おやじギャグvsおやじ狩り~おやじギャグで地球は氷河期になりました~
時は2500年。氷河期である。氷河期になった顛末を簡単に説明しよう。
2年前くらいのこと。突如、宇宙から日本列島に向けて一本の光の柱が立った。そして、精霊が日本人の一部の人の心に住み着くことになった。
その精霊はそもそも日本人に宿っていたものを強化する精霊であった。
誰しもが心の中に宿している"おやじ"である。
その日から日本人は自然とおやじギャグを言ってしまうようになった。それだけならよかった。それが原因でまさか氷河期になるとは思っていなかった。
しかし、その惨状の中、心にたぎる魂は1億度、と噂される救世主が現れた。バーニング松岡である。彼の異名は、そう。おやじ狩りだ。好物はつくね。
今日は彼の一日を見て行って欲しい。
え? 私は誰かって? 私はかみゅ......
私は神だ。神が嚙み申した。
バーニングの朝は早い。
「おっしゃああああああああああ。今日も狩ってくぜえええええ」
意気揚々とバーニングは家から出る。外の景色が真っ白でふぶいている。
「今日は新宿区を温めにいくぜええええええ」
バーニングは新宿に到着する。新宿はおやじが沢山いるところだ。
「お、バーニングバニー!」
おやじを宿せしちゃら男子高校生が現れる。うさ耳を両手で作っている。平均気温が一度下がる。
「おっと、俺のギャグでカチカチかな? 俺の勝ちっ」
「なんだそのギャグはあああああああああ! 俺の心にもっと響くギャグをくれえええ」
「俺のとっておきのギャグをくらえっ」
ちゃら男子高校生は溜める。
「布団がっっっっ吹っ飛んだっっ!!」
「むだむだむだぁぁぁぁぁ。もっと、熱くなれよおおおおおおおお!!!」
ちゃら男子高校生が炎に包まれる。
「次に行くぞおおおおおおお!!!!」
バーニングは次のおやじを狩りに行く。
「おっと。ここは幼い私が通さないわよっ」
小学生が現れる。先ほどと違ってハイレベルなギャグをお見舞いする。
「お前は富士山を見たことがあるかっっっ!」
「山上の惨状なんて知らないわよっ」
「登れっ! あの頂に!」
両者は一向に話がかみ合っていない。
「アルミ缶の上にあるミカンでも食べとくがよいのよっ!」
「諦めんなよぉ」
「諦めんなよ!! できるできるやればできるいつまでぬるま湯につかっているつもりだああああああっ!」
なぜかは分からないが少女には響いたらしく、炎に包まれる。
「今日の最後のおやじはどこだああああ!」
その叫びに答えるように都庁の屋上からだれかが降ってくる。
「ここです。You death!」
小太り中年のおやじである。そしてそれはラップである。勘違いおやじでアル。これは中国風アル。
「常識ある上司、欲しい」
しずかにおやじは話し始める。
「朝、蔵に桜。浅草に私、咲くさ」
「どういうことだああああああ」
バーニングが頭を抱え始める。あまりにも意味が分からな過ぎるといつもこうなる。
おやじがバーニングにキンキンに冷えたつくねを渡す。
「このつくね、熱くねぇぇぇぇぇ!」
「あ」
バーニングが凍り付く。バーニングは自分でおやじギャグを言うと凍ってしまうのだ。
頑張れ、バーニング。
明日も地球の危機を乗り越えるため。