第7話 休息
前世の記憶。今思えばそれほどに悪いものでは、なかったのかもしれない。仕事をして休日には、好きな事をして生きてきた。ただ確実に言える事は、自分が嫌いだったのだ。人との関わりが苦手なくせに付き合いだけは、良くていい顔をしようとする、そんな自分が嫌いだった。何かを遂げる度に自分が積み上げてきた小さな事の集大成だと、誇りたかったのだ。結果的にそれは、間違いだったと今は、思う。俺は、人生において他人と関わる事を恐れていたのだ、問題が起きないようにいい顔をしていた。信頼できる人も困った時に助けてくれる人もいた、だがそんなの一握りの物だ。いつからだろうか、順調に作り上げて来たはずの生活が嫌になったのは、ジェンガを積み上げてきたつもりが、壊していたのでは、ないかと思い始めたのは、、、。自分の気持ちを表現するのは、とても難しい、
だから俺は、考えるのをやめて自殺したのだ。結局おれは、自分勝手で最低な奴だ。これは、今の俺の前世での後悔である、考える事をやめてしまった事に対する後悔である。
彼女は、今立ち上がれる状態では、ない。彼女が境遇は、違えど前世の俺のように考えるのをやめてしまう前に立ち上がる手伝いをしなければいけない。これは、俺の勝手な押し付けだ。けれどきっと後悔する事を知っている。
今の俺がそう思えるように、彼女にそんな思いは、して欲しくない。俺の勝手な願望かも知れないがそれでも、、最後には悪くないと思って欲しいから。
シャルーサの介抱を続けて行くうちに少しずつ話をするようになった。あの事がやはりトラウマになっていて、なかなか俺と変わらないようだった。俺は、シャルーサのタイミングで出て来たらいいと言っているのだが、シャルーサは、俺に迷惑をかけているとおもっているようだった。
まぁ俺としては、シャルーサが元気になればそれでいいと思っているので迷惑とは、思っていないが彼女なりに責任を感じているのだろう。
それと、シャルーサの体を動かせるようになってからわかった事がある。魔法は、どうやら俺にも使えるらしいのだ。シャルーサをとうして魔法の使い方は、予習済みだったが本当に使えるとは、思っていなかった。魔法を使う手順は、詠唱とイメージだ。魔力の操作のような感覚的な事は、おそらく彼女の体に刻まれているので自然にできていると感じがする。シャルーサが魔法の習得を頑張ってくれていたおかげで、森の中でも何とか生活できている。
シャルーサの精神状態も徐々に回復していっている気がする、さてこれからどうしたものだろうか。
あの町には、戻れないし外の事も本でしか知らない、、。
町の人達は、シャルーサを魔女と言っていた、あの件でシャルーサが追われる身になっているかもしれない、身分を偽りつつ出来る限りあの町から遠ざかるのが、シャルーサの安全を守る手段なのでは、ないか。
どうしたものか、一番大切なのは、本人の意思だ。反発するかもしれないし、どうでも良くなっているかもしれない。シャルーサ自身が不安定な状態だと彼女が何を考えいるか、思考の共有ができない。もう少し立ち止まっていてもいいのかもしれない、こいう時にこそ冷静に事を見定めていくべきなのだ。彼女がこの後どうするか決めるその時まで、待っていよう。