表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/58

プログラム8

ファンショックから立ち直ったこの頃。私は今現在目の前の存在というか、現象が理解できないでいる。

いつもと変わらずにプレイヤーが挑戦しに来たと思っていたのだ。今もいつもと変わらずにマールが戦っているのだが……。


「マールよ! 攻撃をやめろ。俺こそ本物の魔王カースだ。この戦闘に意味はない」


さっきからのこの言葉なんだよな。何故か入って来たプレイヤーは私と同じ姿をしているのだ?というよりも本物は私だぞ!この偽物が!


「クッ、偽物め。俺の部下を洗脳したか。小賢しい真似をしやがって。マール目を覚ませ! 主人を忘れたのか! 頼むからやめてくれ」


なんなのだ?あの私擬きプレイヤーは。たしかに私と似ているが、動きも攻撃も全く違うではないか。あ、今回復したぞ。私は回復できんぞ!魔王をなめるな!魔王はなぁ……。そんなアイテム使えんのだ!なにが、本物は俺だ!だ。あんなユルユルな魔王が居るか!お前の顔は見えないが、声を覚えたからな!あれだぞ、次になんか来たときに覚えとけよ。動けないから、気持ち睨みを倍にしてやるからな!あとその、あれだ。今は気持ち睨むくらいしかできないけど、私が自由に動けるようになったら真っ先に抹殺しに行くからな!早くプログラムから解放されたい……。

だが、今はマールに頑張ってもらおう!そんな偽物なんぞ倒してしまえ。ん?マールさん倒れた?クソ、偽物め。


「あーー。マールちゃん倒しちゃったよ。せっかくの素材を無駄にして、クソ装備を作ったのになぁ。やっぱりガセネタだったか! カス装備でカスのところに行ったら、マールちゃんと共闘してカスを倒せるってよ。クッソォ……。あれだけの素材でどんだけアイテム作れたんだか、はぁ」


……。やっぱり偽物なんじゃねぇかぁ!自分でわかってて私の名前を名乗っていたとかふざけんなよ!それに、なんだ?目的はマールか、マールだったのか。洗脳がどうのこうの言っていたが、貴様が洗脳しようとしていたんじゃないか。この偽物プレイヤーめ、なんて非道な。挙げ句の果てには、カスカスと。さっきまでしっかりとカースと言えていただろうが!

許せん。もうこれは許せない。大変に不服だが、しっかりと聞いた言葉がある。今のこの偽物プレイヤーはクソ装備と言っていた。クソ装備とは使えない装備ということだろう。クソなんて言葉は、そんな感じで使う言葉だからな。何故私の装備がクソ装備なのかは、考えないようにしよう。しかし、今現在勝てるかもしれん!行くぞーー!


「ほぅ。貴様のその姿……。私の鎧とよく似ているな」

(あれ?私の台詞がいつもと違う?)


「お! カスの台詞が変わった。でもなんの得もねぇ……」


「魔王カースはこの私だ。愚かな偽物には消えてもらおう!」

(言いたい放題この野郎!台詞通りに、消えてもらおう!)


「ま、カスには変わらないんだけどな。レーザーボム」


あ、あのアイテムは!ズルイ!ちくしょう、やっぱり持ってんのかよ。あーー。もうやられる。


「ふん。この程度で私、魔王カースを倒せるとでも?」

(え?)


「は? な、なんで効いてないんだよ。レーザーボム!」


「ふん。この程度で私、魔王カースを倒せるとでも?」

(あれ?なんでだ?いつもなら、かなりのダメージかほとんど死にかけになるのに……。全然効いてない。もしかして、とうとう私の自由が?)


「嘘だろ。なんでだよ。チッ、面倒くせぇ。普通に戦わなきゃいけないのかよ」


「くらえ! ダークホール」

(自由になったと思ったんだけど、動けないーー!どうなってんだよ!)


「いつもの装備じゃねぇし、クソ装備だし。戦い難い。あ! なんで他のアイテムも使えなくなってんだよ!」


「そこだ、ダークランス」

(アイテム使えないとか、笑えるんですけど。ん?私もアイテム使えないか。対等な戦いじゃんか!)


「ちくしよう! どうなってんだよ? えっと? はぁぁ! こんな装備スキルがあったのかよ……」


「どこを見ている? これで終わりだ。ダークマリオネット!」

(装備スキル? 鎧になんのスキルが?)


「……。この装備は2度と使わねぇ」


私が生み出した黒い人形が、偽物プレイヤーへ襲いかかりそして……。

うん、リセットされたな。やった、私はあの偽物プレイヤーに勝ったぞ!魔王カースの名を騙ろうなんて不届き者には、当然の結末だな!はーっはっはっはっは!


とある場所にて。


「なぁ? お前カス装備でマールちゃん検証したんだろ。どうだった?」


「最悪だった。あのネタはガセネタだったし、カスには負けるし」


「え? お前カスに負けたの?」


「当たり前だ! あんなクソ装備で勝てるわけねぇだろ」


「アイテムありゃ勝てんじゃん」


「使えなかったんだよ」


「どういう事だよ」


「あのクソ装備は、BOSS戦になると攻撃アイテム効果消滅と他のは使用不可。闇属性スキルのみ可っていう縛りがあったんだよ。カスなんて、闇属性スキル耐性あるからムリゲーだろ」


「マジか……。そりゃ誰も使わねぇな」


「俺も2度と使わねぇよ!」


魔王カースの素材は、全部とあるアイテムに使うために集められている。そのアイテムはとても強いアイテムであるため、魔王カースがよく討伐される理由である。

しかし、間違っても武器や防具には使ってはいけない。魔王カース同様、カス装備またはクソ装備と呼ばれているからだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ