冬夜流想
うかつにも、投稿した後に100作品目だったということに気づきました。そうと気づいていれば、もっと吟味をして選んだのですが。ちょっと残念な気もしますが、そういうものですね。
冬の祭りの趣は
並ぶ夜店に吊るされた 洋灯の色の暖かさ
風に吹かれてゆらゆらと
揺れる明りの影となり 寄り添う人らの白い息
名残る花火の面影は
冷たき空で凍り咲き 砕け散りたる輝きと
欠片の如く、滲みなく
ただ、ひたすらに降り注ぐ 光の粒の鮮やかさ
空を見上げて気づくのは
地の輝きに抗わず 隠れてしまう星たちの
幽かに残す光さえ
奪うことなく澄み渡る 冷たき空の暖かさ
遠き山より飛び来たり
洋灯の下を群れて飛ぶ 羽虫のごとく雪の舞う
触れれば、すぐに消えてゆく 儚き綾に魅せられて
寒さを忘れ立ち尽くす
冬の祭りの夜は更けて ひとり、ふたりと去りゆけば
屋台を仕舞う人たちの 声も儚く空に消え
きみと歩いた、この道を いまは、ひとりで帰りゆく
前に書いていたものを、一部修正して投稿しました。冬の花火、ランプの明かりに浮かぶ雪など、以前、出逢った、そういった断片の繋ぎ合わせによる、わりと、純粋な空想の産物です。