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閑話10「とある見習いくノ一の話」

 アタイはムアキ山のアーサラ。

 山の麓の集落で暮らす猫人(キャッツピープル)


 仕事は山で野鳥とかを狩る狩人。

 アタイみたいな肉食系獣人種は狩りや戦いが得意なヤツが多く、アタイも物心ついた時には山で狩りをしていた。

 今ではもう一人前の狩人として、一人で狩りができるようになった。


 ある日。いつもの様に山で獲物の痕跡を探していると、野営の跡を見っけた。

 この辺の山は狩場として利用されてるけど、街道からは遠いから旅人が通るにしては不自然。

 山に入るのはアタイかアタイの知り合いの狩人しか入らないはず。

 ・・・密猟者か山賊でも入り込んだのかな?


 詳しく調べていると、山の奥で小屋まで造って住み着いていた。


 気配を殺して近づき、小屋の様子を窺おうとすると


「≪忍法:縛縄(バクジョウ)の術≫ゥーッ!」

「にゃーーーッ!?」


 いきなり体にロープが巻き付き、あっという間に全身を縛り上げられて、木に吊るされた。

 縛られるまで、全く気配を感じなかった・・・!


「なんだ?ネコミミに尻尾とは随分気合の入ったコスプレだな」

「自前にゃーッ!あと降ろすにゃ!」


 そう言って姿を見せたのは、黒い覆面のような物で顔を覆った変な格好をした男。

 匂いからして多分人間。


「降ろすのは良いが、何者だ?俺の家に何か用でもあるか?」

「それはこっちのセリフにゃーッ!アタイの狩場に勝手に小屋建てて挨拶も無しかにゃーッ!」

「語尾に「にゃー」とか付ける辺り、コテコテなキャラ付けだな」

「余計なお世話にゃーッ!あとさっさと降ろすにゃーッ!」


「分かった分かった。待ってろ」


 覆面人間がナイフでロープを切り、自由になった瞬間に反撃として腰のマチェットを引き抜き突きつけようとするが


「それは物騒だから没収な」


 男は簡単にアタイの手からマチェットを奪い取った・・・!


「さて、誤解・・・っていうか行き違いが有るみたいだから、まず自己紹介から始めよう。だから落ち着け」

「・・・むぅ」


 悔しいが、この人間。かなり強い。


「俺の名前は『霧隠れサイモン』。忍頭(ニンジャマスター)だ。よろしくな」

「・・・ムアキ山のアーサラにゃ」


 サイモンとか言う変な人間は、自称「忍頭(ニンジャマスター)」とか言うやっぱり変なヤツ。


「で、サイモンはこの山で何してるにゃ?ここはアタイらが狩りに使う山にゃ」

「その・・・なんて言うかな」


 サイモンはしばらくモゴモゴと考え事のような仕草をした後


「実は、目が覚めたらこの山に突然飛ばされていたんだ。

 故郷に帰る方法も検討がつかんので、仕方なくこの山を拠点にすることにした」

「いや、勝手に住みつかれても困るにゃ。アタイらはここで狩りをするから他のヤツが居ても迷惑だし、すぐ麓に村が有るから住むならそっちにするにゃ」

「なんと・・・!すぐ麓に村が有ったのか・・・」

「小屋建てる前に気づけにゃ!」


 顔を隠してて怪しいヤツだが・・・山賊とかじゃ無さそう。


「で。さっきのロープは何にゃ?」

「ん?≪忍法:縛縄の術≫の事か?」

「・・・ニンポー?」


 聞いたことも無い技だけど・・・


「忍法とは忍者系が使用するスキル群だ」

「ニンジャって何にゃ?」

「そこからかぁ・・・。えーっと忍者ってのはな。斥候(スカウト)派生のクラスで、手裏剣や刀系武器を主武装にした魔法軽戦士・・・みたいな感じだ」

「つまり、魔法使いにゃ?」

「いや、忍者だ」


 そこは拘るんだ


「とにかく、住むなら村で住むにゃ。山の中で一人で暮らしてたら、モンスターに襲われるにゃ」

「そうか。せっかく作ったんだが・・・。村が有るならそっちに行くか」


 サイモンを連れて下山し、麓の村に案内する。

「で、サイモン。金は有るのかにゃ?」

「エルドラド金貨なら5億ほどあるが・・・」

「ご・・・!?」


 シレっととんでもない数の金貨を持ってることを知らされた。

 コイツ、変なヤツだけど、とんでもない金持ち!


「銀行に行けば150億はため込んでるが・・・この村に銀行は?」

「そもそも「ギンコー」って何にゃ?」

「・・・あるわけ無いか」


 ひゃ、150億・・・!?桁がデカすぎて冗談にしか聞こえない


「ほ、ホントに金貨5億持ってるのかにゃ?」

「ん?見るか?ホレ」


 そう言って何もない空間からジャラジャラと黄金色に輝く金貨が溢れ出て来た!

「ホ、ホントに金貨にゃ!すごいにゃ!」

「はっはっは。やらんぞ」


 溢れ出た金貨はサイモンが手を翳すだけで消えたけど、あの音と匂いは間違いなく本物の金貨・・・!


「アタイも「ニンジャ」になれば金貨を稼げるにゃ?」

「稼げるかどうかは別だが、アーサラも見たところ「斥候」クラスは習得しているから、少し訓練すれば「忍者」になれるぞ」


 なるほど。最初遭った時は変なヤツと思ったけど、サイモンは強い。

 そしてアタイにもサイモンと同じ「ニンジャ」とやらになれる才能が有るなら・・・


「サイモン。アタイをニンジャにしてほしいにゃ!」

「事情はよく分らんが・・・まぁ良いか。代わりにこの村の事とか教えてくれるなら、忍者クラスの習得を手伝ってやるよ」

「決まりにゃ!」


 サイモンはアタイの頼みを二つ返事で快諾。


「そうそう、女性の習得する忍者クラスは「くノ一」だから、そこは注意しろよ」

「分かったにゃ!今日からよろしく頼むにゃ!」


 こうしてアタイはアタイの目的のために「忍者」の道を歩み始めた。

忍者ニンジャ

系統:斥候派生クラス

主武装:「手裏剣」「刀系戦士武器」「軽装防具」

斥候スカウトから派生する特殊クラス。

忍術という独自のスキル群を持っており、武器やアイテムを使用して発動させる『忍法』と属性魔法攻撃として扱われる『遁術』を駆使して戦う。

忍術スキルは乱戦の中でも素早く発動させることができるため、斥候職でありながら敵陣に切り込みながら複数の敵を同時攻撃できるアタッカーとして活躍できる。

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