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第8話 魔女狩り

 時間にして、2週間ほどだろうか。シャルーサの精神状態も安定していった。あれほどの事があったのに、自分状況を整理した上で立ち直り始めたのだ。本当に強い子だ、兄として誇らしい。兄兄といっているが、なぜ兄貴なのかそれは、俺は妹の中にいて年上だ、それはもう兄貴という他ない異論は、認めない。徐々にでは、あるがシャルーサも、あの空間から出てくる事が多くなった。シャルーサと入れ替わる頻度が多くなった事で、この体質についても理解が深まった。入れ替わるには、双方の意思が関係しているようだ。例えば、シャルーサが入れ替わりたいとそれほど強く思わなければ、突発的に入れ替わることは、ない。

が強い感情を抱いて入れ替わりたいと思った時には、問答無用で入れ替わりが発動するといった具合だ。

この前、シャルーサのパンツを洗っていた時の事だ。今までそんな事は、なかったのでびっくりしたが、本当は恥ずかしかったようで突然あの空間に押し戻されたのだ。シャルーサも年頃の女の子だ、これが思春期と言うやつなのだろう。今の俺に性欲と言う感情は、湧いて来ないが前世の俺ならウハウハだっただろう、パンツを洗えないのは、少し残念だが、観るだけで充分である。むふふ、仮に性欲があっても紳士の中の紳士の俺は、妹パンツで欲情などしない自信がある。

きっとこんな事を考えているのも、読まれているのでシャルーサには、豚の養豚場をみるような目で見られてしまッタ。何だかんだあれど、上手く行っているような気でいた。その日の夜の事だった、事件が起きたのは。

 俺と妹は、眠っていた。すると何だかいつもと違う、、森の中が騒がしいのだ。ゾロゾロと近づいてくる足音、、、俺は直感で理解した、妹も同様に。

 俺は、妹と交代してあたりを慎重に探った。すると夜にも関わらず月の明かりとは、別の光が影を食いながらあちらこちらに見えた。俺は、目を凝らしてみた、そう町の連中だ。嫌な予感が当たった、やはりシャルーサは、追われる身になっていたのだ。どいつもこいつも男ばかり、手には、剣や杖を持っている。男達は、怒鳴るように叫んだ。

「魔女め!!出てこい!殺してやる!!!」と、、、。

俺は、震えた恐怖に震えたのでは、ない。

怒りにだ。

俺は、無意識のうちに呟いてしまった。

ホロル「殺してやる」

ハッとした、今まで俺が感情的になる事などなかった。この世界に来てから、感情と言うものが薄れていたはずなのに。この時ばかりは、内にある黒いものが動いたように殺意を覚えた。あの町の連中も被害者だろうが、妹が何をした。何もしていない彼女も被害者だ。何も知らずに、妹に罵声を浴びせ挙句の果てには、殺しにきたのだ。

どこの世界でもそうなのだ、戦争や差別が無くならないように理不尽な暴力は、存在する。ここでいっそ殺してしまうか、いやそれは、彼女にとって茨の道になる。ここで人を殺してしまうと戻れなくなる、普通の暮らし、あの優しい世界に。

俺は、バレずに森を出る方法を考えた。彼女の魔法を駆使すれば、バレずに逃げられるだろうと思ったのだ。

しかし現実は、そんなに甘くなかった。体が震えて動かないのだ。シャルーサが中で震えている。トラウマが彼女の精神や肉体を蝕んでいるのを感じる、それと同時に強烈な殺意を感じた、俺からでは、ない一体誰から、、。

俺は、その時外では、なく心(中)を見ていた。瞬間俺は、あの空間に引きずり戻された。目の前に見えたのは、体を舐めるように纏い付く黒い魔力を従える、シャルーサの姿。

不味いと思いすぐに変わろうとしたが、時すでに遅し、彼女を止められる者などいない。ある意味この瞬間彼女は、トラウマを乗り越えたのかもしれない、予期せぬ形で。

シャルーサ「ぶっ殺してやるわ、下劣な野蛮人ども」

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