始動≫!≪渾身≫≪薙ぎ払い≫!」
マーシャさんも貫通性能を与えた矢でアンデッド軍団を数体纏めて串刺しにし、リッシュさんも大剣に炎を纏わせてアンデッド軍団を斬り倒していく
「隊列を突撃形態へ!食い破りなさい!」
アカネの指揮により、私達が砕いたアンデッド軍団の隊列を真っ二つに裂いて分断に成功。
後は包囲して叩いて砕くだけなので、私達は残りをアカネとマイコニド軍団に任せて先を急ぐ
「この先は浄水槽のはずです」
「よく知ってるわね」
「補修用のルーン魔法が使えたので、時々補修のバイトで入ってたんですよ」
「そろそろっすよ」
アキヒト君の言う通り、地下水路が合流し、広い地下空間に出た。
奥には数体の強力な気配・・・側近のアンデッドクリーチャーと共に敵である死霊術師がそこで待ち構えていた。
≪怪力無双≫
種別:自己強化スキル
制限:戦士系かつ筋力値ステータスが一定以上
属性:強化
射程:自身
戦士系の自己強化スキルの1種で、筋力値ステータスに優れたキャラクターが使用可能。
自身の物理攻撃は、筋力を2倍として計算してダメージを与えることができる。
欠点としてスキル発動中はスタミナ消費量も増加するため、スタミナ量を意識する必要がある




