第100話
真・100話。
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『間もなく、ゲイリーウッズ村。ご乗車ありがとうございましたにゃ~
お忘れ物が無いようご注意くださいにゃ~』
猫の特急列車のおかげで、ゲイリーウッズ村まで逃げ帰れた私達。
「間一髪だったわ」
「危ない所でした・・・」
列車から降り、一息つく。
その後、追跡用の魔法が仕掛けられてないか、レーシアさんと協力して私達や避難者たちに探知や看破をして確認。
「追跡系の魔法は仕掛けられてませんね」
「私の方でもそうですね・・・よかった」
とはいえ油断は禁物。
シリダを占領した死霊術師が執念深くこっちに来ない可能性が全くないワケでは無い。
何かのきっかけで大軍を差し向ける可能性はある。
「家が・・・」
「生きているだけ儲け物だ」
「甥が近くに住んでいたんだ・・・。無事だろうか」
避難者も命と着の身着の儘で逃げだして何もない状態だったな。
「皆さん。ここはゲイリーウッズ村、イデア王国東部のイースリー領の北側です。ひとまずは逃げきれたので安心してください」
「イースリー?」
「シリダから馬で半年もかかる距離じゃないか」
「まさか北から東の端まで移動するなんて・・・」
ふむ。かなり距離があるとは聞いてたが、そこまでかかるか。
「とりあえず、村で住居や必要な物を用意するので、その後はどうするか決めてください。私ができるのは住居の準備と1週間分の食料や資金、衣服の支給、仕事の紹介までです。
村から出て行きたいなら、止めません。
支度金を渡すので、交易馬車に便乗して数日すればパ・ブシカの町まで行けるので、好きなようにしてください」
流石にこの人数をいつまでも面倒見るなんて無理。
仕事をしてもらうか、金だけ貰ってどこかへ行くかは彼らの判断に任せる。
彼らにとっては災難だが、私にとってはついでで助けたに過ぎない。
「いえ。命を助けていただいたうえに水や食料、住む場所どころか仕事まで施してもらえるならば、出てゆく理由は有りません。
どうか、ここで働かせてください」
避難民代表として、生き残った守備隊の隊長さんであるアイオンさんがそう言って、避難民達を纏めてくれるようだ。
一代騎士と本人は言っており、数年前にモンスター退治の武功を立てて成り上がってたエリートだそうだ。
守備隊の生き残りは隊長のアイオンさん含めて10名。
他は大人30名と子供5名、乳児2名。
他は街を捨てて逃げたか、死んでしまったそうだ。
「乳児は乗車人数にカウントしなかったみたいね」
「ですね。全員乗れてよかった」
避難民達は財産や何もかもを失っているので、僅かながら支度金と家、必需品を支給。
ちょっと人数が多いので独身の人は集合住宅を魔法で作成してそっちに住んでもらう。
「さて、ルーンキャスターが来たって事は、魔法付与師が来たわね!これでエンチャント製品作れるわよ!」
・・・あ。
「そうでした・・・ルーンキャスターって『占い師』と『魔法付与師』の派生でしたよね・・・。
実は西大陸に美容薬のレシピと引き換えで魔法付与師の派遣を依頼しちゃったんですよね・・・。
どうしよ。今更契約変更とか言ったら怒られそうだし・・・」
「ん。人が増えたなら、先に食料の問題。
一気に40人近く増えたから備蓄と生産の見直ししないとダメ」
ダァー!そうだった!仕事も割り振らないといけないし、これから住む人たちの住民票も作らないと!
「あと占領されたシリダの街について貴族に報告した方が良いわね。
現地人で対応できるか怪しいけど、少なくとも噂でも行動をキャッチしたいわ」
「えーっと、魔法付与するのは良いんですけど、工房設備とか用意してくれますか・・・?」
「避難民の支度金で鉄道予算削れた。計画見直ししないと」
「一度に問題多発しすぎぃーーーー!」
その後、数日くらい私はデスクワークに忙殺される事となった。
レーシアさんは魔法付与師として活動するが、同時に青空教室みたいな事を始めていた。
なんでもこっちの世界での魔法付与のコストが高額で客が寄り付かないらしい。
私も料金表を確認したが・・・ゲ。
「えっと『物理攻撃力上昇(微)』で金貨3枚・・・?『ダメージ全般軽減(小)』で金貨7枚!?」
「この辺りのモンスター素材じゃそれだけ多くの材料が必要でして・・・。
採算取れないんですよね」
あー・・・そっか。
魔法付与に必要な素材は元のモンスターの強さに依存する。
強いモンスターの素材からなら強力な付与効果を得られるが、こっちの自警団が狩ってくるような雑魚だと、この程度の付与でも大量の素材を要求するのか・・・
「あれ?こっちは安い」
「あ、そっちはこの世界固有の付与ですね。低ランクモンスター素材でも安定して付与できるので、シリダでは適当なガラクタ武器に付与して資金調達してましたよ」
それでも一回の付与で銀貨や大銀貨が飛ぶレベルか。そりゃ貴族しか抱えられないよ。
「なので、暇なのでこっちで先生として活動しようと思うんです」
「先生?」
「はい。リアルでは塾講師だったんで、教えるのは得意ですよ」
そう自称してたので、ペンと白紙のノート。あと黒板やチョークを用意してレーシアさんの青空教室が開校。
今のところ受講生は10人程度だが、学校の先駆けと思えば上手くいってると思う。
始めて1週間ほどだが、今では教師が本業で、副業が魔法付与師な状態。
教えている科目は「国語(現地語)」、「算数」、「理科」、そして特別授業で「魔法」だそうだ。
社会科はこっちの世界じゃ歴史が根本から違うので教えるのは無理だそうだ。
「学校建てるつもりですし、できればデザイン案とかあれば聞きますよ」
「では、石でできた立派なお城_「やっぱ良いです」 えー」
魔法学校を作るつもりはまだ無い!
≪死霊術師≫
系統:魔法使い系、黒魔術師上位
主武装:「杖系統武器」「短剣系武器」「衣服防具」
『黒魔術師』クラスから発展する魔法系統。
死体から不死者を作成したり、吸血種を召喚するなどの物量攻撃と呪い系、即死系魔法を駆使して攻撃する2つのスタイルを持つ。
初見殺しの即死魔法や入念な準備によって量産された不死者の群れの物量攻撃は上手く嵌まれば圧倒的。
欠点は神官系クラスととことん相性が悪く、不死者や吸血種同様に弱点となるため、相性の有利不利が強い。




